![【育児中だって自分時間がほしい!】小さな時短を積み重ねる “5倍速家事”[整理収納アドバイザー/Nagisa]](https://kosodatemap.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wp-content/uploads/2025/04/5baisokukaji_igm1.jpg)
「時間がない!」というのは本当?
まとまった時間がとれなくても、小さな時短を積みかさねることで自由な時間が生まれます。
みなさんの暮らしのなかにも、時短につながる小さな時間がまだ隠れているかもしれません。
SNS総フォロワー数9万人超え(2025年1月現在)、整理収納アドバイザー1級の資格を持つ人気インフルエンサーのNagisaさん。
育児と家事で一生懸命だった時に、なんとか仕事の時間を生みだせないかと、片づけ・料理・掃除などで小さな工夫を積み重ね、まるで「5倍速」で動いているように見えると言われる「5倍速家事」を生み出します。
今回は、そんなNagisaさんの家事時短テクを数多く掲載する『自分時間を作りだす 5倍速家事』(Gakken)から、パパママに特にオススメしたい子育てに使える“5倍速家事”を5つご紹介します。
日々の暮らしが忙しくてどこから見なおせばいいか分からない、という方は“5倍速家事”を参考にして、新しい視点で暮らしを見つめなおしてみてくださいね。
5倍速家事とは?

「5倍速家事」という言葉を見て、みなさんはどんな家事を想像しましたか?
家事のスピードが5倍になる? 自分時間が5倍になる? いろいろなことを想像してくださったかと思います。
自由な時間が5倍になったら夢のようですが……残念ながらそれは難しいです。「5倍速家事」は、ストップウオッチで正確にはかって5倍の時間を生むような手法ではないからです。
育児と家事で一生懸命だったときに「仕事」という新しくやりたいことが増えました。そのため長男が幼稚園から帰ってくるまでの5〜6時間でやっていたことをギュッと1時間に短縮し、仕事の時間を生みだせないかと工夫したのが「5倍速家事」なのです。
5倍速家事は、「自分のやりたいことへの時間を生みだす」ことが最大の目的です。それはダラダラと過ごす時間のためでもいいし、韓国ドラマを観る時間でもオッケー。暮らしにメリハリがでると、同じ時間を過ごしていても「なんとなく生きる」が、より濃密な時間になり、充実していくと思います。
「5倍速家事」は、ただスピードアップをすることが目的ではありません。部屋のしくみや暮らしの組み立てを見直すことで小さな時短が積みかさなり、時間を生みだすことにつながるのです。
みなさんの暮らしに合わせてとりいれられるものがひとつでも見つかり、そして暮らしが楽になった! こんなことができるようになった! という結果につながったら、私は幸せです。
【5倍速家事①】朝イチ行動で1日が変わる

病院、映画館、複合施設やスーパーなど……子どもの成長とともに変化するおでかけの場所。一番のハードルは子どもたちと待つ時間。大人ひとりと、子どもと一緒に待つのでは大変さも全然違います。
雨の日の複合施設は混んでいるし、病院の順番をとるのもひと苦労です。子どもとのおでかけ中「静かにして」と連呼せず、できれば穏やかな母でいたい(みなさんもそう思っているはず)。
だからこそ、「朝イチ行動」が基本なのです。
例えば、子どもの病院を受診するときは朝の受付開始1時間前から並んでいたりします。朝イチだとすぐに受診でき、その後の時間の見通しが立てやすいので、ダメージも軽減されます。
複合施設に行くときも朝イチが基本。これは実践されている人も多いかもしれません。朝イチで用事が済むと、11時過ぎにはフードコートでご飯を食べます。早めに行動することで、12時過ぎの席とりゲームに参戦することもなくなります。
病院やお店によっては早く行ってもNGの場合があるので、無理のない範囲で試してみてください。
【5倍速家事②】家族のやりっぱなしはレベルアップチャンス

片づけてもすぐに散らかってしまう。何度いっても片づけてくれない……そんな悩みを抱えている人も多いはず。
もちろん、我が家もすべてのモノを家族が定位置に戻すわけではありません。でも、そこであきらめるのはもったいない。だって、「やりっぱなしは我が家のしくみを見直すチャンス」 なのですから。
よく散らかるモノの定位置はどこなのか。扉を開けなければもとに戻せなかったり、別の部屋に収納があったり……実は、やりっぱなしの原因は収納場所にある場合が多いのです。
我が家には、子どものやりっぱなしから生まれた収納があります。それは、脱いだあとのパジャマたち。リビングで脱いだ服を見ては、「洗濯機に持っていってよ」と数えきれないほどいいました。
そんなときにいわれたのが、「洗濯機遠いやん」のひとこと。
確かに洗濯機までは遠く、大人であればなんてことのない距離も、子どもたちにとってはその距離が片づけのハードルにつながっていたのです。
そこで、パジャマを脱ぐ場所にカゴを置きました。カゴを置くと、床に脱ぎ散らかすことが激減。視覚的にもごちゃつかず、私のイライラも減りました。他にも、玄関で脱ぎ捨てがちなアウターを簡単に引っかけられるしくみを作りました。
毎日暮らしていると、自分の家の収納は景色になってしまいがち。「また、やりっぱなしにして」と怒るのではなく、しくみを見直すだけで、小さなモヤモヤが解決すると思います。
【5倍速家事③】宿題の可視化で夏休みを楽にする

子どもはたくさんの宿題、親は3食の食事づくり……と、やることが多い夏休み。とはいえ、子どもたちとゆっくり過ごせる時間を楽しみたいし、できる限り心穏やかに過ごしたい。
家族全員が幸せに過ごすためには、夏休みは大変! と考えるのではなく、まずは、「やらなければならないこと」と「やりたいこと」を明確にして、共有することが大切。そこで我が家がとりいれているのが 「宿題の可視化」と「行きたいところリスト」の作成です。
これは夏休み初日の恒例行事になっていて、SNS での投稿にもたくさんの反響をいただきました。
「宿題の可視化」は、1枚の紙に夏休みの宿題をすべて書きだすだけ。ポイントは書きだしかたにあります。例えば、夏休みの冊子があって、算数が10ページあった場合、①②③……⑩まで全ページの数字を書きだします。そして、宿題の1ページが終われば①を塗りつぶしていくしくみ。
逆に、自由研究や絵日記は1日で終わらない可能性があるため、タスクを細分化。自由研究であれば、「テーマを決める」「調べる」「まとめる」などのように書きだします。少しでも進めることができれば、塗りつぶせるし、子どもたちも進行具合がわかるとハードルも下がり、とりくむ姿勢が変わります。「宿題終わったの?」と聞くことも減り、お互いにノンストレス。
「行きたいところリスト」は、家族会議をして意見をだしあいます。そのなかで、絶対に行きたいところや、やりたいことから優先順位を決めていくのです(今年は、海やプール、お祭りなどが上位でした)。
「宿題の可視化」は、リビングなどの毎日目にする場所に貼るのがポイント。我が家はリビングに戻るときに通る場所に貼りだしていました。
「行きたいところリスト」を共有すると、子どもたちに「本当は○◯に行きたかった」とあとになっていわれることも少なくなり、こちらも予定が立てやすくなります。また、予定が空いたときにもでかける場所を決めやすくなります。
行きたい場所に行くと、夏休みの宿題の絵日記もスムーズに。大きな宿題が早めに終わるだけで、私も子どもも精神的に楽になります。
長期の連休は大変、と思うだけでなく、何が大変なのかを先読みして対策をすれば、大変と思う時間も減っていくと思います。年に1度の夏休み、せっかくなら家族で楽しみたいですよね。
【5倍速家事④】忙しい夕方を制する家事の組みたて

子育てをしていると逃れられない、夕方に訪れる嵐のような忙しさ。夕ご飯の支度、洗濯物をたたんでいるうちに子どもが帰宅。さらに下の子どもが泣きだして両手がふさがり、たたんだ洗濯物が崩壊……。
夕方をうまく乗りきるために考えたのが、「お風呂を先に終わらせること」 でした。
実は、このお風呂先行のルーティンは、産後の15時の沐浴がきっかけ。お風呂が済んでいるだけで、夕方の家事がスムーズになり、気持ち的にも楽なことに気づいたのです。子どもたちが小学生になってもそのスタイルは変わっていません。公園に行く前にお風呂のタイマーをオン。公園から帰るとお風呂の準備ができています。
お風呂が終わったら、すぐに洗濯をスタート。夕ご飯の準備をしている間に洗濯が完了します。夕ご飯が終わると各自が明日の準備。子どもたちは帰宅後はリビングにランドセルの中身を広げていますが、寝る前にはリセット、片づけするルールにしています。
あとは、キッチンリセットしつつ、洗濯物を5倍速でたためば、家事はおしまい。
たいてい、子どもたちにイライラするのは、私のタスクがたまっているときがほとんど。頭のなかのやらなければならないことを先に終わらせるだけで、精神的なゆとりが生まれるのです。
大変と感じる家事も人によって違うと思います。頭に残りがちなタスクを選び、例えば「洗濯をしているときに、子どものしあげ歯磨きをする」……など、日々の家事をパズルのように組みあわせてみるだけでも楽になると思います。
【5倍速家事⑤】「片づけ10分習慣」で子どもを飽きさせない

片づけの方法を知ると「もっと早く知りたかった!」という人がほとんど。もちろん、私もそのひとりでした。だからこそ子どもたちに対しては、小さなときから片づけのことを伝えたいと思っています。
といっても、子どもが何時間も片づけをするのは不可能。少なくとも我が子は10分が限界です。だったら「その10分を毎週やればいい!」と、考えたのが 「片づけ10分習慣」 でした。
週末には、 子どものデスクの片づけの後に10分間の整理(いるいらないで分ける)の時間をつくっています。引きだしひとつ、洋服、ぬいぐるみなど……小さなエリアを一緒に整理するだけ。10分だけなら断然やる気になってくれます。
整理は、子どもたちが幼稚園のころから続けているので、いるいらないの判断が早いです。適当に判断しているわけではなく、大切なモノが明確なのです。ただしここで絶対にやってはいけないのが、いらないと判断したモノを「本当にいらないの?」といってしまうこと。せっかく判断したのだから、その判断は尊重してあげましょう。
10分片づけが終わったらたくさんほめることも忘れずに。 片づけは「整理」が8割といっていいほど、大切なステップ。この習慣のおかげで無駄なおもちゃを買うことも、おもちゃが溢れてイライラする私の時間も減りました。
たった10分の積みかさねで片づけの方法を伝えられて、子どもが成長したときの暮らしを変えてくれる……そう思うとやらない理由はないですよね。
「今しかないとき」を楽しく過ごしていきたい

2人育児がきっかけで日々の生活を見直し、工夫を重ねてきた私の暮らしのしくみ。苦しかったワンオペ育児の時期があったからこそ、「5倍速家事」は生まれました。
もうひとりの自分がほしい! と必死だったあのときの自分のように、今必死でがんばっているみなさんや、日々の暮らしに追われてしまっている人たち。この本をきっかけに、少しでもヒントが見つかって自分時間をつくることができたのなら……私はとても幸せです。
子どもたちが小学生になった今、できることも増えてきて、時間の使いかたにも変化が現れています。ライフスタイルはどんどん変化していくし、だからこそ面白い。完璧な子育てはできていないかもしれないけれど、子どもたちと笑顔で過ごせる時間が増えたなら、私は100 点だと思っています。
今しかない子育てのとき、今しかない仕事に一生懸命なとき、それぞれの「今しかないとき」を楽しく過ごしていきたいですよね。
2人育児でピリピリしていたころと比べると、夫との関係もよりよくなってきたと思います。暮らしが変わり、充実した日々を送ることができると家族も幸せになっていくのですね(笑)。
微力かもしれないけれど、ひとりでも多くの人が、この本をきっかけに暮らしを見つめ直すことができて、大切な人たちと笑顔で過ごす時間も増えたのならば、こんなに嬉しいことはありません。
この本をきっかけに、みなさんの暮らしがよりよくなり、そしてご家族のみなさんの幸せにつながりますように。
この記事の監修・執筆者

1985年生まれ。福岡県在住。75㎡の3LDKマンションに男の子2人と単身赴任中の夫と4人暮らし。RE やARNEなどのウェブサイトでこれまで100本以上の記事を執筆。また、雑誌やテレビ出演など幅広く活動中。『自分時間を作りだす 5倍速家事』(Gakken)が発売中。
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