【逆さ言葉で学力向上!?】子どものワーキングメモリの鍛え方

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ワーキングメモリという言葉をご存じですか? 行動や学習に必要な複数の情報を、頭の中に一時的に留めながら処理する能力のことを言います。親子でできる言葉遊びで、お子さんのワーキングメモリを鍛えてみませんか? 教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

外国語のような会話

ある家庭で次のような会話をしています。
意味がわかりますか?

「とこるやのたっや?」
「はくぼにきさがかいすいたべた」
「がとこるやよらかてっわお」

外国語のような感じで意味がわかりませんよね。
わかりやすいように、文節で区切って書くとこうなります。

「とこるや のたっや?」
「はくぼ にきさ がかいす いたべた」
「がとこるや らかてっわお」

逆さ言葉でワーキングメモリが鍛えられる

答えは次のような会話です。

「やること やったの?」
「ぼくは さきに すいかが たべたい」
「やることが おわってから」

つまり、これは逆さ言葉による会話です。

みなさんも、子どもの頃に自分の名前くらいは逆さ言葉で言ったことがあると思います。「らかち のやお」「うろちい きずす」などです。

この逆さ言葉が、実はワーキングメモリを鍛えるために効果的だということが脳科学によって明らかにされました。

ワーキングメモリとは、行動や学習に必要な複数の情報を、頭の中に一時的に留めながら処理する能力のことです。

会話、作業、読み書き、計算など、日常生活の行動や学習の全てにおいて欠くことのできない能力であり、この能力が高いほど複雑で高度な思考や行動が可能になります。

言い換えると知的レベルが上がるということであり、当然ながら学力も上がります。

【ワーキングメモリ】についてはこちらの記事も

逆さ言葉クイズ

逆さ言葉を言うためには、はじめ頭の中にもとの文章を考え、その記憶を一時的に留めながら逆さにしていかなければなりません。

そのときに、ワーキングメモリを使うのでその力が鍛えられるのです。

ということで、ぜひ親子で逆さ言葉遊びをやってみるといいと思います。
最初は単語や名前などの簡単なものから始めます。

例えば、親が「テレビ」と言ったら子どもが「びれて」と答えます。
その逆でもできます。

あるいは、ママが「つぴんえ」と言ったら、パパと子どもが「えんぴつ」と答えます。
はやく言えた方が勝ちです。
名づけて「逆さ言葉クイズ」「逆さ言葉競争」です。

リモコンは「んこもり」になり、「うんこもり」と聞こえるので子どもは喜びます。

逆さ言葉で会話

慣れてきたら会話にも挑戦します。

まずは会話の一部の単語だけを逆さ言葉にします。

「びれて を つけて」「なは に みずを あげて」という感じです。

次の段階は文節ごとに逆さ言葉にします。

「をびれて てけつ」「になは をずみ てげあ」です。
この文章の冒頭にある親子の会話はこれに当たります。

その次の最終段階は全体を全て逆さにします。

「てけつ をびれて」「てげあ をずみ になは」です。

ここまでくるとかなり難しいので、そうとう頭を使います。
その分だけワーキングメモリが鍛えられます。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。X、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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