【医師監修】子どもに多い溶連菌感染症ってどんな病気?~主な症状や治療の注意点についても~

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【医師監修】子どもに多い溶連菌感染症ってどんな病気?~主な症状や治療の注意点についても~

幼稚園や保育園に通うお子さんがいるご家庭では、「溶連菌(ようれんきん)感染症」という病名をよく耳にすると思います。

4~10歳に多いと言われる溶連菌感染症は、園や学校でよく流行る病気です。

幼稚園のお友だちがかかったと聞いて、「もしかしたら、うちの子も!?」と心配になったことはありませんか。

今回は、そんな溶連菌感染症の症状や治療の注意点、家でのケアについて紹介します。

監修:渋谷 紀子(総合母子保健センター愛育クリニック 小児科・母子保健科部長)

目次

溶連菌感染症の主な症状 ~突然の高熱と発しん、舌がイチゴ状に~

主な症状

せきや鼻水などのかぜの症状はほとんど出ませんが

  • 突然38~39℃前後の熱
  • 強いのどの痛み(のどの入り口やまわりが、炎症を起こして赤くはれる)
  • 赤く細かい発しん(発熱後に、首や胸、腹部や足の付け根のあたりに)治りかけに、発しんが出た部分の皮膚がむけることもあります。
  • 胃腸症状(おう吐、腹痛など)

といった症状が現れます。

また、溶連菌感染症の特徴的な症状に

  • イチゴ舌

というのがあります。
これは、初期に白いコケに覆われたようになり、3~4日するとイチゴのように赤くなってブツブツになる症状のことです。

引き起こしやすい合併症

溶連菌感染症の合併症・続発症として、急性腎炎リウマチ熱をおこすことがあります。

急性腎炎になると

  • 体がむくむ
  • 尿の量が減る
  • 血尿やたんぱく尿が出る
  • 体がだるくなる
  • 食欲がなくなる

といった症状が出ます。

リウマチ熱は、関節痛や発熱、発疹などの症状のほかに、心臓の炎症を起こして心臓弁膜症の原因となることがある怖い病気ですが、近年はほとんどみることがなくなりました。

合併症や続発症を起こさないために、ほかの咽頭扁桃炎より長く抗菌薬をしっかり飲む必要があります。

治療や、家でのケアは? ~少量を何回にも分けて水分補給を~

発熱やのどの痛みなどに気がついたら、小児科を受診しましょう。

溶連菌感染症は、主にペニシリン系の抗菌薬で治療します。
治療を開始すると通常、発熱は1~2日でおさまり、のどの痛みや発しんなどの症状も数日以内によくなるでしょう。

ただ、症状がおさまったからといって薬をやめると、再発や合併症を起こすことがあります。
薬はお医者さんの指示どおりにきちんと飲みきりましょう。

(※服薬の際は、かかりつけのお医者さんに相談されることをおすすめします。)

のどに強い痛みが出るために、食べたり、飲んだりしづらくなります。
脱水症の予防のために、少量ずつ何回にも分けて水分を補給しましょう。

離乳食や食事は、のどごしがよく、消化のいいものを用意してあげるとよいでしょう。

保育園・幼稚園の登園の目安は?

抗菌薬内服後、24~48時間経過して、お子さんの様子につらそうなところがなければ、登園はOKとされます。

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