【夏に読みたい!】絵本や図鑑の楽しみ方&オススメの4冊[専門家監修]

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夏の楽しみといえば、夏祭りや花火大会、海水浴や登山、自然観察など、アウトドアのイベントが多いですね。
夏のイベントをもっと楽しくするためにオススメなのが、インドアでできる“読み聞かせ”です。

絵本や図鑑を通して、夏ならではの行事や自然などについての知識が深まると、お子さんの興味関心はどんどん広がります。イベントやお出かけも、もっと楽しめるようになりますよ!」と話してくださったのは、幼稚園・小学校での教諭経験もある千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生です。
夏の絵本の楽しみ方と、オススメの本を教えていただきました。

なかなか見られないものをじっくり

夏の植物や虫の知識を深めよう

夏に花が咲く植物といえば、代表的なのはアサガオですね。
咲いた花を『きれいだね』といっしょに見るだけではなく、もう一歩踏み込んでみましょう。絵本や図鑑を活用すれば、アサガオの春の芽生えにさかのぼったり、秋には実が熟して種ができることを知ったりと、生長の過程を見通して目の前のアサガオと出会えます。
お子さんが興味を持ったら、種を取るところまでいっしょに観察してみましょう。

また、身近な夏の虫といえば、セミが思い浮かびます。
でも、成虫になって鳴くセミは知っていても、羽化するところはあまり見たことがないでしょう。
お子さんがセミに興味を持ったら、絵本や図鑑で羽化するところを見てみてください。ずっと茶色いと思っていたセミが、羽化したては真白だなんて驚きですよね。
さらにセミの抜け殻を探し、羽化の際に割れた背中の部分を観察するなど、絵本や図鑑で得た知識と実際の観察を合わせれば、お子さんの興味関心はどんどん広がっていくことでしょう」

太陽の姿も、本でなら見られる!

普段は見られないものを、じっくり見られるのも絵本や図鑑のいいところです。
日差しが強い夏には、『太陽はどうなっているんだろう』という疑問を持つお子さんも多いでしょう。
太陽を直接見ることは危険なので、絶対にやってはいけませんが、絵本や図鑑なら太陽の姿をしっかりと捉えることができます。また、図鑑で『なぜ夏は暑いのか』などを調べれば、自由研究にもなりますね」

夏の行事で新たな気づきを

七夕に宇宙へ思いをはせる

「七夕のお話の舞台は、天の川です。1年に1度だけ、織姫さまと彦星さまが天の川を渡って会える日ですが、雨が降ると渡れません。
織姫さまに見立てられるのはこと座のベガで、彦星さまはわし座のアルタイルです。どちらも1等星で、日本では7月上旬から9月上旬くらいまで観察できます。
七夕に空を見上げ、こと座のベガやわし座のアルタイルを探せば、お子さんの中で物語と天体がつながり、新たな気づきが生まれるかもしれません

終戦記念日に平和について話そう

「8月15日は終戦記念日です。お子さんの年齢に合わせた『平和や戦争についての本』を読めば、今ある日常が当たり前ではないと感じることができるでしょう。
世界には、今現在も戦争や紛争が起こっている国と地域があること、日本もかつて戦争をしていたことを知り、かけがえのない平和について考えてみてほしいと思います」

夏を味わうオススメの絵本4冊

夏の景色の中にぐっと引き込まれるような絵本や、夏ならではの植物の絵本、不思議な海の生き物の図鑑を紹介します。
暑くて出かけられない場合でも、本があれば親子で夏を思いっきり楽しめますよ!」

『なつのいちにち』

偕成社 作/はたこうしろう

「とても暑い夏の日に、男の子がクワガタムシがいる山をめざして、自然の中を走りに走るというお話の絵本です。
麦わら帽子をかぶって虫取り網を持った男の子の躍動感あふれる姿に引き込まれ、その息遣いが聞こえるような、夏の匂いがしてくるような気分が味わえます

『はっけんずかんプラス 深海の生き物 まどあきしかけ』

学研プラス 絵 /小堀文彦 監修/本村浩之

「幻想的に光ったり、頭部だけ透明だったり、釣りのように“えもの”をおびきよせたりと、不思議な深海の生き物がたくさん紹介されています。
まどあきしかけは、一つひとつが深海の生き物についてのクイズになっているので、生き物の生態への興味が増し、理解が深まります

『あさがお』

金の星社 文・絵/荒井真紀

「小さな種に宿る小さな生命を感じられる絵本です。美しい写実的な絵により、あさがおの成長が手に取るようにわかります。
葉の質感も、ねじれているつぼみの様子も、本物以上に見る者に迫ってきます。自然のパワーを感じる一冊です

『たいようがわらってる』

学研プラス 作/川平慈英 絵/ミロコマチコ

「沖縄が舞台の絵本です。作者の少年時代の親友との大切な思い出が、美しい自然とともに、パワーあふれるカラフルな絵で描かれています。
ハイビスカス、シーサー、サトウキビ畑など、沖縄ならではの色鮮やかな世界を楽しめます」

親子で夏の読書を楽しんでくださいね!

この記事の監修・執筆者

千葉経済大学短期大学部こども学科 教授 横山 洋子

富山大学教育学部附属幼稚園・教諭、富山市立古里小学校、富山市立鵜坂小学校・教諭を経て、現在は千葉経済大学短期大学部こども学科の教授を務める。著書には、『保育者のためのお仕事マナーBOOK』、『保育に生かせる!年中行事・園行事ことばかけの本』、『毎日のちょこっとあそび』(学研)などがある。

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