【withコロナの運動会事情】幼稚園・保育園・小学校で変わったこととは?

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幼稚園や保育園、小学校での大きなイベントのひとつといえば、運動会や体育祭です。ただここ数年は新型コロナウイルスの影響で変化したところが多くあるのではないでしょうか。

本記事では、コロナ禍で起きた運動会の変化や、観覧時のマナーなどを筆者の実体験も含めご紹介します。

文/マムズラボ

目次

コロナ禍以降の幼稚園や小学校の運動会・体育祭実施状況

2022年度現在、文部科学省では、コロナ禍においても運動会・体育祭などの行事はただちに中止とするのではなく、教育的意義や子どもたちの心情などを考慮しながら、感染防止対策や措置をとった上での半日開催など実施方法の工夫を行い可能な限りの実施を求めています(※1)。

その意向を受け、コロナ禍以降の各年度での運動会・体育祭の実施状況は以下となっています。なお2021年度では、ある県で運動会を開催した小学校のうち「約8割が練習時間を縮小」「約9割が競技数を減らしたり簡素化」「約7割が半日などで短縮開催」などの例があったようです(※2)。ほか、2022年度では約7割の小中学校で運動会が開催される見込みもあるとのことです。

2020年度2021年度
通常通りに開催した42%57%
延期して開催した41%34%
中止した15%3%
(※3)

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コロナ禍で幼稚園や小学校の運動会・体育祭に起きた「9つの変化」

withコロナにおいて実際の運動会・体育祭で起きた具体的な変化を、小学生の子どもを持つ筆者の体験談を含めながら具体的にご紹介します。

1.開催時期や開催時間が短縮された

運動会・体育祭の開催時期が変わりました。これまでは6月ごろまでに運動会を開催する園・学校もあった中、10月ごろに開催する施設がふえました(※4)。理由としては「地域の感染状況をふまえ延期」「時期的に、屋外でマスクをしていても息苦しさなどの恐れが低い」ことなどが挙げられます。

合わせて、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点に寄り、運動会の開催時間を短縮する園や学校もふえました。

ここが変わった
・10月に開催するところがふえた
・運動会全体や各競技の時間が短縮された

2.観覧者の人数が制限された

運動会・体育祭に参加する全体の人数をへらすために、観覧者の人数を制限するようになりました。学校間での感染拡大や3密(密閉、密集、密接)を避けるため、未就学児や卒園・卒業生の観覧を禁じるケースもあるように見受けられます。

ここが変わった
・「1家庭あたり保護者2名まで」などの人数ルールが設けられた(※5)
・自分の子どもが参加する日時のみの観覧できる「保護者入れ替え制」ができた(※5)
・保護者の観覧を禁止した(※4)
・卒業生の観覧を禁止した
・在校生の会場での観覧を禁止した
・来賓の人数をへらしたり、招待しなくなったりした
・開会式や閉会式は観覧せず、競技のみ観覧する保護者がふえた

3.観覧者の入場の仕方が変わった

3密回避やまん延防止を目的に運動会・体育祭全体の参加人数をへらしたり、見込みどおりの参加人数で実施するため、参加者の入場の仕方にも変化したところがありました。また、観覧者の入場時には健康管理シートの提出を求める園や学校が多い傾向です。

ここが変わった
・観覧が事前申し込み制になった
・プログラムが入場許可証になった(※5)
・入場時に、観覧者の氏名入りの健康管理シートの提出が必須になった

4.プログラムや種目の内容が変わった

「時間短縮」の観点や「児童生徒が密集する運動」「近距離で組み合ったり接触したりする運動」の実施を避けるため、プログラムや種目の内容もこれまでとは違う変化が見られます。

ここが変わった
・「開会式」「閉会式」で、来賓やPTAのあいさつなどがなくなった
・「リレー」はバトンではなく「ひじタッチ」で実施した(※6)
・綱引きは生徒の間隔をあける「ソーシャルディスタンス綱引き」になった(※6)
・対面にならないよう、「組み体操」「ダンス(表現)」などの構成や内容を変更した(※6)
・「騎馬戦」「組み体操」など接触が多い種目や競技がなくなった(※6)
・未就学児向けや保護者、PTAなど、生徒以外が主体となる種目や競技がなくなった

5.応援のスタイルが変わった

飛沫感染防止やまん延防止の観点から、生徒にも保護者にも「大きな声での会話、応援等をしないこと」が求められるようになりました(※7)。

「応援合戦」など生徒が主体となる応援を目的とした種目を実施するときも、応援団員や団長だけが十分な距離をとった位置から声出しをするスタイルになりました。団員以外の声出しが必要な場合は、事前に録音した音声データを流すなどの対策が取られているように見受けられます。

ただし地域の感染状況や園・学校の規模により、マスクを着けたうえでの声出し応援は許可するなど、段階的に対策を緩めているところもあるようです(※8)。

ここが変わった
・「拍手」「赤白帽を振る」「音が出る応援グッズを使う」などで声を出さずに応援する気持ちを表現するようになった
・応援で声を出す場面がある場合、事前に録音したものを流すようになった

6.観覧者の観覧の仕方が変わった

コロナ禍以降、プログラムなどに子どもの走る順番や、参加演目の位置・列などを記載している園や小学校が多くなったようです。会場内や観覧エリアで、保護者の滞在時間をへらしたり、密集を避ける対策のひとつだと考えられます。

また、同様の目的で、場所取りや保護者用のテント設営を推奨していないところもあります(※9)。そのほか、観覧者同士の距離を確保するため観覧エリアや撮影スペースが拡大されたり、観覧エリアや撮影スペース内で学年の種目に合わせた保護者の入れ替え制を取り入れているところも増えたようです。

ここが変わった
・観覧のための場所取りがなくなった(※9)
・保護者用のテント設営がなくなった(※8)(※9)
・子どもの出番や場所があらかじめ通達されることが増えた
・観覧エリアや撮影スペースが拡大された(※5)
・観覧エリアや撮影スペース内で保護者の入れ替え制が導入された(※5)
 1、 前列に、先に演技する学年の保護者が入場
 2、 演技終了次第、前列にいる保護者は速やかにエリアから出て、次に演技する学年の保護者に場所を譲る

7.生徒の観覧スタイルが変わった

密集などを避けるため、生徒の観覧スタイルも変わりました。児童応援席でもソーシャルディスタンスを確保したり、観覧エリアや撮影スペースの入り口にアルコール消毒液を設置したりするなどの対策をとっている園・学校が見られるようになりました。

ここが変わった
・児童応援席の入り口で感染対策をとるようになった
・児童の席の間隔が広くとれるようになった

8.観覧者といっしょに昼食を食べなくなった

各家庭の事情などに配慮し、運動会・体育祭の昼食をお弁当から給食に切り替えるところがコロナ以前から増えていたようですが、コロナ禍以降は「半日開催のため昼食(お弁当)は不要(※10)」「昼食は必要だが、給食で対応するためお弁当は不要」「お弁当を持参するが観覧者とは食べず、生徒だけで食べる」「教室で昼食をとる」などのケースが増えたようです。

ここが変わった
・半日開催のため子どもの昼食(給食やお弁当)が不要になった(※10)
・子どもはお弁当を持参するが観覧者とは食べず、生徒だけで食べるようになった
・子どもは教室で昼食(給食やお弁当)をとるようになった
・観覧者の昼食は会場外でとるようになった

9.動画で観覧できるようになった

人数制限などの理由で、祖父母や親せきが運動会・体育祭を観覧できないケースが見られます。また、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言期間中や地域の感染状況によっては、保護者も観覧できないこともあります。

そのため、運動会を動画で配信するところもふえています(※11)(※12)。動画を生配信するほか、収録した動画を後日公開する形などがあるようです。

筆者の友人が通う園でも動画配信がされたそうで、子どもたちといっしょに動画を見ながら振り返ることができたとのことです。ほか、運動会の様子を収録したDVDを保護者に配布するところもあります(※13)。

ここが変わった
・動画で配信するようになった(※11)(※12)
・収録したDVDを保護者に配布するようになった(※13)

幼稚園や小学校の運動会・体育祭観覧時の保護者のマナー3つ

新型コロナウイルスはいまだ感染者が発生しており、運動会・体育祭実施にあたり、学校や園でさまざまな対策が取られています。観覧する保護者としては、感染対策を基本のマナーとして考え観覧するようにしましょう。

1.体調が悪い時は観覧しない

体調に変化が見られるときや、体調が悪いときの観覧や参加は控えましょう。発熱や咳などはもちろん、体調に変化がなくても、平熱より1度以上高い場合や体温が37.5℃以上ある場合、観覧や参加は控えるよう求めているところが多くあります(※14)。

2.正しい感染対策をとる

文部科学省は運動会の実施にあたり「保護者なども、手洗いや咳エチケット等の基本的な感染症対策を徹底する」ことを促しています(※15)。運動会・体育祭では施設内に設置されたアルコール消毒スプレーなどを使用するほかこまめに手洗いをしたり、咳エチケットを守るなどを行いましょう。子どもの出番が終わったら、観覧エリアや撮影スペースからすみやかに退場し、密集の一員とならない気遣いも大切です。

また、厚生労働省は新型コロナウイルス感染症について「屋外であっても会話のある場合はマスクを着用」する旨を示しています(※16)。観覧中は必ずマスクを着用するようにしましょう。

帰宅後は保護者も子どもも十分に手洗いとうがいを行い、感染予防に努めましょう。

3.大人数での長時間の会話を避ける

文部科学省は「運動会の実施にあたり、3つの密を避け、一度に大人数が集まって人が密集しないような工夫をする」などのように促しています(※15)。運動会・体育祭を感染拡大の場にしないために、複数の保護者同士で集まっての長時間の会話は控えるようにしましょう。

コロナに負けず、幼稚園や小学校の運動会・体育祭を楽しい思い出にしよう

新型コロナウイルスの影響をうけ、運動会・体育祭はこれまでとは異なる様式に変化しています。今後の状況次第では、また変わっていくことも考えられるでしょう。ただしどのような状況でも、運動会・体育祭は子どもたちが輝ける場のひとつであり、思い出作りの貴重な機会であることは変わりません。子どもたちが安心して運動会を楽しめるよう、園・学校と連携して対策を講じていきたいものですね。

【引用】
(※1)文部科学省「最近よくあるご質問にお答えします/Q コロナ禍における運動会や体育祭の実施について、文部科学省はどのように考えているのでしょうか。(令和4年3月8日更新)」
https://www.mext.go.jp/index_00021.html#q1-16
(※2)中日新聞「学校行事 見直し契機に コロナ禍 縮小でも8割「子の成長実感」」https://www.chunichi.co.jp/article/445000
(※3) 令和3年度Sport in Life推進プロジェクト「新型コロナウイルス感染症対策を含む、運動会実施によるスポーツ実施者増加方策」
https://sportinlife.go.jp/doc/offer02/2021/01_uk1.pdf
(※4)NHK首都圏ナビ「コロナの影響で小学校の運動会は?東京23区に聞きました」
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20210614b.html
(※5)伊丹市立伊丹小学校「学校通信№ 21」
https://www.itami.ed.jp/material/files/group/133/gakkoutuusin2021-21.pdf
(※6)朝日新聞「試行錯誤の運動会、消えた花形種目 分かれる開催の判断 [新型コロナウイルス]」
https://www.asahi.com/articles/ASNB45VCNNB2UTIL00P.html?iref=pc_photo_gallery_bottom
(※7)大分市立宗方小学校「運動会における新型コロナウイルス感染症対策について 」
https://oita-city.oita-ed.jp/syou/munakata/
(※8)岩手日報「コロナ対応と運動会の両立へ マスク着け、声出し応援復活も」
https://www.iwate-np.co.jp/article/2022/5/20/116252
(※9)徳島県阿波市立林小学校「令和2年度 林小学校運動会アンケート結果/保護者用運動会アンケート(結果)」
https://e-school.e-tokushima.or.jp/awa/es/hayashi/html/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=2772
(※10)下野新聞「見学の制限など行い実施コロナ禍での運動会お弁当なし、午前のみも 【子育てリサーチ みんなの声】コロナ禍での運動会」
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/397891
(※11)KSB瀬戸内海放送「無観客で2年ぶりに運動会 保護者向けに生配信も 高松市」
https://news.ksb.co.jp/article/14356303
(※12)札幌市立桑園小学校 「運動会における動画配信等について」
https://www16.sapporo-c.ed.jp/soen-e/attach/get2/1723/0
(※13)菊陽中部小学校「令和2年度 菊陽中部小学校 運動会DVD作成に関する同意書の提出について」
https://es.higo.ed.jp/kikuyoce/wysiwyg/file/download/17/903
(※14)岩出市「令和3年度運動会について(お願い)」
https://www.city.iwade.lg.jp/sc-yamasaki/files/undoukaiannai1.pdf
(※15)文部科学省「Q&A(学校設置者・学校関係者の皆様へ)/問5 運動会等の実施に当たり、どのような点に留意すべきか。」
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00040.html
(※16)厚生労働省「マスクの着用について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku_00001.html

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