2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修になりました。
そんな中、習い事として「プログラミング教室」に通う子どもや、学んだ知識をいかして「ジュニア・プログラミング検定」を受験し、プログラミングスキルをアップさせている子どもがふえています。
そこで今回は、プログラミングやジュニア・プログラミング検定についてご紹介します。
文/マムズラボ
プログラミングスキルを証明! 「ジュニア・プログラミング検定」とは?
まず、プログラミングとは、こちらが思うとおりの動きができるようにコンピューターに指示することです。炊飯器や自動販売機など、私たちの身近にもプログラミングが活用された機械は多く存在しています。
それでは、「ジュニア・プログラミング検定」とはどのような検定なのでしょうか。
プログラミングを作り上げてゲームを完成させる
「ジュニア・プログラミング検定」は誰でも受けられる子ども向けの試験です。必要な受験資格は特になく、全国の指定会場での受験のほかに、自宅のインターネット接続のパソコンを使って「リモートWebテスト」形式で受験ができます。
試験では、課題として問題文が与えられ、試験時間内にその条件を満たしたプログラミングを行い、指示どおりのゲームを完成させます。
4つのレベルで段階的にチャレンジできる
「ジュニア・プログラミング検定」は4つの級があり、それぞれの認定基準があります。
試験のレベルは次のとおりです。
【Entry(4級)】例:おいかけっこゲームをつくろう(試験時間30分)
入門レベルの特定の条や筋道を用いた論理的思考ができる。
【Bronze(3級)】例:レースゲームをつくろう(試験時間40分)
単純な条件や筋道を用いた論理的思考ができる。
【Silver(2級)】例:計算ゲームをつくろう(試験時間40分)
基本的な条件や筋道を用いた論理的思考ができる。
【Gold(1級)】例:シューティングゲームをつくろう(試験時間50分)
複数の条件や筋道を組み合わせた論理的思考ができる。
出典:ジュニア・プログラミング検定「試験概要」https://www.sikaku.gr.jp/js/ks/point/
「ジュニア・プログラミング検定」を受験することで、成長のレベルを段階的に評価することができます。
関連記事:【プログラミング教育って何するの?】学校で学ぶこと[専門家監修]
ジュニア・プログラミング検定で使用するアプリ「Scratch」とは?
試験で使用されるのは「Scratch」というアプリです(※1)。
カラフルでかわいらしい見た目から、お子さんが「Scratch」でプログラミングしているのを見た保護者の中には「よくわからないゲームを作って遊んでいる……」と思ってしまうかたもいらっしゃるようです。
かんたんにプログラムが作れるアプリ
「Scratch」はアメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボで開発されたビジュアルプログラミング言語です。 日本語にも対応しており、無料で手軽に始めることができます。
初めてプログラミングに触れる人のために、あらかじめさまざまな指示のブロックが用意されています。 ブロックには「10歩進む」や「1秒待つ」、「ニャーという音を鳴らす」などの指示が書かれており、それを組み合わせると思いどおりに動かすことができるというものです。
この「指示を組み合わせて思いどおりに動かす」ということが、プログラミングの基本です。そのため、子どもたちは「Scratch」で遊ぶうちに自然にプログラミング的思考のトレーニングができるのです。
イラストや音楽などを自分で自由に作れる
「Scratch」を使って、自分だけのイラストや音楽などを自由に作成することもできます。 それらを組み合わせながらゲームや映像を作れるので、基本的な操作さえマスターできれば、自分の作品を無限に作成することが可能です。
また、直線や円、四角形を組み合わせたり形を変えたりしながら絵を完成させていくので、自由度も高く、子どもも遊びながら学ぶことができます。
作品をネットに公開できる
自分で作った作品をネット上で公開できるのも「Scratch」の特徴です。
コメントでほかの人とやり取りをしたり、ほかの人が作ったゲームで遊んだりすることもできます。
なお、子どもといっしょに「Scratchコミュニティーのガイドライン(※2)」を確認してから、楽しく遊ぶようにしましょう。
子どものときに「ジュニア・プログラミング検定」を受験するメリット
「ジュニア・プログラミング検定」を受験することによる、さまざまなメリットが考えられます。
プログラミング的思考のトレーニングになる
この試験は、プログラムを作る言語や技術を学ぶのではなく、プログラミング的思考を身につけることを目的としています。
「プログラミング的思考」とは、自分が思ったとおりの動きをコンピューター上で行うために、どのような指示を組み合わせたらよいかを論理的に考える力です。この「プログラミング的思考」を身につけることで、目的を達成させるために必要な手順や工程を効率的に組み合わせることができるようになるのです。
たとえば、料理の場合、主菜と副菜、汁物を同じタイミングで仕上げるには、どのような手順で作業をすればよいのかなどを考えるときも、プログラミング的思考が役に立ちます。
「ジュニア・プログラミング検定」を受験することをきっかけに、プログラミング的思考を身につけ、自分が持っているプログラミングのスキルで、新しいものを作り出す創造の可能性を広げることができます。
今後は、どのような仕事においても「プログラミング的な思考」を持つ人材が必要とされ、子どものときからプログラミングに触れることで、将来の強みになると考えられます。
自信につながる
「ジュニア・プログラミング検定」を受験することで、プログラミングのスキルを確認でき、子どもの成長を感じることができます。 また、子どもも「試験に合格した!」「得意なことが認められた!」という自信から、自分を肯定することにつながる可能性があります。
「もっと学びたい!」「次も挑戦したい!」と、目標が明確になり、自分の作品を作るモチベーションも上がり、ワンランク上の級も受けてみたくなるかもしれません。
子どものころに「ほかの人にはない特別なもの」を身につけることは、大きな財産になります。これからの人生を生き抜く土台にもなるでしょう。
中学校の入試優遇にも
「ジュニア・プログラミング検定」に合格すると、入試で優遇される中学校もあります(※3)。 令和5年入学対象の入試では、選抜結果に加点をしたり、出願資格として扱ったりする学校もあり、ますます注目される検定となっています。
プログラミングができるようになると、小学校だけでなく、中学・高校などの学校生活のさまざまな場面でも、活躍できる可能性があります。
効率よく作業をしようとするプログラミング的な思考が伸びるため、IT企業への就職を目指している子どもではなくても、実践で役に立つ資格といえるでしょう。
「ジュニア・プログラミング検定」の受験方法
最後に「ジュニア・プログラミング検定」の受験方法について説明します。
申し込み
受験の申し込みは、「ジュニア・プログラミング検定」のホームページから可能です。
試験会場で受けられるかたは、「ジュニア・プログラミング検定」のホームページにある「随時試験受験会場検索」ページから、受けられる受験会場を検索し、会場へ直接電話やメールでお申し込みください。
自宅で受けられる場合は、「ジュニア・プログラミング検定」のホームページから直接の申し込みになります。
試験
試験は毎年2回実施されます。
2023年度の試験日は2023年7月30日、2024年3月24日です。
受験料
受験料(税込)は以下のとおりです。比較的申し込みやすい価格です。
・4級:2,400円
・3級:2,600円
・2級:2,800円
・1級:3,000円
詳しくは、「ジュニア・プログラミング検定」のホームページをご確認ください。
プログラミング能力の成長を確認でき、子どもの自信につながる!
「プログラミング」という科目の授業が一斉に始まったわけではないため、学校によってプログラミング教育の進み具合はさまざまです。学校ではまだプログラミングの勉強を始めていなくても、どんどん自分で学習を進めたいという子どもも少なくありません。
子どもが夢中になれる要素が多くある「ジュニア・プログラミング検定」は、プログラミングをしたことがない子どもが「自分でゲームを作りたい」と、プログラミングに興味を持つきっかけになるかもしれません。
【参考】
(※1)Scratch – Imagine, Program, Share
https://scratch.mit.edu/
(※2)Scratch「Scratchコミュニティーのガイドライン」
https://scratch.mit.edu/community_guidelines
(※3) ジュニア・プログラミング検定「入試優遇校一覧」
https://www.sikaku.gr.jp/js/ks/nyuushi/
【参照】
ジュニア・プログラミング検定
https://www.sikaku.gr.jp/js/ks/
小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/07/08/1373901_12.pdf
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