「鬼は外!福は内!」という元気な声が響く2月の節分。幼稚園・保育園などでは楽しい行事として定着していますが、家庭でも同じように楽しめたら素敵ですよね。
おうちで、子どもと一緒に節分を楽しみたいけれど、「どんな準備が必要?」「マンションでも大丈夫?」など、不安に思うママパパも多いのではないでしょうか。
ここでは、専門家監修のもと、おうちでも気軽に楽しめる節分の過ごし方を紹介します。工作や豆まきなど、子どもの年齢に合わせた楽しみ方で、家族の思い出作りにもぴったりです。
伝統行事を通じて、子どもの心も育つ素敵な時間を、ぜひ一緒に過ごしてみませんか。
文/ハイドジア
幼稚園・保育園などでの節分行事とは?
幼稚園・保育園などでの節分は、子どもたちが日本の伝統文化に触れながら、友だちや保育士などと楽しく学び合う大切な行事です。
この行事には、子どもたちに伝統行事の意味を伝え、季節の変わり目を感じてもらうという教育的なねらいもあります。
紙芝居や絵本の読み聞かせを通じて節分の由来を学び、鬼のお面作りなどの製作活動によって創造性を育みます。
豆まきでは、「鬼は外、福は内」の掛け声とともに、保育士などが扮する鬼に向かって子どもたちが豆を投げます。
このように、節分行事は、楽しみながら日本の文化や季節の移り変わりを体感できる、子どもの成長に欠かせない行事となっているのです。
節分の由来と伝統行事を知ろう
節分の起源は古代中国にまで遡り、邪気を払い福を招く、「追儺(ついな)」という儀式として始まりました。平安時代に日本に伝わると、宮中行事として定着し、次第に一般庶民にも広がったといわれています。
現代では、豆まきや恵方巻を食べるなど、家族で楽しむ行事として親しまれています。
豆まきの意味と掛け声
豆を使う理由には、「魔目(まめ)」を打ち「魔を滅する(まめつ)」という言葉遊びの意味や、豆が五穀の一つとして神聖視されていたことが関係しているといわれています。
「鬼は外、福は内」という掛け声には地域による違いがあり、たとえば成田山新勝寺では「福は内」のみを唱え、群馬県鬼石地区では「福は内、鬼も内」と唱えます。これは各地域の歴史によるものです。
柊鰯(ひいらぎいわし)と恵方巻の由来
柊鰯(ひいらぎいわし)と恵方巻は、節分の伝統を今に伝える代表的な風習です。柊鰯は平安時代から伝わる魔除けの飾りで、柊の枝に焼いた鰯の頭を刺して玄関先に飾ります。
柊のトゲトゲした葉と鰯を焼いた強い臭いで鬼を寄せ付けないという意味が込められているそうです。地域によっては「焼嗅(やいかがし)」とも呼ばれ、ニンニクやらっきょうを用いることもあります。
一方、恵方巻は江戸時代末期から明治時代初期ごろにはあった風習とされています。ですが、全国に広がったのは1970年代後半ごろと比較的最近の話なのです。恵方巻は大阪の花街で商売繁盛を願って巻き寿司を食べていたことが始まりとされています。
当時は「丸かぶり寿司」や「太巻き寿司」と呼ばれ、1980年代後半に大手コンビニチェーンが「恵方巻」という名称をつけて節分の日に、その年の恵方(その年の吉方)を向いて無病息災を願いながら無言で食べる食べることが全国的に広がっていきました。
このように、古くからの伝統と新しい習慣が融合して、現代の節分行事は形作られているのです。
家庭での節分行事チェックリスト
節分をおうちで楽しむためには、事前の準備と計画が大切です。
準備するもの
- 炒り豆(福豆)
- 升や器
- 恵方巻の材料
- 柊鰯(必要な場合)
まず、炒り豆(福豆)、豆を入れる升や器、恵方巻の材料を用意しましょう。柊鰯を飾る場合は、柊の枝や燻いた鰯も忘れずに準備します。
おうちでの注意点
豆まきの後に一年の無病息災を願って自分の年齢の数だけ豆を食べる習慣があります。5歳以下の小さな子どもがいる場合は、消化不良や窒息の危険があるため、豆まきに使った硬い豆は与えないようにしましょう。代わりに柔らかいお菓子や個包装の豆を使用してよく噛んで食べるように声かけするなどの工夫が必要です。
恵方巻も、年齢に応じて食べやすい大きさに切り分けることをおすすめします。
また、集合住宅にお住まいの場合は、近隣への配慮も忘れずに。大きな声は控えめにし、豆まきは必ず室内で周囲の安全を確保してから行いましょう。
豆まきが終わったら、拾い忘れの豆がないよう丁寧に掃除をしましょう。特に小さな子どもがいるおうちでは、誤って豆を口に入れないよう、注意しましょう。
本格的に楽しめる!節分工作を家族と楽しもう
節分の日をより思い出深いものにするために、家族で楽しめる工作をするのもおすすめです。子どもの創造力を育みながら、節分の準備から当日まで楽しめます。ここからは、簡単におうちで作れる節分工作を紹介します。
鬼のお面を作ってみよう
色画用紙と身近な材料で、世界に一つだけのオリジナル鬼のお面を作ってみましょう。丸シール、輪ゴム、セロハンテープ、クレヨンなど、家にある材料で簡単に作ることができます。青鬼や黄緑鬼など、子どもの好きな色で作れば、より鬼に愛着を持って節分を楽しめます。
ダンボールで鬼を作ってみよう
豆まきの的になる鬼を、空き箱や段ボールで作ってみましょう。色画用紙を貼って装飾すれば、より本格的な鬼の的の完成です。豆もポンポンボールや小さく丸めた新聞紙などにすると、小さな子どもでも安全に豆まきを楽しむことができます。また、箱の大きさを変えることで、年齢に応じた豆まきの難易度調整もできます。
家庭で節分を楽しもう!
節分は、子どもたちの心に残る大切な思い出となる行事です。豆まきや工作を通じて、日本の伝統文化に触れる機会を、おうちでもつくってみませんか。
子どもの年齢に合わせた準備と工夫があれば、家庭でも十分に楽しめます。鬼のお面作りや段ボールで作る鬼の的など、準備の段階から家族で楽しめる工夫を取り入れることで、より深い思い出になるはずです。
「鬼は外、福は内」の掛け声とともに、新しい年の無病息災を願い、家族みんなで笑顔あふれる節分を過ごしていきましょう。
この記事の監修・執筆者
専門は保育学、幼児教育学。子どもたちが心身ともに健やかに成長・発達していくために外あそびは必要不可欠と考え、発起した「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」の発起人メンバー。保育園に10年間勤務。2007年より京都ノートルダム女子大学で教鞭をとる。インターナショナルすこやかキッズ支援ネットワーク コーディネーター/日本幼児体育学会 副会長・事務局長/日本食育学術会議 理事/日本レジャー・レクリエーション学会 理事/京都府幼児教育アドバイザー(2022〜2024年度)。著書に『手あそび・ゲーム・体操 ふれあいあそび大集合』(ひかりのくに)など。
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