“イマドキの中学1年生”は、どのような生活を送っているのでしょうか?
学研教育総合研究所が2010年から実施しているインターネット調査「中学生白書Web版」の、2023年10月調査の結果をまとめてみました。
中学1年生200人に聞いた、リアルな生活実態とは?
44.5%が塾に通い、36.0%が習い事なし
学校以外で行っている習い事をきいたところ、「受験のための塾・学校の補習のための塾」(44.5%)が突出して高くなり、「通信教育」(8.5%)、「英会話教室」「サッカー」(ともに8.0%)、「英語塾(読み書き中心)」(7.5%)と続きました(下の表「学年別」 「中学1年生」の部分参照。以下同様)。
また、「学校以外で行っている習い事(勉強やスポーツなど)はない」は36.0%で、1位の塾に次ぐ結果となりました。
学年別にみると、「受験のための塾・学校の補習のための塾」は上の学年ほど高くなる傾向がみられ、3年生では63.0%となりました。
3年前の2020年調査と比較すると、「受験のための塾・学校の補習のための塾」は前回調査29.0%→今回調査44.5%と、13.5ポイント上昇しています。
将来なりたいものは、「わからない」がダントツトップ
将来なりたいと思っているものをきいたところ「エンジニア・プログラマー(機械・技術・IT系)」(5.5%)、「プロサッカー選手」(4.0%)、「会社員」「学校の教師・先生」(いずれも3.5%)となりました。
また、「わからない」は37.5%と最も多く、こちらは小学生(31.5%)よりも高くなっています。
1か月に読む本は1.8冊、まんがは2.2冊
月にどれくらい本を読むか、【本】【まんが】【電子書籍】に分けてきいたところ、【本】では「1冊」(24.0%)に多くの回答が集まり、平均は1.8冊でした。
また、「読まない」と答えた割合は40.0%となりました。
【まんが】では本を読む冊数の平均は2.2冊、「読まない」は41.5%、【電子書籍】では本を読む冊数の平均は1.1冊、「読まない」は80.0%となりました。
悩みは「学習に関すること」がトップ
今、悩んでいることがあるかをきいたところ、1位「学習に関すること」(27.0%)、2位「学校での友だち関係」(18.0%)、3位「学校での先生との関わり」(8.5%)となりました。
また、男子は「塾や習い事での先生との関り」や「習い事に関わる事」(ともに8.0%)、女子は「自分の容姿・性格」や「きょうだいとの関わり」(ともに8.0%)など、男女では悩みに少し違いが見られました。
さらに、「悩み事は特にない」と答えた子どもも多く、48.5%と約半数でした。
学年別にみると、悩み事がある人の割合は上の学年ほど高くなる傾向がみられ、3年生では68.0%となりました。
通信機器に費やす時間は1日に約2時間
家庭内で自由に使える通信機器がある人(191名)に、1日にどれくらいの時間を費やしているかをきいたところ、「2時間~3時間未満」が19.4%と最も多く、平均は2時間2分でした。
男女別にみると、通信機器に費やす時間の平均は、男子は2時間5分、女子は2時間と、男女であまり差は見られませんでした。
高校選びは「自宅からの距離」を重視
受験について質問しました。
子ども自身が受験する高校を選ぶ際に重視したいことをきいたところ、「自宅からの距離」(48.5%)が最も高くなり、「偏差値」(42.5%)、「学校の教育方針」(26.5%)が続きました。
子ども自身と保護者の回答結果を比較すると、どちらもTOP3には「自宅からの距離」「偏差値」「学校の教育方針」が挙がりましたが、4位・5位については、子どもは「部活動」「在校生の雰囲気」、保護者は「学費」「進学実績」と、異なる結果となりました。
また、男女別にみると、男子では「部活動」が24.0%と、女子(14.0%)と比べて10ポイント高くなりました。
クラスに長期間休んでいる人が「いる」は44.5%
クラスには、長期間お休みしている人がいるかをきいたところ、「いる」は44.5%、「いない」は55.5%となりました。
男女別では、女子が50.0%と、男子(39.0%)より多い結果となりました。
7割が英語のリスニング学習を実施
英語のリスニング学習について質問しました。
英語のリスニングの学習では、どのような機器で音声を再生しているかをきいたところ、「スマートフォン」(39.5%)が最も高くなり、「タブレット」(34.0%)、「パソコン」(15.5%)と続きました。「そのような学習はしない」は29.5%となり、リスニング学習をする人の割合は70.5%でした。
受験対策や英語力向上のために、ふだんの学習にリスニング学習を取り入れている人が多いようです。
また、男女・学年別にみると、リスニング学習をする人の割合は、上の学年ほど高くなる傾向がみられ、3年生では76.0%でした。
アプリへの課金は男子の半数超え
アプリに課金したことがあるか(有料でダウンロードできるアプリや定額制のアプリの利用、アプリ内課金など)をきいたところ、男子では55.0%と、女子(23.0%)と比べて32.0ポイント高くなりました。
なお、男子が課金したことのあるアプリのジャンルをみると、「ゲーム」が42.0%とダントツの1位、2位は「勉強・学習」(11.0%)、3位は「音楽」(10.0%)でした。
女子は「動画・映画」(12.0%)が1位、2位が「ゲーム」(9.0%)、3位が「音楽」(7.0%)となりました。
“推し”は男子はスポーツ選手、女子はアイドル
“推し活”について質問しました。
“推し”がいるかどうか、いる場合は“推し”のジャンルとしてあてはまるものをきいたところ、「推しはいない」は38.5%、「推しがいる」人の割合は61.5%となりました。
“推し”のジャンルをみると、男子の1位は「スポーツ選手」(19.0%)、2位は「YouTuber」(17.0%)、女子の1位は「アイドル」(18.0%)、2位は「アニメ・まんがキャラクター」と男女で違いが出ました。
白書シリーズについて
↑↑紹介した調査以外にも、「放課後の過ごし方」「おこづかい」「内申」など、より詳しい調査結果が見られます↑↑
『白書シリーズ』は、幼児(3~5歳)、小学生、中学生、高校生を対象とした大規模アンケート調査です。子どもたちの日常生活や学習、将来つきたい職業や習い事に至るまで、調査内容は多岐にわたります。40年以上前から、時代と共に変わりゆく子どもたちの“いま”を捉え、発信し続けています。
回答者の属性
2023年度調査時に中学1~3年生であり、性別は男子と女子が半数ずつ。
【3学年総合計600人】
1年生 200人 (男子100人/女子100人)
2年生 200人 (男子100人/女子100人)
3年生 200人 (男子100人/女子100人)
【住んでいる地域】
人口比率を考慮し、日本全国から回答を得ることができるように実施。北海道・東北地方(8.5%)、関東地方(34.0%)、中部地方(21.2%)、近畿地方(18.0%)、中国・四国地方(9.5%)、九州・沖縄地方(8.8%)。
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