子どもの頃、算数は好きでしたか? 嫌いでしたか?
苦手だった方も多いのではないでしょうか?
今でも、小学生が嫌い・苦手な教科No1は、算数です。
監修:横山 洋子 千葉経済大学短期大学部こども学科教授
イラスト:YUU
嫌いな教科
でも、好きな教科No1も算数なのです。
好きな教科
算数は、生活や、いろいろな分野の学問にも通じる大切な教科なので、得意になってほしいのが親心。せっかくなら、「楽しい!」 と思いながら、学んでいってほしいですよね。
では、算数が好きになるのには、どうすればよいのでしょうか?
そこで今回は、家庭でできる、数への興味・関心を自然と高める考え方や、生活のなかでできる遊びについて、横山洋子先生にお聞きしました。
算数の理解度をチェックできる、「算数検定」も合わせてご紹介します。
実は幼児期も大事!「数・形」の認識
お子さんが小学校に入学する時に、どの程度、数や形を理解していればよいのか、気になりますよね。
就学までに身につけたい数、形の認識は、7つ!
①1~10までの数字が読める
時計や日付など、生活のさまざまな場面で登場します。
時計の場合、何時何分と読めなくても大丈夫! 時計には長い針と短い針があり、1~10までと、1と1(11)、1と2(12)があることがわかればOK! 「長い針が1で、短い針が8のところ」という風です。
針は数字にぴったりでなくても、8と9の間で8に近い、というような表現ができるとよいですね。
②1~10までの数を数えられる
大きな数も、基本は10のまとまりなので、まずは、1から10までの数の認識が大切です。色紙やキャンディーなど、「1つ」がわかりやすい物を数えてみましょう。
③座標(○から何番目など)がわかる
上から2番目、左から4番目と、数えられることで、列や棚の位置がわかります。
ランドセルをしまう場所を把握するのにも、役立ちますね。
④均等に分けられる
「5枚の皿に、クッキーを3枚ずつ」と、お菓子などの数や量を等しく分けられるとよいでしょう。かけ算や割り算の根底になる考え方です。
⑤積み木遊びを楽しむ
「三角と三角をくっつけると四角になる」などと、遊びのなかで実体験に基づき、形を理解していきます。組み合わさった複雑な形も、“積み木を頭の中でイメージして考える”ことができ、空間把握能力も育ちます。
⑥5までのかたまりが、見てわかる
子どもが目で見て把握できる数は、大体、年齢と同じといわれています。
「1と4」「2と3」など、5のかたまりとしてパッとわかると、数えるのがグッと楽になります。
⑦指は5本あると知っていて、物と1対1で対応させられる
指の数の「1」と、物の「1」が同じとわかっていれば、指と物を1つずつ対応させて数えることができますね。
「5」は数の区切りとして捉えやすいため、便利です。
家庭でできる、数・形の学びを深められる遊び
遊びを通して、数や形に触れられる機会を取り入れましょう。実際に経験することで、身体感覚として、身につきます。
抽象的ではなく、具体的な物事として、きちんと理解していくことができるのです。
そこで、家庭でできる、遊びや学び方を紹介します。
生活のなかでの図形探し
家や散歩先で、丸、三角、四角などテーマを決めて、その形の物を探します。親子で1つずつ交互に言い合って、楽しみましょう。
スリッパや靴をそろえる
セット=対になっていることがわかります。数も数えつつ、お手伝いもしてもらえますね!
階段の段数を数える
「1、2、3、」と数えながら上ったら、下りは「10、9、8…」と逆から。一段ずつきちんと数えるので、踏み外す心配もありません。
箸、皿を並べる、下げる
毎日のお手伝いとして、家族の人数と同じ数だけ用意すること、同じ種類の皿を重ねることをしてもらいましょう。数とともに、“同じ種類”分けができるようになってきます。
ペットボトルから、3つのコップに注ぎ分ける
均等に分けることを体験します。
同じ量になるように、少しずつ注いだり、コップを横から見て水面の高さを比べたりする子もいるかもしれません。「量感」を身につけることにもつながります。
砂時計で時間を見る
ペットボトル2個を用意し、片方に米などを入れます。ペットボトルの口同士を貼り合わせたら、砂時計のできあがり!
ひっくり返してザザザ…という音を耳で聞き、落ちる様子を目で見て、五感を使って、時間を体感します。
卵パックに何個入っている?
卵パックとスーパーボール10個(丸めたティッシュでもOK)を用意し、卵パックに一列(5個)と、もう一列にいくつか入れます。
子どもにパッと見せたら隠します。「さて、何個入っていたでしょうか?」
これは、5のかたまりが見て分かることで、“5個と、いくつ入っていたかな”と考えることができます。“2個だけ空いていたから、8個だな”などと認識することもできます。
他にも、数え歌や、サイコロを使うすごろく遊び、トランプなど、身近な物を工夫して遊ぶことで、数や形の概念が身についてくるでしょう。
生活のなかで、数や形に親しむことで、親子で算数に触れるきっかけとなるとよいですね!
実力試し! 幼児からできる算数検定って?
生活の中でしっかりと培った概念の理解を測るための、「算数検定」をご紹介! 興味のある方は、チャレンジしてみるのもよいかもしれません。
算数検定は、漢検(日本漢字能力検定)の算数版のイメージ。
実用数学技能検定は、数学・算数の実用的な技能を測る検定として、年間35万人以上の方が受験しています。
1級から、準1級と準2級を含む、11級までと、「かず・かたち検定」のゴールドスター、シルバースターの、合わせて15の階級があります。6級(小6程度)から11級(小1程度)、「かず・かたち検定(幼児)」が算数領域で、通称「算数検定」と呼ばれています。
就学前の幼児向けの「かず・かたち検定」は、自宅受検(受検者の自宅に検定問題が届く)で実施され、2019年度は10月27日(日)がラストチャンス。9月18日(水)が締め切り日です。申し込み方法は、インターネット、書店、郵送、コンビニの4つ。
検定料は、ゴールドスター、シルバースターともに、1,700円。
制限時間40分、15問のうち10問正解で合格です。
詳細は、算数検定のサイトでチェック!
https://www.su-gaku.net/suken/lp/lp1.php
過去問対策として『学研の頭脳開発 4~6歳 かず かたち すいり』(学研プラス)も人気です。とじこみ教材として過去問1回分がついているので、この1冊で「かず・かたち検定」ゴールドスターの対策ができます!
もっと知りたい方はこちら
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参考サイト 算数検定(https://www.su-gaku.net/suken/lp/lp1.php)
この記事の監修・執筆者
富山大学教育学部附属幼稚園・教諭、富山市立古里小学校、富山市立鵜坂小学校・教諭を経て、現在は千葉経済大学短期大学部こども学科の教授を務める。著書には、『保育者のためのお仕事マナーBOOK』、『保育に生かせる!年中行事・園行事ことばかけの本』、『毎日のちょこっとあそび』(学研)などがある。
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