【卒業生へ1年生からの手紙の内容とは】自分の成長を自覚する「6年生を送る会」

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3月は卒園、卒業の月ですね。小学校では、「6年生を送る会」が催されます。
保護者は知らない、子どもたちだけの行事はどのようなものなのでしょうか?
長年にわたり教師も務められた、教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

3月の上旬か中旬に、小学校ではよく「6年生を送る会」が行われます。
略して「6送会(ろくそうかい)」と呼ばれる行事で、1年生から5年生の子どもたちが、今までお世話になってきた6年生に感謝の気持ちを表す会です。

これには地域や学校によっていろいろなやり方があります。

学校によっては、1年生から6生までの各学年の子が1人か2人ずつ入って全部で7、8人くらいになる「縦割りグループ」という小集団をつくっているところもあります。

さらに、1年生と6年生、2年生と4年生、3年生と5年生で1対1のペアをつくっているところもあります。

そういう学校では、6送会の前半をこの小集団やペアを中心に行ってから、その後で全体会を行うことがよくあります。

小集団の会では、フルーツバスケットなどのゲームをしたり、お弁当を一緒に食べたりします。
そして、6年生に贈る言葉を下級生が1人ずつ言ったり、お手紙を交換したりします。

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6年生が喜ぶ1年生からのお手紙

お手紙交換のためのお手紙は、もちろん事前に書いておきます。
1年生はみんな一生懸命書きます。

なぜなら、1年生は何かと6年生にお世話になったり一緒に活動したりしてきたことが多いので、思い出がたくさんあるからです。

私も6年生を何度か受け持ちましたが、たどたどしい文字で書かれた1年生からの手紙を読むときの6年生の子どもたちは、みんなにこにこしています。

1年生からのお手紙には、たとえば、次のようなことが書かれています。

  • はじめての学校探検であちこち案内してもらって、うれしかった。
  • 休み時間に一緒に遊具で遊んでくれて、ありがとう。
  • 縄跳びが跳べなかったけど、跳び方を教えてもらって跳べるようになった。ありがとう。
  • 鬼ごっこで遊んでいて転んだとき、水道で傷を洗ってくれて保健室に連れて行ってくれた。

かわいいのと面白いのとで、大ウケ

中には、面白いものもあります。

たとえば、はじめの方は「6年生のおねえさん今までありがとう・・・」という内容だったのに、書いているうちにいつのまにかお母さんに対する内容に変わってきて、「いつもごはんをつくってくれてありがとう」などと書いてあるのもありました。

「ぼくが中学校にはいったらまたあそんでね」というのもあり、これも笑えました。

また、「中学校にいってもがんばってね」と書きたいところで「中学校にいってもがばてね」とか「中学校にいてもがんっばてね」などとなるのは、とてもよくあることです。

それで、6送会が終わった後の6年生の教室は手紙を読みながら大いに盛り上がります。
かわいいのと面白いのとで、大ウケになるのです。

6年生の心の中には、「あのおちびちゃんが一生懸命書いてくれた」といううれしい気持ちと、「もう一緒に遊べないのか」というさみしい気持ちもあります。

「わたしも1年生の時はこうだったのかな」と感じて、自分の成長を自覚する部分もあると思います。

子どもたちの心を耕す「6年生を送る会」

1年生の子どもたちにとっても同じです。

6年生のペアのことを「学校でのお兄ちゃん・お姉ちゃん」と感じている子たちもたくさんいます。
ですから、この行事を通してちょっとしたさみしさを味わうことになります。

このようなわけで、「6年生を送る会」は子どもたちの心の耕しという面で、とてもいい行事なのです。

そして、この会の後、6年生のクラスではしばらくの間「がばてね」や「がんっばてね」という言い方が流行ります。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。X、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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