【授業料以外の費用は対象外⁉】義務教育の無償化の盲点とは?

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現在、国公立の小・中学校は義務教育の無償化が適用されているため、授業料は徴収されません。しかし、実は授業料以外にも発生する費用があることをご存じでしょうか。
既にお子さんが入学を体験された保護者の方には「常識」でも、これからという方々には「どこまでが無償」なのか不明瞭な点も多いでしょう。

本記事では、元文科省勤務の筆者が、小・中学校の無償化の範囲や申請方法、授業料以外に徴収される費用についてご紹介します。

文/マムズラボ

目次

義務教育の無償化は小・中学校によって違う?

まずは、小・中学校の授業料の無償範囲と、授業に関するそのほかの支援制度について、国公立と私立に分けて確認しましょう。

国公市立は授業料が無料

文部科学省によると、国公立学校における義務教育は無償(※1)とされています。国公立の義務教育諸学校の児童・生徒のすべてが対象で、申請は不要です。

私立の授業料は対象外

一方、私立学校は、2020年より制限つきながら高校が無償化の対象となったものの、小・中学校はどちらも無償化の対象外とされています。しかし、自治体によっては補助金を受けられる場合があるので、事前に問い合わせてみてください。

公私によらず、教科書は無料

授業料については国公・私立で差がありますが、教科書代は一律無料です。国公・私立の義務教育諸学校の全児童生徒が使用する、全教科の教科書が対象です。

もし、学年の中途で転校することになった場合、転校先で別の教科書が必要となれば、その教科書も新たに給与されます。

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公立なのにお金がかかる!? 義務教育の無償化の盲点

無償化とはいえ、国公立の小・中学校でも発生する費用があります。ここでは、自己負担となる項目についてご紹介します。

教科書以外の学校教育費

学校教育費とは、学校内でかかる教育費のことで、その金額は小学校6年間の年間平均で約6.3万円程度、中学校3年間の年間平均は13.2万円程度といわれています。

教科書代は無料ですが、修学旅行や遠足、社会科見学などの費用はもちろん、学用品であるドリルや習字道具、体操着などの授業に必要とされる道具は、各家庭で購入しなければいけません。ほかにも、ランドセルや自転車購入費、バス・電車代などの通学関係費も自己負担となります。

入学金や入学検定料、設備費などの学校納付金については私立では高額になるものの、公立では低めに抑えられる学校が多いです。

給食費

学校教育費のほか、給食費も自己負担です。給食費の平均は、小学校で年間約4.3万円程度、中学校では3.8万円程度といわれています。

給食費の支払いは、年間の総額を12か月で割った金額を月ごとに納めることが多く、その場合は夏休みや冬休みといった給食がない月にも徴収されることになります。

学校外学習費

こちらはご存じかとは思いますが、塾や習い事などの学校外学習費も自己負担となります。

学年が上がるにつれて費用が高額になるケースが多く、中学校受験を視野に入れた塾や、ピアノやスケートなど、発表会や大会が多い習い事をすることでも、費用が上がる傾向があります。

「就学援助制度」で無償化されない費用も援助可能!

ここまで、自己負担となる項目をご紹介しましたが、なかには支払うことが難しい家庭もあるでしょう。そんなときに利用を検討してほしいのが、「就学援助制度」です。

「就学援助制度」とは、授業料や教科書代以外に使用可能な、市町村による金銭的援助システムです。ここでは、その制度内容や申請方法などについて解説します。

利用条件

就学援助制度には所得制限が設定されています。具体的には、生活保護を受けている要保護者か、前年所得が自治体で定められている基準に当てはまる準要保護者が利用できます。

前年所得の基準は、世帯人数でも変わってくるので、住んでいる地域の自治体に確認してみましょう。

援助を受けられるもの

要保護者が就学援助制度を利用すると受けられる援助内容には、主に以下のようなものがあります。

・学校給食費
・学用品費
・新入学児童生徒学用品費
・体育実技用具費
・通学費
・校外活動費
・修学旅行費
・卒業アルバム代
・医療費
・クラブ活動費
・生徒会費
・PTA会費

ただし、準要保護者の援助内容は自治体によって異なるので、詳細は各自治体に確認してください。

援助制度対象になる児童

国公私立に関係なく、子どもが義務教育期間中であれば利用可能です。金銭的な問題で私立への進学を悩んでいる場合は、自治体の窓口で援助制度の詳しい説明を受けてみてください。

申請方法

学校によって異なりますが、多くの場合は年度初めに学校から申請書が配布され、4月中旬までに申請が必要となります。子どもが入学したばかりの忙しい時期でもあるため、申請忘れのないように、あらかじめ学校や自治体に問い合わせておくとよいでしょう。

義務教育無償化の範囲をしっかり理解しておこう!

義務教育は無償であるといっても、国公立の小・中学校でもさまざまな費用がかかります。さらに、私立への進学となれば、小・中学校でも無償化の対象になりません。

就学援助制度や自治体の支援も検討しながら、子どもが小さいうちに、無償化の範囲をしっかりと理解しておくことが大切です。

【引用元】
(※1)「文部科学省」 小学校・中学校義務教育の無償

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