新学期も始まり、そろそろ子どもたちも新しい生活に慣れてきた頃でしょうか。
生活リズムを整えること、特に早寝早起き朝ごはんは、子どもの学力にも影響するほど大切なことだそうです。
現役小学校教諭の舟山先生にお話を伺いました。
不規則な睡眠や遅寝遅起きは、学力の低下を招く
育ち盛りの小学生の時期。体や心の成長に十分な睡眠が欠かせないということは言うまでもありません。加えて睡眠不足は学力にも影響を及ぼします。
2014年に改訂された厚生労働省の『健康づくりのための睡眠指針』では、思春期の子どもの遅寝遅起き、不規則な睡眠時間が学校の成績の低さと関係していることが報告されています。
低学年のときは大丈夫でも、学年が上がるにつれて睡眠時間が少ない子が多くなってくる傾向もあります。小学校6年生の半数以上は、就寝時間が午後10時以降になってしまっているのだそうです。今のうちから、親子で睡眠の大切さについて知っておきたいですね。
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早寝早起き朝ごはんができている子の傾向
とはいえ、実際の子どもたちの様子を見ていると、睡眠時間が足りていることに加え、朝ご飯を食べているかどうかがとても重要だと感じるのです。
「早寝・早起き・朝ごはん」。
もう誰もが知っている言葉ですが、私自身の経験からも、クラスの中で、睡眠時間が十分で、朝ごはんをしっかり食べてきた子はすぐわかります。それは、次のような具体的な傾向がいくつかあるからです。
- 「おはようございます!」とあいさつをして教室に入ってくる
- 表情が明るい(目やにがついていたり、口の周りが汚れたりしていない)
- 忘れ物がない。特に宿題は必ずしている
- 授業中に、正しい姿勢を保っていられる
- しっかり声を出すことができる
- 手を挙げて発言できる
- 休み時間はしっかり遊ぶ
- ぼんやりしていない
- 書く文字がていねい
など
これらはあくまで私自身の印象によるもので、すべての子にあてはまるというわけではありませんが、あらゆる面で「余裕」があり、睡眠不足や朝ご飯を食べていない子とはあきらかに違いがあるということが言えます。
朝ごはんを食べるために早寝早起きで好循環
朝ごはんを抜いた子は、気もそぞろで、ひたすら給食の時間を待っています。こんな状態で授業が頭に入ってくるはずがありません。それが1日ぐらいならまだしも、ずっと朝ごはんがない日が続いたら、その子の学校生活は……もう予想がつくと思います。
高学年であれば、「朝ごはんは自分で意識して用意できるようになろう」という話もできますが、低学年のうちはやはり保護者の力が大事です。
朝ごはんを食べて登校するには、まず食べる時間も確保する必要があります。それに加えて、顔を洗ったり歯を磨いたりする身支度の時間も必要です。ですから「朝ごはん」を中心にすると、逆算して起きる時間も決まってきます。
でも、睡眠時間が足りないと、寝起きがぼんやりして朝ごはんが食べられなくなるので、何時に寝ればよいかが必然的に決まってきます。つまり朝ご飯を食べることを目標にすることで、早寝早起きもできるようになるということです。
セロトニンの分泌で子どもの情緒が安定する
早寝早起きがよいということは、さまざまな裏付けがあります。「睡眠」をとることで、成長ホルモンが出ることや、朝日を浴びて「セロトニン」という物質が出ることがわかってきました。
セロトニンとは、食欲や呼吸、睡眠に関係する神経と、不安や不快感、緊張、恐怖など情動や衝動を支配する神経をコントロールする役割を果たしている、神経伝達物質のことです。つまり、早寝早起きをして規則正しい生活を送ることで、情緒が安定し、勉強に集中できるということなのです。朝から日を浴びると活溌に分泌されることがわかっています。
最近では、ゲームやスマホが早寝早起きの習慣を乱す原因になっています。
文部科学省が小学校高学年から中学校、高等学校で「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性」について調査したところ、以下のような傾向が見られたそうです。
・スマホや携帯電話との接触時間が長い子ほど就寝時間が遅い
・寝る直前までテレビ、ゲーム、携帯、スマホ、パソコンなどの情報機器に接触することがよくあるという子ほど、朝、ふとんから出るのがつらいと感じることがあると解答する割合が高い
たかが睡眠、されど睡眠です。お子さんの夜更かし気味が気になっているかたは、一度親子で寝る前にはスマホやゲームを控えるなどのルールを考えてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修・執筆者
ふなやま ゆみこ/東京都の現役小学校教諭。
長年の小学生の指導経験に基づいた、
教育・子育てアドバイスに定評がある。
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