【潮干狩りに出かけよう!】遊んで学ぼう−天体から生物まで

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【潮干狩りに出かけよう!】遊んで学ぼう−天体から生物まで

文/こそだてまっぷ 編集部

目次

“潮干狩り”は昔から日本の春の風物詩として親しまれてきました。
海の自然に触れながら貝を採って、持って帰ってみんなで食べる……大人も子どもも楽しめる“潮干狩り”は、さまざまなことが学べる場でもあります

「潮はどうして引くの?」「貝はどんなところで見つけられる?」など、お子さんの“なぜ?”に寄り添いながら、天体の動きや貝の生態について学んでみませんか?

潮干狩りの“潮干”ってなに?

どうして潮が引くの?

はじめに潮干狩りの“潮干”とは何か考えてみましょう。
“潮干”とは、潮(海水)が引くこと。1日の中に、海水が引いて陸地=干潟になる時間帯があるのです。この時間帯を利用して、アサリなどの貝を採るのが潮干狩りです。

では、どうして潮は満ちたり引いたりするのでしょうか。これには、宇宙の話が関係しています。
海の水が満ちた状態を「満潮」、引いた状態を「干潮」といいますが、この現象には、月と太陽の引力が関係しています。

引力はどんなものにもはたらく、ものを引きつける力です。
地球の月に面したところでは、海水が月の引力に引っ張られて持ち上がります。また、その裏側のところでは、地球と月が回り合う力が作用して海面が上がります。これが満潮です。
これに対し、月の位置が地球と直角にずれた地域では、海面が下がって干潮になります。

干潮・満潮の図

春の風物詩といわれる理由

そして、潮干狩りに最適なのが、満潮と干潮の差が最大になり、干潮時に大きく潮が引く「大潮」のときです。

大潮には、月だけでなく、太陽も関係しています。
大潮は、月が満月か新月の位置にあるときに起こります。
このとき、太陽、月、地球が一直線上に並び、地球に対して太陽と月の引力の方向が一致するために、ほぼ半月周期で大潮になるのです。

これに対して、月が上弦か下弦の位置にあるときは、月は太陽に対して直角方向にあるため、満潮、干潮の差が最も小さくなります。これは「小潮」と呼ばれています。

地球は1日に1回自転するので、多くの場所で1日2回ずつ満潮と干潮を迎えます。
そして、春は昼間に潮が引きやすく、特に春の大潮のときは潮干狩りとして絶好で、昔から風物詩になっていたのです。

いつ、どこの海岸で潮が引いて潮干狩りに最適かは、月、太陽の位置から全国の潮の満ち引きの時刻、水位を予測した「潮見表」で確認できます。気象庁のHPなど、さまざまなサイトで公開されています。ぜひチェックして、潮干狩りの計画を立てましょう。

大潮の図
小潮の図

アサリを知れば、たくさん採れる?

アサリの体はどうなっている?

さて、潮の引いた干潟で採れる代表的な貝は、アサリやハマグリなどの二枚貝です。
では、干潟のどのような場所で採れやすいのでしょうか。ここではアサリの生態を知って、潮干狩りを攻略しましょう。

アサリは2枚の貝殻の隙間から斧のような形の足を伸ばし、砂に突き刺します。足の先をふくらませて縮めると、アサリの体は足を下にして縦になり、じょじょに砂の中に潜って姿を隠します。このとき水管を外に出します。
水管は「入水管」「出水管」が1セットになっていて、入水管から水を吸い込んで呼吸すると同時に、プランクトンなどの食べ物を取り込み、出水管から吐き出します。

足と水管を出したアサリ
アサリの斧のような形の足と入水管・出水管

アサリがいた跡を探そう

アサリは大事な2つの水管を砂の上に出すため、波が当たりやすい場所や、水管に砂利が飛んでくる場所を嫌い、自分の水管を守ってくれる場所を好みます。
アサリは波が強く当たらず、谷になっている“潮溜まり”のなかでも、特に波が来る方向とは逆の斜面や、アマモなどの海藻と海藻の間で、波が弱まるところに身を潜める習性があるのです。
また、水管を砂の上に出すため、あまり深くないところに集団で潜る習性もあります。

干潟の表面に2つの穴やくぼみが見つかれば、それはアサリがいた印。海が干上がるとアサリは水管を引っ込めるので、2つの水管を出していた跡が穴になって残るのです。
その周辺に、アサリが多く潜んでいる可能性大です。

失敗しないアサリの砂抜きの方法

アサリの砂を取り除こう

アサリを採って家に持って帰ったら、料理の前に下準備をしっかりしましょう。
アサリは砂の中で暮らしているので、砂や泥が殻の表面についていたり、体内に入っていたりします。この砂や泥を取り除かないと、料理が「ジャリッ」としてしまいおいしくありません。

アサリの殻は、浅く細かい溝が放射状に数多くあるので、表面にも砂がつきやすいです。
まずは、アサリ同士の殻をこすり合わせて流水でよく洗い、表面の砂を取り除きましょう。

アサリが呼吸しやすい環境をつくろう

次に、普段のアサリの生息地に近い環境をつくります。そうすることで自然に呼吸をさせ、これを利用してアサリに砂や泥を吐き出させるのです。

まず、一つひとつの貝が呼吸しやすいように、バットなどに重ならないよう並べます。
そこへ、海水と同じぐらいの3%(1カップ200mLの水に塩小さじ1)の塩水を、アサリの殻がのぞく程度に注ぎます。
温度は常温で、竹ぐしなどで空気穴をプツプツと数か所あけたアルミホイルや新聞紙などでフタをして暗くします。
そして、そのまま5~6時間放置すると、アサリが砂を吐ききって砂抜きが完了します。

アサリの砂抜き
アサリの砂抜き

出かける前の準備の段階で天体と海とのつながりを知ったり、実際の海では貝を採りながら生態を学んだりできる“潮干狩り”。そして、家に帰ってからはおいしい料理に舌つづみを打てるというごほうびつきです!

採った貝の数をみんなで競い合うのも盛り上がりますよね。
“潮干狩り”は、みんながひとつになって楽しい学びもできる絶好の機会になるのではないでしょうか。

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