12月5日、東京都の小池知事は、高校の授業料を実質的に無償化するため、現在設けられている支援の所得制限を来年度(2024年度)から撤廃する方向で調整を進める考えを示しました。
大きなニュースとなったこちらの件ですが、今後どのような影響が考えられるでしょうか?
現行の制度についてまとめてみました。
全国における「高等学校等就学支援金制度」とは
まず、国が支援している「高等学校等就学支援金制度」について説明します。国公私立問わず、高等学校等に通う所得要件を満たす世帯の生徒に対して、 授業料に充てるため、国において高等学校等就学支援金を支給する制度です。
所得要件の年収目安については下記表をご覧ください。(※算出方法は「保護者の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除額」)
こちらの目安年収を見ると、子の人数や両親が共働きか否かによって変わるものの、どの条件であっても年収約1,090万円以上の世帯に関しては支援が受けられないことが分かります。
国の「就学支援金」に、さらにプラスされる「都の補助金」
さらに、東京都では国の就学支援金に加えて、生徒と保護者が都内在住であることを条件に、東京都独自の助成制度「私立高等学校等授業料軽減助成金」が設けられています。これにより、国の就学支援金と合わせて、都内私立高校授業料が最大47万5,000円まで支援されます。
ただし、現行の制度には所得要件があり、保護者の年収目安910万円未満の世帯までが授業料の実質無償化の対象となっています。
「私立高等学校等授業料軽減助成金事業」についての詳しい説明は、こちらの東京都私学財団HPをご覧ください。
東京都がこれらの所得制限を2024年度から撤廃する方向で調整
つまり、東京都では今まで保護者の年収により支援を受けられなかった世帯も、所得制限の撤廃により支援が受けられるようになるということです。
現在の年間の高校授業料は、都立校で一律約12万円、私立校で平均約48万円となっており、今回の所得制限撤廃は、対象となる家庭にとっては、かなり大きな負担減となります。
現在、幼稚園や保育園、小学生や中学生のお子さんがいるご家庭では、小学校受験や中学校受験なども含めて、今後の進路について大きな影響が出そうです。
また、今回は東京都に関するお話ですが、このほかにも医療費助成制度や給食費の負担など、住む地域によって異なる、さまざまな支援金や給付金があります。今後も各ご家庭でしっかりと確認していく必要がありそうですね。
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