春から夏に流行する「りんご病」、またの名を「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」。
両側のほおがりんごのように赤くなるため、このように呼ばれています。
幼児期から小学生の子どもがなりやすい「りんご病」は、一体どのような病気なのでしょうか。
症状を知って、適切に対処できるようにしましょう。
監修/渋谷紀子(総合母子保健センター愛育クリニック 小児科・母子保健科部長)
りんご病の主な症状~両側のほおが赤くなる~
ウイルスによる感染症で、ヒトパルボウイルスB19というウイルスの感染が原因で起こります。
1~3週間の潜伏期間の後、両方のほおが赤くなる
最初は斑点状ですが、その後りんごのように、少し盛り上がった鮮やかな赤い色になります。
2日ほどで消えます。
ほおに続いて、腕や足の外側にもレース状の網目模様や波模様の発しんが現れる
発しんができているところは、むずがゆかったり、ほてった感じがしたりすることもあります。
1~2週間で自然と薄くなって消えていきます。
熱は出ないことが多く、出ても37度台の微熱程度
発しんが出る1週間ぐらい前に、熱や筋肉痛、体がだるいなどの症状が出ることもあります。
大人がりんご病になると~発熱や関節痛などの症状が~
発熱や関節痛などの症状が強く出ます。
妊娠中期の妊婦がかかると、胎児が全身性のむくみをきたす胎児水腫になったり、流産したりする心配があるので注意しましょう。
治療や家でのケア方法~発しんをかきむしらないように~
★合併症がなければ、特別に治療をしなくても自然に治ります
ふだんどおりに生活していて大丈夫です。
※ごくまれに、溶血性貧血発作などの合併症を起こすことがあります。
★発しんのかゆみが強いときは、抗ヒスタミン薬などが処方されます
★発しんをかきむしらないよう、つめを短く切りましょう
★入浴時間を短くしたり、シャワーだけにしたりしましょう
発しんが出ている間は、体が温まると赤みが増したり、かゆみが強くなったりすることがあります。
特に心配はいりませんが、入浴時間などを調節してみてもよいでしょう。
保育園・幼稚園の登園の目安は?
感染力があるのは、発しんが出る前の1週間ぐらいです。
ほおが赤くなった時点ではすでにうつらないので、発しんなどの症状があっても、元気で食欲もあれば登園OKです。
潜伏期に感染するため、園や学校には感染したことを知らせるようにしましょう。
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