試験当日まで残り一か月を切り、いよいよ最後の仕上げに取り組んでいるころでしょうか。
これまで一生懸命勉強してきた頑張りが実を結ぶよう、本番では勉強の成果を十分に発揮したいものです。そのために日々サポートに励む保護者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、試験で実力発揮をするためのサポートとして、実は大切な“心の準備”についてメンタルトレーナーの石津貴代さんに教えていただきました。
試験直前の今、緊張についても親子でしっかり対策しておくと安心ですよ。
もうすぐ試験当日

万全な状態で試験当日を迎えるための準備は整っているでしょうか。
子どもが試験で実力を発揮するためには、体調管理や持ち物確認だけでなく、“心の準備”も欠かせません。
気持ちが整っていると、程よい緊張感が集中力を高め、前向きな自信につながり、その結果実力を発揮しやすい状態になります。一方で、心の準備が十分でないと、今までの頑張りの成果を出せないほど、過度な緊張と不安に陥ります。
そんな“心の準備”のカギとなるのは、自信+緊張のコントロール。
そしてこうした子どもの自信や緊張に大きく影響を与えるのは、一番身近な大人である「保護者」です。受験本番でお子さんが自信をもって、過度な緊張をせず実力を発揮するためには、保護者の方のサポートや関わり方も重要なポイントです。
“自信”をつける親のサポート
子どもが自信をもって試験に臨むには、「どんな結果であっても、親は自分の味方である」という安心感を持たせてあげることが大切です。そしてこの安心感は、保護者の“共感”と“受容”で育まれます。
合否を左右するのは親の声掛け?
失敗したら怒る親と、失敗しても大丈夫だよと言う親。どちらの方が安心できるでしょうか。
失敗したら怒られる。落ちたら人生が終わる。こうした不安やプレッシャーのマイナスな感情は、緊張に直結します。一方で、安心感や肯定といったプラスな感情を受け取ることは、のびのびと力を発揮して試験に臨むことにつながります。
こうした子どもにとってプラスの感情とは、「親が自分の味方である」「自分は大丈夫と思える」「努力したことが承認される」「愛されている」といった気持ちです。
受験直前は、子どもが心配なあまり不安をあおってしまうような声掛けをしがちですが、一歩立ち止まって考え、安心を引き出す声掛けを心がけましょう。
声掛けで変わるラスト一週間
今すぐ実践できる具体的な“共感”と“受容”の声掛けを以下にまとめました。残り一週間でも十分実践できますので、ぜひ参考にしてください。
一言目は「共感」から
子どもの悩みや頑張りを聞いたときの一言目には、「大変だったね」「頑張ったね」と気持ちを受け止める言葉を伝えましょう。
子どもは「認めてほしい」「分かってほしい」という思いから保護者に相談します。そこでいきなり「あなたがこうしていればよかったんでしょ」「もっと勉強しないからダメなんだ」と返してしまうと、「親は自分の味方ではない」と心を閉ざしてしまいます。
緊張の原因となる自信のなさは、「頑張っても認めてもらえなかった経験」から生まれることが多いもの。
家庭で過ごす時間や会話が、子どもの安心材料になるよう、共感を意識しましょう。
どんな結果でも受け止める姿勢を示す
受験の合格だけが人生の正解、ゴールではありません。
子どもが不安になっているときは、「どんな結果でも受け止める」「上手くいかなくても色んな選択肢がある」「帰る場所がここにある」という姿勢で向き合い、言葉でもきちんと伝えてあげてください。
子どもは保護者の気持ちを敏感に感じ取ります。合否によって親が一喜一憂していると感じると、落ちてはいけないという恐怖心が強まり、過度なプレッシャーにつながります。子どもの受験が、保護者にとっての人生の一大イベントや、子どもを評価する・合格するためのものという自分本位な考えではなく、子どもの将来を思う愛情という、受験本来の目的を捉え直しましょう。
常に子どもの味方である意識をもち、子どもが抱え込んでいる不安やプレッシャーを保護者が外してあげるよう心掛けてみてください。
【実践】試験1週間前からできる“心の準備”
ここからは、試験直前期から当日の試験中にも使える緊張のコントロール方法です。万全な状態で当日を迎えることができますよ。
【試験1週間前】 自信をつけるトレーニング
これまでの振り返り
試験間近になったら、これまで頑張ってきたこと・勉強してきたことを子どもと一緒に振り返りましょう。自分は今までこれだけのことをやってきたから大丈夫、という自信が緊張を軽減させます。以下を参考に、紙に書き出しましょう。
- 塾に入って〇年も勉強してきた
- ○○(教科)の点数が□点上がった
- ○○(教科)の□□を覚えられた
- 一日〇時間も勉強した
- ○○(教科)はより時間をかけて勉強してきた
- ○○は最初苦手だったけど、今はスムーズに解けるようになった
当日は振り返りを書いた紙を持たせ、休憩時間に見返せるようにすると安心につながります。
イメージリハーサル
試験前日には、当日一日の流れをイメージしておきましょう。事前に想像しておくことで、“初めて”から来る不安や緊張が軽減されます。書き起こすことでより一日が明確に想像できるので、書き出しながら親子で確認してみてください。
- 前日の準備(持ち物・最後に確認すること・夕食の時間・就寝時間)
- 当日朝の状態(起床時間・朝の気持ち・朝食の時間・出発時間)
- 試験会場についたら(家から会場までの経路・座席・着席したら確認すること)
- 試験中(教科ごと休憩中に確認する箇所・緊張した場合の対処・面接の受け答えの想定)※詰め込みすぎず、必要最低限にしましょう。
- 試験後(ポジティブな気持ちで一日が終わること 例:終わったら焼肉行こう・やりきったな~という気持ちで帰ってこよう)
【試験前日】 困り場面に対処するトレーニング
どれだけ準備していても、試験中に戸惑う場面は起こり得ます。本番でいきなり実践ではなく、緊張したらどうするのか練習しておくと安心です。
リセットルーティーン
緊張して頭が真っ白になり、焦りが重なるときは、一度リセットすることで落ち着きを取り戻しましょう。
- お尻がいすにどしっと座っている感覚を意識
- 肩に力を入れながら軽く息を吸って、肩の力を抜きながらはーっと深く吐く。同時に自分の中にある緊張や不安を吐き出すイメージ
- 心の中で「大丈夫、いつも通り、落ち着いてやろう」とセルフトーク
このように、焦ったときに一度リセットするルーティーンを作っておくと安心です。
集中力戻し
周囲の書く音や紙をめくる音が気になり気が散るときには、意識を一点に集中させます。
例えば、鉛筆の先を2~3秒見つめ、ふーっと一呼吸。それだけでも気持ちが落ち着き、集中力が戻ってきます。
緊張しない面接
面接では背伸びをせず「等身大の自分」で臨むことで、怖さが軽減されます。
また、わからない質問に対しても、素直に「考えましたがすぐに答えが出てきません/緊張して抜けてしまいました」など、答え方を親子で考えておくと安心ですね。
安心して試験当日を迎えよう
試験当日まで残りわずか。本来の力を発揮するためには、安心して当日を迎えられることがとても大切です。“自信+緊張のコントロール”を意識し、試験本番まで親子で心を整えましょう。勉強を頑張ってきたお子さんだけでなく、毎日の生活や勉強のサポートに励んだご自身のことも、たくさんほめてくださいね。
そして、当日は元気よく「これまでよく頑張ったね」「行ってこい!」と笑顔で送り出してあげましょう!
この記事の監修・執筆者
株式会社リエート 代表取締役社長。ON+OFFメンタルトレーニング協会代表。上級心理カウンセラー。JADP認定心理カウンセラー。U23日本代表・プロ野球球団・実業団陸上部や、各競技の日本代表選手・プロ選手をはじめ、のべ5,600人以上のメンタルトレーナーを担当。企業や自治体、教育現場にてメンタルトレーニング研修・講演を行う。メンタルトレーナー養成講座を主宰、アスリート、教育関係者、子育て中の保護者など幅広いジャンルの受講生が参加している。
主な著書に、『緊張をコントロールして最高の結果を出す技術』(すばる舎)、『メンタルトレーニングの教科書』(技術評論社)など。
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