夏休みシーズン到来! 今年は久々に家族でお出かけされる方も多いのではないでしょうか。今回は、おうちではもちろん、移動時や旅先で楽しめる絵本を年齢別にご紹介します。お出かけ先で絵本を読むと、ドキドキ、ワクワクがさらにアップしそう! 絵本のセレクトは東京都世田谷区にある「えほんのみせ ぱっきゃまらーど」店主の山本陽子さん。3回連載の第1回目は2~3歳児にオススメの絵本です。
2~3歳児にオススメ! おでかけにピッタリな絵本
◆『新装改訂版 どんどんキップ』
作・絵/ミノオカ・リョウスケ 1,320円 鈴木出版
《あらすじ》
ある日、駅長さんから届いたキップを持って、さあ、しゅっぱ―つ! 「どんどんいくよ、どんどんキップ」。踏切を通過したり小さな駅に着いたり。橋を渡って…帰りはまたまたキップを持って「ちゃーんとキップ」で帰ります。
《オススメポイント》
電車に乗る楽しみのひとつに「キップを持つ」ことがあります。キップを持っていることは、目的地まで行ける楽しみが約束されているようなもの。絵本の中でお子さんといっしょに小さな旅に出かけましょう。
◆『おべんとう』
作/小西英子 990円 福音館書店
《あらすじ》
からっぽのお弁当箱に、ほかほかのごはんや、いい色に焼けた卵焼き、みんなが大好きなタコさんウインナーなど、いろいろなおかずが詰められていきます。どれもジュージュー湯気があがっておいしそう。全部詰めたらフタをして、布に包んでおべんとうの出来上がり。
《オススメポイント》
「ちょっと味見」なんて、お子さんと食べるまねもしてください。そして、実際に冷蔵庫の中にあるもので、おべんとうを作って出かけてみてはいかがでしょう。手のこんだものでなくてOK。身近なおかずのおべんとうであることが大切なのです。近くの公園や河原にピクニックに行ったら「早くおべんとうにしようよ!」なんていう声も聞こえてきそうです。
◆『たろうのおでかけ』
作/村山桂子 絵/堀内誠一 990円 福音館書店
《あらすじ》
たろうはおかあさんの作ったアイスクリームとお花を持って、友だちのまみちゃんの家に向かいます。早く行きたくて、走りたくてたまりません。たろうが走ろうとすると、一緒にお出かけしている猫やアヒルが「だめだめ!」と引き留めてくれます。車がたくさん通る道を渡ろうとする場面にハラハラドキドキ。まみちゃんも、お家の外へ出て、たろうが来るのを待っています。
《オススメポイント》
鮮やかな色彩とともに、たろうや動物たちの表情が豊かに描かれています。じっくり見せながら読みましょう。お出かけのルールは楽しくおさらいを。お話の途中で「どう思う?」などと聞いたり、危ないところを指で示したりしないようにしましょう。
専門家イチオシ 今週の大人にオススメの絵本
◆『やまとうみのゼリー』
著/井上コトリ 1,430円 小学館
《あらすじ》
「やまとうみのゼリーのお店」の店主は、タコのタコヤマさん。海の海藻と山のミントやレモンを使って作るゼリーは、色とりどりでどれもプルンとおいしそう。仲間の動物たちもタコヤマさんが作るゼリーをとても楽しみにしています。
《オススメポイント》
海にいるタコが山のてっぺんでゼリーを作っているって想像できますか?「なぜタコなの?」などなど、突っ込みどころはありますが…すみれのゼリーってどんな味? ミントの森を歩いてみたい! と物語の世界にはまってしまいそう。子どもは絵本の意味を追究せず、ただ楽しみます。そんな楽しさを感じてみてくださいね。
次回は4~6歳児にオススメ! おでかけにぴったりな絵本のご紹介です。お楽しみに!
この記事の監修・執筆者
幼稚園、保育園、書店での勤務経験を経て、絵本専門士を取得。2018年10月に東京都世田谷区に「えほんのみせ ぱっきゃまらーど」をオープン。https://twitter.com/pascamarade_y
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