役員活動について 幼稚園生活で知っておきたいこと 第2回 

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幼稚園生活での心配ごとのひとつに、役員活動やボランティア活動があります。多くのママは「できれば逃れたい」というのがホンネではないでしょうか。とはいえ、円滑な園生活のためには、まったくかかわらないわけにはいきません。そこで今回は、役員活動に関して、幼児教育ジャーナリストの西東桂子先生にアドバイスをいただきました。

目次

役員活動のメリットとデメリットは?

役員活動といっても、面倒なことばかりではありません。「これも経験」と思って前向きに取り組むと「やってよかった」と思うこともたくさんあるのではないでしょうか。要はとらえ方次第なのです。では、一般的な役員活動のメリットとデメリットをピックアップしてみましょう。案外、メリットのほうが多いことがわかりますよ。

<メリット>

・(園に出向くことが増えて)園の教育方針・運営方針がよくわかるようになる。

・(担任との接触が増えて)担任の先生の人柄がよくわかるようになる。

・家庭とは違う、園でのわが子の様子やクラスの活動を直接目にすることができる。

・学年や地域の異なる保護者と知り合うことができ、視野が広がる

・さまざまなタイプの保護者をまとめていくことで、コミュニケーションスキルが上がるなど自分磨きにつながる。

・(役員同士で)気の合う保護者仲間を見つけやすくなる。

・達成感や苦労を共有することで生涯の友を得るチャンスとなる。

<デメリット>

・ある程度、時間を取られる

・(手芸や文書づくりなど)苦手な分野に挑戦せざるを得ないことがある。(しかし結果的に苦手意識がなくなりメリットだったと感じる人もいる)

・意見の異なる保護者や、先生と保護者の間に立たなければならないことがある。

・会合のあと、お茶(ランチ)しようとなる場合があり、出費が増える可能性がある。(毎回つき合う必要はない)

役員活動をするときの、4つのポイント

いろいろなメリット・デメリットを把握したうえで「思いきってやってみよう!」と役員に立候補することを決めた際は、気持ちよく役員活動をするためのポイントを参考にしてください。

ポイント1 役員がほかの保護者より上位にいるわけではないことを自覚する

積極的に役員を引き受けたからといって、ほかの保護者よりえらいわけではありません。お願いごとをするときや、意見を言うときは高圧的にならないよう、心がけましょう。

ポイント2 自分の考えを押しつけない

わが子のクラスを、よりよいものにしたい気持ちから、自分の考えを通したくなることもあるかも。しかし、ほかの保護者も思いは同じです。人の意見に耳を傾け、冷静な判断ができるように心がけましょう。

ポイント3 やむなく引き受けたとしても、責任をもって一生懸命やる

たとえ、「ほかにやる人がいなくて、しかたなく…」という事情があったとしても、引き受けたからには、責任が伴います。「仕事」として、きちんと最後までやりとげましょう。

ポイント4 ほかの保護者の事情に配慮する

同じ役員やクラスの保護者の中には協力的でない方もいることでしょう。ただ、その方なりの事情があるかもしれません。たとえば「なにか困っていること、ありますか?」と聞くなど、相手の事情にも配慮を。

「どうしても役員をやりたくない!」「できない!」が許されることもある? 

とはいえ「どうしても、できない!」という場合もあります。たとえば、家族に介護を必要とする人がいる、本人が持病を抱えている、妊娠している、といった場合など。「今年はどうしても無理だけど、来年以降は考えたい」という場合もあるので、お互いの事情を尊重しながら役員決めをしたいですね。

また、上記の理由で役員を免除してもらった人、たまたま役員にならなかった人のどちらも、「小さなことでも、何か自分にできることがあれば協力しよう」という気持ちを伝えることが大切です。

一方で、役員を回避するために「とにかくやりたくない」と言ったり、「今年、妊娠する予定なので」「小学校受験をするので」といった自己都合ととらえられる理由をあげるのは、反感を買ってしまうので要注意です。

【まとめ】役員活動にまつわる5つのポイント

子どもと一緒に充実した園生活を送るためには避けて通れない役員決め。最後に、役員活動にまつわるポイントを整理しましょう。

1)役員が率先して活動することでほかの保護者もついてきてくれることが多い。

2)ひとりですべて背負わず、それぞれの力を活かすつもりでやるとよい。

3)子育て中は突発的なことが起こりやすいので、担当する仕事は早めに取り組む。

4)事情があって急に役割を果たせなくなった人を責めず、「お互いさま」の精神でフォローし合う。

5)「保護者活動は園生活を送る子どもの育ちをサポートするためのもの」という原則を忘れず、迷ったらここに立ち返る。

せっかくの園生活ですから、役員活動も楽しむつもりで、前向きに取り組んでいきましょう。次回は最終回「子どもはどう成長していく?」です。

この記事の監修・執筆者

幼児教育ジャーナリスト 西東 桂子

幼児教育ジャーナリスト・元育児情報月刊誌編集長。著書に『まるわかり幼稚園ライフ』(ポット出版)、『ママ友の距離感』(青春出版社)など。

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