【インフル流行期に効く!】医師が教える「子どもの免疫力を上げる食事」と、避けたいNG習慣

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【インフル流行期に効く!】医師が教える「子どもの免疫力を上げる食事」と、避けたいNG習慣

気温が低くなり空気も乾燥する冬は、インフルエンザ、RSウイルス、ノロウイルスなど、感染症の流行が続きます。大人も子どもも体を守る免疫力を上げて、この時期を乗り切りたいもの。
免疫力を上げるには、規則正しい生活習慣に加えて、毎日の食生活も大切です。子どもの日々の食事やおやつにとり入れやすく、免疫力を上げて強い体をつくる食材や栄養素について、医師の石原新菜先生にお聞きしました。

取材・文/松田明子

目次

免疫細胞を活性化させて病気になりにくい体をつくろう

免疫には「獲得免疫」と「自然免疫」があります。例えば、はしかに一度かかると、体内でウイルスに対する抗体がつくられ、次にはしかのウイルスが体内に入っても症状が出ません。このように、成長の過程で体が手に入れていく免疫が「獲得免疫」です。

一方の「自然免疫」は、体が本来持っている免疫のこと。私たちの体の中では、「NK(ナチュラルキラー)細胞」、「好中球(白血球)」、「マクロファージ」といった免疫細胞がいつも体内をパトロールし、菌やウイルスを見つけたら、食べて殺してくれます。これら免疫細胞の働きを正常に維持することが、日頃から高い免疫力を保つことにつながるのです

免疫細胞を活性化させるためには、一日3食バランスの取れた食事をとり、心身を整えることが欠かせません。

症状が出ない「不顕性(ふけんせい)感染」とは?

免疫力を高める食事とは?

菌やウイルスが体内に入ってきても、症状がない状態を「不顕性感染」といいます。例えば、感染症が周囲で流行していても、元気に過ごすことができる子どもがいます。このように病気を発症しにくい子どもは、菌やウイルスにさらされても、自然免疫が適切に働いていることで、発症せずに済む可能性が高いのです

免疫力を高めるためには、炭水化物、タンパク質、ビタミンといった栄養バランスのとれた食事を3食とることが基本です。とはいえ、慌ただしい日々の中で、食事の準備を完璧に行うことが難しい保護者の方も多いのではないでしょうか。ここでは、なるべくスムーズに準備できて、栄養価も高い食事・おやつをご紹介します。

「ごはん+味噌汁+納豆」で、腸を整えビタミン補給

栄養バランスの整った食事を毎日考えるのが大変なら、まず「ごはん+味噌汁+納豆」をベースに、献立を組み立ててみましょう。お子さんが納豆が苦手な場合は、ぬか漬けやチーズなどの発酵食品に置き換えても◎。そして、それ以上つくるのが難しい日は、おかず1~2品をスーパーやコンビニで調達してもOKです。

免疫細胞は、7~8割が腸にすんでいます。味噌や納豆など発酵食品をとると、腸内環境が整い、免疫細胞が活性化して免疫力が上がります。また、ごはんはパンより食物繊維が多いので、腸活におすすめ。玄米や雑穀米を選べば、さらに食物繊維を補うことができます。同様に、食物繊維が豊富なサツマイモをとり入れてもよいでしょう。

また、ビタミンAとDには、免疫細胞を整えたり、活性化したりする働きがあります。ビタミンAは、ニンジン、ホウレンソウ、カボチャなどの緑黄色野菜、海苔、ワカメなどの海藻類、肉、卵に多く含まれています。ビタミンDは、シイタケ、シメジ、エノキタケ、ナメコなどのキノコ類、サケ、サバ、サンマ、アジ、イワシなどの魚、そして卵に多く含まれます。

野菜嫌いな子どもでも、味噌汁に入っている野菜なら食べられたりするもの。また、ナメコやアオサの味噌汁も人気があります。だしを取るのが面倒なら、だしパックや顆粒だしを使用すればOK。それも面倒であれば、火を入れた具材に味噌を加えて溶かすだけのスープにしてもよいでしょう

おかず1~2品を足すなら?

「ごはん+味噌汁+納豆」にプラスして、スーパーやコンビニでお惣菜を買うなら、栄養面でのバランスも考えてみましょう。手軽に買える商品としては、ビタミンAが多いカボチャの煮物やホウレンソウのおひたし、ビタミンDが多い焼き鮭や卵焼きなどがおすすめです。

免疫力を上げる食事の例

・ごはん
・味噌汁(野菜やキノコで具だくさんに)
・納豆

・焼き魚(サケ、サバ、サンマ、アジ、イワシなど)
・肉野菜炒め
・卵焼き
・カボチャの煮物
・ホウレンソウのおひたし
・ぬか漬け
・焼き芋 など

朝は「パン派」におすすめのメニューは?

朝はパン派のご家庭もあるでしょう。パンに何か塗るなら、ハチミツがおすすめです。ハチミツは含まれるアミノ酸やミネラルが口内やのどの粘膜にうるおいを与えてくれ、「メルピロール」「フラジン」といった咳止め成分も含まれています

パンに添えるなら温かいスープを。体を温めることでも、免疫細胞は活性化します。コーンスープなどのとろみがある汁ものは、胃に入ってからも温かさがキープされやすく、お腹を保温してくれる効果があります

さらに旬のフルーツを加えると◎。特に冬が旬のリンゴは、「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」といわれるように、栄養価が高い果実です。食物繊維やビタミンCも豊富で、「プロシアニジン」という抗酸化作用の強いポリフェノールも含まれています

グラノーラなら「オーツ麦」入りのものを

朝食には、食物繊維やミネラルなどの栄養がバランスよくとれる「グラノーラ」もおすすめ。たくさんの種類が売られていますが、選ぶなら「オーツ麦」のグラノーラを。オーツ麦は、穀物の中でもアミノ酸(タンパク質)の含有率が高いうえに、グルテンフリー。加えて、食物繊維、鉄分、カルシウムなど、日頃不足しがちな栄養素も補えます

免疫力を上げる朝食の一例(主食がパンの場合)

・ハニートースト
・コーンスープ
・目玉焼き
・ヨーグルト
・りんご

「おやつ」は体を温める「陽性食品」を

漢方では、体を冷やす食べ物(陰性食品)と、温める食べ物(陽性食品)があると考えられています。体が温まると、免疫細胞の働きが活性化します。おやつは「陽性食品」を食べることを意識してみましょう

中でもとり入れたいのが「黒い食べ物」。例えば、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、血管を広げて血流をよくする効果があり、体を温めてくれます。カカオ含有率が高いものが理想ですが、一般的なチョコレートを少量食べたり、甘さ控えめのココアを飲んだりするだけでも効果があります。 また、あんこや黒砂糖、黒ゴマもよいでしょう。

フルーツであれば、北方原産のリンゴやブドウ、プルーンなども、陽性の食材です。例えばアップルパイやドライフルーツなどで、上手にとり入れてみましょう。

体を温めて免疫力を上げるおやつの例

・チョコレート
・ココア
・大福餅(あんこ入り)
・お汁粉
・アップルパイ
・ドライフルーツ(干しブドウ、プルーンなど)
・チーズ

「よく噛む」ことも免疫力を高める

菌やウイルスは、鼻や口の粘膜から入ってくることが多くあります。鼻やのどの細胞の上には、潤いを含む粘液層があり、そこでは「IgA抗体」が菌やウイルスなどの異物をつかまえ、感染を防ぎます

このIgA抗体は、唾液にも多く含まれます。食事をよく噛むことで唾液の分泌が促され、唾液に含まれるIgA抗体の量も増えて、免疫力が高まるのです

免疫低下につながる!? できれば避けたい食品・食習慣

免疫低下につながる可能性があるため、なるべく食べる頻度を減らしたい食品や、食習慣のNG例についてもご紹介します。

ファーストフードや菓子パンだけでは栄養不足

忙しい日は外食すれば、保護者の方の負担が減り、家族で楽しい時間を過ごすこともできます。けれども、特にファーストフードの場合、チキンやハンバーガー、ポテト、甘い炭酸水といったメニューとなることが多く、免疫力UPに大切なビタミンや食物繊維が不足します。前述の「ごはん+味噌汁+納豆」といった、なるべく手間をかけないメニューで構わないので、自炊の頻度を増やしていきましょう

おやつも、菓子パン、生クリームたっぷりのスイーツ、アイスクリームなど、白砂糖を多く使った食べ物ばかりに偏らないようにしましょう。白砂糖は、前述の「陰性食品」で、体を冷やす食べ物です。また、成長期の子どもにとっては糖分や脂質のとり過ぎも気になります。

遅い時間の食事は睡眠の質を下げる

睡眠中に分泌される成長ホルモンには、免疫を強化する役割があるといわれています。そのため、食事の時間はあまり遅くならないようにしましょう。睡眠中も消化・吸収が続くと、体に負担がかかり、睡眠の質が下がってしまうからです。就寝の3時間前には、食事が終わっていることが理想です。難しい場合は、夜ごはんは軽めに済ませ、翌朝にしっかり食べるようにしましょう。

食事・睡眠・運動のバランスを整えて免疫力を上げよう

自然免疫を高め、病気を防ぐための「基本のき」は、バランスのとれた食事と、質のよい睡眠、適度な運動の3本柱です。中でも食生活は、免疫細胞の活性化に大きく影響します。今回ご紹介した食品や食習慣を参考に、ご家庭でできることからとり入れてみてください。

この記事の監修・執筆者

医師・イシハラクリニック副院長 石原新菜

イシハラクリニック副院長。内科医。健康ソムリエ講師。秋田栄養短期大学特任教授。クリニックでは、漢方医学、自然療法、食事療法を中心とする診療を行う。テレビ・ラジオ出演や講演、執筆活動などに幅広く活躍中。2人娘の母。著書に『病気にならない 蒸しショウガ健康法』(アスコム)、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(父・石原結實と共著、PHP研究所)、『病気にならない体をつくる 子ども免疫教室』(日本実業出版社)など多数。

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