2~3歳のイヤイヤ期、4歳からの集団生活…「子どものほめ方、しかり方がわからない」後編 わだことみ先生の子育てお悩み相談室【2】

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幼児教育研究家であり絵本作家のわだことみ先生に、
子どもの「ほめ方」と「叱り方」を教えていただくお悩み相談。
今回2~3歳の「イヤイヤ期」の子どもとの接し方や、
集団生活が本格化する4~6歳ごろのママ&パパの心の持ち方について教えていただきます。

目次

イヤイヤ期:子どもの気持ちを、まず受け止める

何を言っても子どもの耳に届かない2~3歳の「イヤイヤ期」。
お母さんも困ってしまって、つい強い口調でしかりつけたりしてしまいますよね。
でも、感情を爆発させてきた子どもに感情で返しても効果はありません。
そういう時はまず、子どもの気持ちを一度受け止めて寄り添うことが大切です。

また、子どもが何か発信してきた時は、その気持ちを尊重すること。
機嫌が悪い時には「眠い」「お腹がすいた」「あれがやりたい/やりたくない」などの理由が必ずあるんです。
まずは、子どもの気持ちに共感して「眠いよね」「お腹がすいてたんだね」「これがやりたかったんだね/やりたくなかったんだね」と、肯定して受け止めましょう。
諭すのはその後で。
そうすれば、お母さんの思いも子どもの心にしっかりと届くはずです。

集団生活の開始:評価はしない、他の子と比べない

幼稚園や保育園などの集団生活に入ると、子どもはイヤでも他のお子さんと比較されます。
子どもは敏感ですから、あの子はできるけど自分はできない……ということを、小さいながらも感じます
。それなのに、お母さんからも他の子と比較されたり、叱られたりするのはかわいそうです。
周囲の人から自分の子どもが他の子と比べて「できない」と評価されると、気になってしまうお母さんは多いと思います。
しかし、早く花を咲かせる木と、ゆっくりと時間をかけて大輪の花を咲かせる木が違うように、それはお子さんの個性だと受け止め、気にしないことです。 

また、お母さん自身も「子どもにこうあってほしい!」という自分の理想と、お子さんを比べないこと。たとえば、勉強をさせたいと思っても幼児期の子どもにとって「勉強」はしなくてもよいものなのですから、親のペースでさせたら無理が出て当たり前です。「こうあるべきなのに、そうならない」と焦っているお母さんの気持ちを、子どもは敏感に感じるもの。それが原因で、子どもとの間に亀裂が生まれてしまうこともあります。

お母さんは決して焦らず、子どもの興味に合わせていきましょう。子どもの好きなことを好きなだけやる! これが集中力・能力を伸ばす基本となります。そして、「今のあなたが大好きだよ!」「あなたは大切な存在なんだよ」という気持ちを伝えること、それが一番大切です。

大切にしたい3つの「あ」

私は子どもを育てる時には「3つの“あ”」が必要だと考えています。それは「愛情」「安心」「安全」。それさえあれば親子の信頼関係が築けるはず。お母さんからたっぷり愛情を注がれていると感じている子は、安心して勉強やスポーツをがんばれます。お母さんはいつもニコニコして、ほめてくれる。ほめられると自信がついて、他のこともますますがんばれる。そういういい循環を作りましょう。
 
大切なのは、「何があっても自分はこの子のそばにいる、子どもの港になる」という気持ち。それが揺らぎそうになったら、お子さんが生まれた時のことを思い出してみましょう。子どもは限りなく愛しい存在。あの時の幸せな気持ちに立ち返れば、少し子どもが失敗しても、たいしたことではないと思えるのではないでしょうか。

――子どもを叱ってしまいそうになったら深呼吸、とよく言われますが、もっと踏み込んで「一度子どもが生まれた瞬間に戻ってみよう」というわだ先生のお話は、とても心に響きました。
すぐに実践するのは難しいかもしれないけれど、胸にとどめておくだけで子育てが少しラクになりそうですね♪
 
次回は、「子どもの発達」について教えていただきます。

この記事の監修・執筆者

幼児教育研究家、絵本作家 わだ ことみ

1958年生まれ、東北大学工学部卒業。
塾、予備校、幼児教室で幼児から高校生まで長年指導。
現在までに知育絵本、幼児向けの知育ドリル、絵本など300冊以上を執筆、
知育関連の雑誌、幼児番組、おもちゃ、アプリのアドバイザー、監修も務める。

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