スクール水着は学校ごとの規定で定められているのが一般的ですが、時代とともに、デザインや変化を遂げてきました。
そんな中株式会社フットマークが、スクール水着としては初めて男女でデザインが同じジェンダーレス水着を開発し、話題になっています。
文/マムズラボ
男女デザインが同じ! ジェンダーレス水着が登場
男女が全く同じデザインで、体形や性別を気にせず着用できる水着が注目を集めています。
株式会社フットマークが開発したこの「ジェンダーレス水着」の正式名称は、「男女共用セパレーツ水着」。 昨年から開発が進められ、2022年6月に正式発表したところ、同年からの導入を早々に決めた学校が3校ありました。2023年度以降の導入を予定している学校は10校以上あるそうです。
ジェンダーレス水着の特徴
フットマークが開発した「男女共用セパレーツ水着」は、男女ともに身体的な特徴が表れやすい胸や腰が、ゆったりとしたシルエットになるように調整されているので、体のラインが目立ちません。 長袖の上着は一枚でも着られるようになっていて、紫外線対策にも効果的です。これまでの水着の裏地は、肌の色に近いベージュが一般的でしたが、黒地にすることで、胸パッドが目立たないように配慮されています。また、パンツには伸縮性のある素材を使用し、さらに抜け穴を作ることで、身体に密着しすぎず泳ぎやすいデザインになっています。
ジェンダーレスってどういうこと?
ジェンダーレスとは「社会的・文化的な男女の差がない」「男女の境界をなくす」という考え方です。
「男女の平等」は、SDGsの目標のひとつにもなっていて、注目されている社会的な動きに含まれます。 教育現場でも、男女で分けられていたことが、男女一緒が当たり前というように変わってきています。
ジェンダーレス水着開発の背景
教育現場でも「ジェンダーレス」が注目されるようになり、学校ごとにさまざまな取り組みが行われています。
しかし、水着に関しては男女違って当たり前という考え方が根強く残っていました。
これまで、女子の水着がワンピース型から上下が分かれたセパレート型に変わったり、男子の短パン型水着の丈が長くなったり、といった変化はありましたが、男女全く同じデザインのスクール水着はありませんでした。
男女共用にすることで、水着の着用に不安を感じているお子さんに安心して授業に参加してほしいという開発者の思いによって、ジェンダーレス水着が誕生しました。
水着だけじゃない!ジェンダーレス化が進むスクールアイテム
教育現場で、ジェンダーレス化が進むのは水着だけではありません。ランドセルや学生カバン、制服など、個性が尊重されるようになり、選択肢の幅が広がっています。
ランドセル
男の子は黒、女の子は赤のランドセルと決まっていた時代から、性別にとらわれず好きな色を選べる時代に変化してきています。 最近のランドセル売り場では、色とりどりのランドセルが並んでいます。赤いランドセルを選ぶ男の子や黒いランドセルを選ぶ女の子も珍しくありません。小学校生活の6年間で長く子どもたちが使うアイテムだからこそ、本人の好みを尊重して選びたいですよね。
制服
中学や高校の制服は、かつては、例えば男子はズボン、女子はスカートが当たり前でしたが、本人が着たいものを選択できる制服を導入している学校が増加しています。
ジェンダーレスの制服は、性の多様性への理解だけでなく、体形のコンプレックスを軽減する効果も期待できます。
こうした持ち物や服装の選択に自由度が高いかどうかも、学校側がそれぞれの子どもの好みや主義主張を尊重しながら安心して学べる環境を整えているかを、判断する基準のひとつにもなるでしょう。
ご家庭でも「ジェンダーレス水着」について話してみましょう
実際に、学校ではジェンダーに配慮した水着は選択できるようになってきているのでしょうか。また、保護者としてはお子さんの水着選びとどう関わっていけばよいのでしょうか。
水着の「ジェンダーレス化」、実際にはどうなっている?
これまでスクール水着は学校側から指定されたものを着用するのが主流でしたが、最近では、好きなデザインのものを選べる学校もあるそうです。
編集部員の娘が通う小学校では、ジェンダーレス水着はまだ導入されていませんが、水着の上に着るラッシュガードは男女同じものを使用しています。10年ほど前は女の子の水着はワンピース型が主流だったように思いますが、現在はセパレート型が主流になっていて、上着は長袖とタンクトップから選べるようになっている学校が多いようです。
娘はまだ小学一年生で、体型に関する悩みやコンプレックスがないため、動きやすさ重視でタンクトップを選択しました。
ラッシュガードは、その日の天気によって着るかどうか決めているそうですが、男女関係なく、着用しているお子さんが多いそうです。
編集部員の周囲では、現時点ではまだジェンダーレス水着はまだそれほど浸透していないように感じます。しかし、体形にコンプレックスや悩みを抱えているお子さんや、紫外線やアトピー性皮膚炎などの理由で、袖やパンツ丈の長いものを着用する必要があるお子さんがいるのも事実です。また、「水着を着たくない」という理由で水泳の授業を憂鬱に感じたり、欠席したりするお子さんもいます。
学校の規則等の理由でジェンダーレス水着の選択が今すぐには難しかったとしても、ラッシュガードの着用を許可するなど、できることから変えていき、子ども自身が望む水着を着用して水泳の授業に参加できる環境を整えていかれるとよいのではないでしょうか。
保護者はどのように対応したらよい?
水着の選択肢が増える中で、大切なのは保護者の価値観を押しつけず、お子さんの気持ちを尊重することではないでしょうか。
中には、ワンピース型の水着を着たい子もいれば、ラッシュガードを着たくない子、ジェンダーレス水着を着たくない子もいるかもしれません。
また、低学年のときに着ていたタイプと同じ型の水着を、高学年になって着たくないと感じるようになるなど、成長に伴って気持ちが変わってくることもあるでしょう。
お子さんの成長に合わせて、たくさん選択肢がある中からどの水着を選ぶのかを尊重することが大切です。
子どもたちの好みやジェンダーなど、それぞれの個性を尊重し、安心して学べるような環境を整えるためには、まずは大人が考え方や子どもたちへの対応を変えていく必要があるでしょう。
せっかくジェンダーレスのアイテムが広がりを見せても、周りの大人たちの考え方が古いままでは意味がありません。
これを機に、ご家庭でお子さんも一緒に「ジェンダーレス水着」について考えてみませんか。
<出典>
フットマーク株式会社
https://www.footmark.co.jp/magazine/magazine-1211954/
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