「連休に遠出」もいいけれど、混雑や費用面でハードルが高く感じるというご家庭も少なくないでしょう。ただ、実は小学校低学年のお子さんを持つ家庭でGWや休日に「特別感のある過ごし方」をするのはとても意味のあることです。家族の大切な思い出になり、さらに子どものデジタルデトックスのきっかけにもなる遊びのアイディアをご紹介。費用や手間をかけずに楽しく過ごすためのポイントを、公認心理師の佐藤めぐみさんに伺いました。
取材・文/FUTAKO企画
「思春期の手前」の時期に家族の思い出を作る
子どもが小学校に通うようになると、幼児期に比べて日々の過ごし方の把握が難しくなってきます。お子さんに聞いても忘れてしまっていたり、うまく伝えられなかったりで、親子の心の距離ができてしまうこともあります。そういう意味で、連休や長期休みなどの機会に家族一緒に楽しい時間を過ごすことは、心の安定につながると思います。
思春期は小学校高学年ごろから始まるとされていますが、そうなると友だちとの時間が優先されたり、一人で出かけたりする機会も多くなっていきます。
さらに、思春期では父親と娘、母親と息子といった「異性の子」との関わりが難しくなっていくため、そうしたことを気にせずわいわい過ごせる「思春期手前」は、子どもの記憶にも残りやすく、親子の思い出を作る貴重な時期なのです。
もちろん、お子さんがもっと成長してからでも家族の時間を過ごすことはできますが、「親の愛情を受け止めて素直に感情を表現できる」この時期を逃さずに、ぜひ家族の良い思い出を残してもらえたらと思います。
家族でしたい楽しいことリスト【おうち編】
普段忙しく過ごしている保護者の方の中には、「連休にわざわざ出かけなくても」という思いを抱く方もあることでしょう。でも、心配はいりません。低予算でも、準備に手間暇をかけなくても、家族で楽しめる「特別感のあるイベント」は可能です。まずは、家の中でのアイディアをご紹介します。
イベント
ふだんとは違う「特別感」をいかに演出するのかがポイント。複数のイベントの合わせ技もおすすめです。我が家では先日WBCの試合を見ながら、テーブルにビュッフェ風にピザを並べて、イベント感を演出しました。ちょっとテーブルの配置を変えるだけでも、雰囲気が変わって楽しめるものです。
1 おうちホテル
「予約名を言ってチェックイン」「ホテルスタッフが部屋を案内する」「クラシックの曲を聴きながら食事」「いつもと違う場所で寝る」など、ホテル風に演出します。
「ハワイのホテル」「温泉宿」など、テーマを決めて食事やお風呂の入浴剤などにこだわってみると楽しさがアップします。親子でそれぞれ従業員と客の役柄を担当してみるのも面白いと思います。

2 室内キャンプ
キャンプ用のテントや寝袋を使っての室内キャンプ。庭の広さが十分なら、庭にテントを広げるのもよいですね。
「ランタンの明かりをつける」「焼きそばやカレーなどアウトドアらしいものを食べる」「テントの中でトランプをする」「リビングで皆で雑魚寝」など、アウトドア風の演出をすると楽しいでしょう。
3 おやつビュッフェ
小さくカットしたケーキや市販のお菓子、フルーツなどをテーブルいっぱいに並べ、自分で小皿に取り分けるビュッフェ形式に。いつもと違うお皿を使ったり、テーブルの置き場所を変えたりするだけでも雰囲気が変わって楽しめます。他にも、サンドイッチやピザなど具材の種類を増やせるもので、さまざまな「おうちビュッフェ」を開催すると楽しめるでしょう。
4 ゲーム大会
ボードゲームやトランプなど、家族でできるゲーム大会を開催。家族で二手に分かれてチーム戦にしてみたり、優勝賞品や特典などを用意したりすると盛り上がります。
トランプは「大貧民(大富豪)」「ポーカー」といった、少しルールが複雑で戦略が必要なゲームに挑戦してみるのもよいと思います。
5 宝探し・謎解きゲーム
「○○を探せ」など、家のあちこちに残したヒントを頼りに宝探しをしたり、100円ショップなどにあるブラックライトを使ってメッセージを残したり。足し算・かけ算など計算問題を入れてもよいでしょう。市販の謎解きゲームも子どもの年齢に合わせて選べばOKです。
6 みんなで夜ふかし
「普段はだめだけど、この日だけはOK」と、「○時就寝」などのおうちルールを解禁。先に入浴後パジャマに着替えて、いつ寝てしまってもいいように準備をします。それから、プロジェクターに投影して映画鑑賞をしたり、大きいパズルを協力して完成させるなど、「家族みんなで」するのがポイント。
7 友だちを招待する
子どもの友だちを家に招待するのも、イベントとして楽しめると思います。最近の小学生は何かと忙しく、お泊まりはもちろん、日中の数時間の遊びでも特別感があるもの。「○○で遊ぶ」「昼食のメニューは△△で」などと、招待する相手の希望も聞きながら、お子さん自身にプランニングさせてみるのもよい経験になります。あまり気負わず「呼ぶことが大事」と考えて、親が世話をしすぎないように注意。 先方のご家庭の都合も考えて、早めに予定を立てられるとよいでしょう。
作る・育てる
おやつ作りや創作意欲を満たせる工作、野菜の栽培など、アイディア次第で楽しみ方もいろいろ。買い物から親子で一緒にすると、わくわく感が高まります。途中経過や完成した作品の撮影も忘れずに。
8 オリジナルパフェ作り
器に具材やソースを自由に盛り付けてパフェ作り。フルーツ、アイス、プリン、一口カステラ、クッキー、生クリーム、コーンフレーク、チョコソースなどを好みで用意します。背の高いガラスの器やコンビニスイーツの空きカップ、100円ショップのデザートカップなど、「映える」器選びも大切です。
9 たこ焼きパーティー
家庭用のたこ焼き器やホットプレートで、たこ焼きパーティーを。市販のたこ焼き粉を使えば、味付けや配合を迷うこともありません。中に入れる具材はベビーチーズやウィンナーなど、簡単なものにするとハードルが下がります。生地にホットケーキミックスを使えばベビーカステラもできます。
チケットを用意し、大人が注文して子どもが作るなど、屋台風の設定にしても楽しいもの。他に、ホットプレートではホットケーキ、ぎょうざ、焼きそば、クレープ作りも子どもと一緒に行う作業に向いています。
10 特別感のある工作
段ボールや空き箱などで秘密基地作り、ロボット工作、立体アートなど、普段はなかなかできない「手間のかかる工作」にあえて挑戦するのもよいでしょう。お子さん自身がアイディアを出し、工夫して完成させることで達成感が得られる体験に。
工作キット、手芸キットなど市販品を利用するのも◎。カラーペン、ペットボトルキャップ、毛糸、余ったボタンや洋服の端切れなど、アレンジ用の素材も準備を。
11 ヨーグルト・納豆作り
我が家では子どもが小さいときに、ヨーグルトや納豆といった「菌」を使う食品を自宅で作ってみたりもしました。科学実験のように変化していく様子は子どもにとっては新鮮で、身近な微生物の働きに興味を持つきっかけになると思います。
ヨーグルト:牛乳とプレーンヨーグルトを用意、1日程度で完成 納豆:乾燥大豆(水煮大豆)、市販の納豆1パックを用意、1~2日程度で完成
12 野菜を育てる
ベランダや玄関先にプランターを置いて、種や苗から野菜を育てます。
種から育てるラディッシュやリーフレタス、苗から育てるミニトマトやきゅうりなどは成長が早く、初心者におすすめ。早いものは1か月ほどで収穫できます。自分で育てて収穫した野菜を食べることは、貴重な体験になります。
家族でしたい楽しいことリスト【お出かけ編】
あまり費用をかけず、近場で行き来できるお出かけのアイディアをご紹介します。各ご家庭ごとのペースで楽しく過ごすためには、情報収集も大切です。
地域の魅力に触れる
13 地元観光・施設見学
自宅の近くでも、案外知らない場所はあるものです。地図を見て、お寺や神社、歴史ある建物、眺めのよい場所など、地元の魅力を親子で探してみるのも有意義ですね。
移動時間が短くて済むので、地元に古くからある銭湯に行ったり、自分の地域の名物料理を食べたりお土産を買ったりと、気軽に体験できるメリットがあります。
また、地域にもよりますが、一般向けに公開されていない工場や施設などでも、見学OKの場合があります。お子さんが興味を持った施設があれば、問い合わせてみるのも一つの方法だと思います。
14 地域のイベント
GWや夏休みなどの長期休みの前には、地域の情報誌やウェブサイトに子ども向けの工作イベントやお祭りなどの情報が掲載されることが多くなります。事前に申し込みが必要なイベントもあるので、早めにチェックしておくと予定が立てやすくなります。また、近所での開催であれば、友だち家族と一緒に参加することも可能になるでしょう。
15 ご近所ピクニック
ピクニックというと、保護者の方が早起きをしてお弁当作って…というイメージを持たれるかもしれませんが、もっとハードルを低く考えてみてはいかがでしょうか。
以前私がフランスに住んでいたとき、フランスの人たちのピクニックは、「近所で買ったバゲットにその場で具材を挟んでサンドイッチを作る」「食べたらシートに横になって寝る」くらいの気楽さでした。
近所で買ったものを食べたってピクニックです。保護者の方の負担が少なければ、気軽にリピートする気になれますね。
自然体験
16 四つ葉のクローバー探し
季節限定にはなりますが、四つ葉のクローバー探しも野外ではおすすめの遊びです。家族の中でだれが先に見つけられるか、競争してみるのも楽しいと思います。探すときのポイントは、
・クローバー(シロツメクサ)が群生しているところを探す ・1つ四つ葉が見つかった場所を集中して探すと、他にも見つかる可能性が高い
・30分探して見つからなければ、他の場所に移動する
見つけたら、手帳や小さな本などに、ティッシュと一緒に挟むと、きれいに持ち帰ることができます。押し花にしてしおりを作ってみるのもよいでしょう。
17 水遊び
こちらも季節限定にはなりますが、夏場の水遊びは楽しいものです。天気がよくても水温は冷たいこともあるので、長時間の水遊びは避けます。水に入る場合は浅瀬でも必ずライフジャケットを着用し、目を離さないこと。大人の膝下くらいの浅瀬で網とバケツを持って、小魚、エビ、サワガニ、虫などを探します。
また、水に入らなくても、水辺での遊び方はいろいろ。「形のよい石ベスト1を選ぶ」「石でダムやタワーを作る」「平べったい石で何回水切りできるかチャレンジ」「葉っぱ流し競争」など、遊んだあとは集めた石を元に戻すようにしましょう。
その他の外出イベント
18 夜の散歩
暗くなってから近所を散歩するのも、子どもにとっては新鮮に感じられる体験です。いつも通る道が違って見えます。月や星がどんなふうに見えるか、親子で話しながら歩くのもよいでしょう。夜、コンビニまで行ってアイスを買って帰るだけでも、特別感がある体験になります。
19 オリエンテーリング
簡単なミッションを作って、近所を歩きながら達成していく「オリエンテーリング」も、時間やお金をかけずに楽しめるものです。
「猫を1匹見つける」「帽子をかぶった人を見つける」「ナンバーの下2桁が55の車を見つける」など、時々の状況によって変化するミッションも入れると盛り上がります。
20 100円ショップや駄菓子屋での買い物
近所の100円ショップや駄菓子屋などで「○円まで」などと予算を決めたうえで、子どもの好きなように買い物をさせてみるのも大事な経験になると思います。100円ショップは計算がしやすいのと、失敗のリスクが小さいのがよいところ。最終的にお子さんが選んだものは否定せず、「何が決め手だったのか」を聞いてみるとよいですね。
最後に~無理せず「特別感」を演出する
今の子どもたちは、外遊びの時間が減っていると言われていますが、では家の中で何をして遊んでいるかというと、タブレットやゲームなど、デジタルコンテンツの方に目を向けている子が多いのではないかと思います。家族で過ごす休日は、いったんそうした環境から離れてみることで、デジタルデトックスの機会にできます。
休みの日に普段とは違う体験をすることは、子どもの貴重な学びの機会になります。
また、一方で「無理をせずに特別感のあるイベントを提案していく」大切さも感じます。我が家の WBC 観戦のように、イベント感というのは特に労力をかけなくても出せるもの。日常的には食事中はテレビをつけないけれども、その日は「掟を破ってテレビの前にテーブルを動かす」というだけで、もう高校を卒業したくらいの年齢になった子どもでも、わくわくした気分を味わえるようです。
今回ご紹介した以外にも、特に頑張って準備しなくてもできることはたくさんあります。ご家庭に合ったやり方で、お子さんと一緒に楽しい家族の時間を作っていただければと思います。
この記事の監修・執筆者
専門は0~10歳のお子さんを持つご家庭向けの行動改善プログラム、認知行動療法ベースの育児ストレスの支援。英・レスター大学大学院修士課程修了。今、力を注いでいることはママの心のケアのためのメルマガ「ポジ育クラブ」
https://megumi-sato.com/
こそだてまっぷから
人気の記事がLINEに届く♪