暖かくなると、肌を露出したり外で遊んだりする機会が増え、どれだけ気をつけていても虫に刺されてしまうことも。
乳幼児は、虫に刺されると大人より重症化することがあります。自身が以前刺されたけど大丈夫だったから…といった油断は禁物です!
虫に刺されたときは、どんな虫に刺されたかを確認し、すみやかに適切な対処をしましょう。
いざというときに役立つケアや対処法を、虫の種類別に紹介します。
監修:渋谷 紀子(総合母子保健センター愛育クリニック 小児科・母子保健科部長)
刺された虫の種類によって異なる対処法
虫刺されといっても、蚊やブヨ、ハチ、チャドクガの幼虫(いわゆる毛虫)など刺された虫の種類によって、対処法は変わってきます。
蚊やブヨに刺されたとき
【症状】
・刺されてすぐに出現する発赤、かゆみ(即時型反応)
・刺されて1~2日で出現する発赤、かゆみ(遅延型反応)
※一般的に乳幼児期には遅延型反応のみ、幼児期~青年期には即時型反応と遅延型反応の両者が出現するとされていますが、個人差があるため一概にはいえません。
【対処法】
①流水で洗い患部を冷やす
②虫刺され用の薬を塗る
└薬は軟膏や液状のものなど
③かいてしまうときは患部を清潔なガーゼやパッチで覆う
└かきこわして、水ぶくれやとびひになるのを予防する
ブヨは蚊よりも強い症状が出やすいので、注意が必要です。
刺された直後なら、ポイズンリムーバーで毒を吸い出すと症状の悪化を予防することができます。
ハチに刺されたとき
【症状】
・激しい痛みが出現し、赤く腫れる
・(刺されたのが2回目以降の場合)刺された直後からじんましんが生じたり、刺されて1~2日で強い発赤や腫れが生じたりする
【対処法】
①患部に針が残っていないか確認をする
└針が残っていた場合、とげ抜きで針の根元を持って抜く
②針を抜いた後、周囲を指で押して毒をしっかりとつまみ出す
└市販のポイズンリムーバーを使うとスムーズ
③流水で洗う
④虫刺され用の軟膏を塗る
⑤痛みやかゆみが強いときは、冷水でぬらしたタオルで患部を冷やす
⑥経過を観察
└血圧低下や意識障害などのショック症状を起こすこともあるので、しばらく注意して様子を見る
以前にもハチに刺された経験がある場合は、アナフィラキシーショックを起こす可能性が高くなります。刺されないよう、十分注意が必要です。
チャドクガの幼虫に刺されたとき
【症状】
・激しいかゆみを伴うじんましんのような症状や、赤いブツブツが多発する
※毛虫の毒毛が触れた部分に集中して生じる
【対処法】
①流水で洗う
②粘着テープなどで皮膚に残っている毛を取り除く
└この時、患部をこすらないように注意
③かゆみが激しいときは、冷水でぬらしたタオルで冷やす
④虫刺され用の軟膏を塗る
こんな時は急いで受診を!
ハチに刺されて、痛みや腫れがひどいとき
応急処置をしても改善しない場合。
ハチに複数か所を刺されたとき
痛みや腫れがひどくなります。
針が残っている場合は針を抜き、応急処置をしてから。
チャドクガの幼虫に刺され、症状がひどいとき
赤くポツポツした発しん・かゆみが広がったときや、痛みがひどいとき。
こんな時はすぐ救急車を!
- 全身にじんましんが出ている
- 呼吸が苦しそう
- 顔色が悪く元気がない
参照:『0-5歳児 病気とケガの救急&予防カンペキマニュアル』(学研教育みらい)
公益社団法人日本皮膚科学会『皮膚科Q&A』
この記事の監修・執筆者
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