【続編】子どもの長所を見つける! 伸ばす! 3つの大切なポイント~AI時代に生きるオンリーワンの個性を育む~

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目次

前回は、「短所いじりの危険性」と「子どもの短所との向き合い方」についてお話ししました。

今回は、「子どもの長所を見つけ、伸ばしていく」3つのポイントを紹介します。

―突然ですが質問です。

あなたは、お子さんの長所をいくつ言えますか?

“どんな子どもにも少なくとも3つの長所がある”と、『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』の著者・石田勝紀先生は言います。

短所は自覚していても、自分の長所を理解している人間は少ないもの。それほど、長所はわかりづらいのです。日々の生活の中から、長所を見つけ、伸ばしていくヒントを探ってみましょう。

お話/石田勝紀

《ポイント1》「短所」をプラスの面から見る

「長所」と「短所」はコインの表裏の関係

たとえば、「集中力がない」という短所があったとします。

しかし、それはマイナスの面から見た状態のことであって、プラスの面から見てみると「周りのことに気づく力がある」という長所といえます。

このように、子どもの個性をプラスの面から見てとらえるだけで、長所が発見できる場合があるのです。

わが子の個性を、マイナスの面からしか見ることができていないのは、とてももったいないことですよね。

上手なプラスの面からのとらえ方

個性をマイナスの面からとらえてしまうと、すべてが悪く見えますが、それだけが、その子の“個性”でしょうか?

ためしに、さまざまな個性をプラスの面から見て、“長所”に変換してみましょう。

『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』(集英社)参考

「え? これも長所なの?」と感じるものもあるかもしれませんが、ここでおさえたいのは、「親が望むこと」が子どもの長所ではない、ということ。

勉強ができる、しつけが行き届いている、これらは確かにわかりやすい長所ですが、本当にそれだけでしょうか?

AIに簡単に仕事を奪われてしまいかねないこの時代、その子にしかないオンリーワンの個性が武器になるということを忘れてはいけません。

《ポイント2》長所を伸ばす「魔法のことば」をたくさん使う!

① 「すごいね!」
② 「さすがだね!」
③ 「いいね!」

この3つの言葉は、短くて、シンプルで、よく耳にすることばですが、
だからこそ、いつでもどこでもだれにでも使えて、確実に子どもの心に届く、長所を伸ばすのにとても効果が高い「魔法のことば」なのです。

ためしに日常生活での使用例をあげてみましょう。

●水泳で潜水ができたとき
「え、もう潜れちゃったの? すごいね!」

⇒ほめておだてて、どんどん調子に乗せてください。「楽しい!」「おもしろい!」と、思えた子どもたちには、自信がつき、ほかの分野でも必ず伸びていきます。

●子どもかいの活動で、グループのリーダーに任命されたとき
「さすがだね」「かっこいいね!」

⇒リーダーに限らず、どんなささいな係でも、子どもの役割を認めてほめることで、責任感ややる気、リーダーシップが芽生えます。

●テレビのクイズ番組を見て正解したとき
「よく知ってるね!」「頭いいね!」

⇒クイズの解答は子どもをほめる絶好のチャンス!「自分は賢いのかも」「天才かも」と前向きな勘違いをさせていきましょう。さまざまなものへの興味の芽が育ちます。

●きゅうりの輪切りが上手にできたとき
「すごい。ママよりうまいんじゃない?」「料理の才能あるよ」

⇒子どもが挑戦したことには、すべてに魔法のことばをかけてください。できたことをしっかりほめることで、子どもは自分の才能を見出します。

●友だちが多いことに対して
「それはあなたの才能だね!」「とってもいいことだね」「うらやましいな」

⇒子どもの人間的魅力をほめることは、大きな自信になります。豊かな人間関係は、人生の大きな財産であり、才能であることを伝えましょう。

『子どもの自己肯定感を高める魔法のことば』(集英社)参考

その他にも「ほめるシーン」はまだまだふんだんにあります。ささいなこと、言うまでもないと思われることが、実は絶好の「ほめポイント」。子どもたちの「長所」や「才能のタネ」は、日々の暮らしのそこかしこに転がっています。

★勉強については「いいね!」を使おう!

例えば、お子さんがテストで100点をとったときに「すごい!」「さすが!」と伝えてしまったら、それよりも低い点数をとったときに、「100点をとれない自分はダメなのだ」と親の心情にリンクして、自己肯定感が下がってしまう危険性があります。

そのため勉強については、「あなたはすごい」という親のジャッジは伝えずに、「そっか~、よかったね!」「満点とれたの? おお、いいね」のように、さらりと「きみの努力を認めているよ」という気持ちだけをつたえましょう。

次のテストで70点をとっても、「そっか、70点とったんだね」と単なる事実として結果を受けとめ、認めればよいのです。

この「いいね(=きみを認めているよ)」ということばを継続して耳にする子どもは、自分の存在を肯定され、尊重されていることを実感するようになります。

《ポイント3》ママパパ自身の気持ちを上げる!

前回でもお話ししたように、ママパパのイライラは“短所いじり”のもと。

しかし、それだけではなく、ママパパ自身の心を上向きにしておくことは、子どもの長所を見つけるためにも肝心なのです。

ほんの5分でかまいません。少し無理をしてでも、自分の時間をつくるよう意識することがポイント。

●仲のいい友だちと電話する
●見たかったテレビ番組や動画を見る
●お気に入りのスイーツを食べる
●読みたかった漫画を読む
●近所を散歩して汗を流す
●“魔法のことば”を自分にもかけてみる
 など

自分の心が弾むようなことならなんだっていいのです。自分にウソをつかず、夢中になって楽しんだり、味わったり、元気になれることを始めてみてください。

「長所」と「短所」のQ&A

Q.短所を直したいけど、個性はつぶしたくないです。

1. まずは、「短所」をプラスの面から見て「長所」に変換してみましょう。

2. 1.でもうまくいかないときは、「他人の子だと思って」教えるようにしてみてください。

それでも短所が直らない場合は?
ときにはそれを認め、受けとめていくことが必要になります。

「個性」とは、長所も短所もひっくるめたその子のすべての特徴のこと。つまり、どうしても直らない短所も、長所も丸ごと受けとめることこそが、「個性」をつぶさないということにつながるのです。

このとき「周り」にそろえて無理に「普通」にしようとしてはいけません。なぜなら、個性を必要としない仕事はすべてAIがやってくれるから。

つまり、その子の凸凹、長所も短所も認め、受けとめていくことが、ときには、大事なのです。親がこうしたスタンスでいると、子どもは安心して、個性を発揮していくことができるのです。

Q.子どもの習い事が長く続かず、一向に上達しません。

親はどうしても「せっかく、習うんだから続けなさいよ、もったいない!」と、損得感情で考えてしまいがちですが、子どもにとっては、一定期間、ピアノという体験ができたということがすばらしいこと

なぜなら、習い事は、「体験をするため」であって、一流になるためにやっているわけではないから。子ども時代には、一つのことを深堀りするよりも、いろいろな経験をする時期。これもまた、子どもの長所を見つけていくことにつながります。

ただし、やめどきはよく見極めることが大切。

たとえば、「今日は習いごとに行きたくない」という理由が「たまたま宿題をやっていない」「前回に先生に怒られた」という一時的な行きたくないというものならば、行かせましょう。

しかし、習い事に対して、慢性的に子どもの心が離れている場合は、そこをしっかりと見極めて、ほかのことにチャレンジさせたほうがよいでしょう。

このとき、親は、「しょうがないな…」というネガティブなとらえ方ではなく、「貴重な経験ができてよかったね!」「これはここまでにしておこう!」というフランクなとらえ方をしてください。なぜなら、習い事は子どもの人生経験であり、“短所いじり”のための材料ではないのですから。


ー子育てに限らず、人を育てる際の原則は、「長所をさらに伸ばす」こと。

そして、その長所は、他者と比較してできているところではなく、その子の中でとくにイケているところ、と石田先生は言います。

まずは、1日3つから、子どものいいところ探しを始めてみませんか?

この記事の監修・執筆者

石田 勝紀

20歳で起業し、学習塾を創業。これまで4000人以上の子どもたちに対し直接指導するかたわら、講演会やセミナーなども実施。また、2003年35歳で都内の私立の中高一貫校の常任理事に就任。2016年からは「カフェスタイル勉強会~Mama Café」というママ対象の子育て・教育の学びの会を全国で主宰。『子どもの自己肯定感を高める 10の魔法のことば』(集英社)、『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。

公式サイト
http://www.ishida.online/

音声配信Voicy
https://voicy.jp/channel/1270

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