【情報モラル教育】低学年から教えておこう

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小学校でもPCやタブレットなどの配布が始まり、情報端末を1人1台持つ教育環境になりつつあります。
これからの情報社会を生きていく子どもたちにとって、インターネットの使用は必要不可欠です。
ネットのトラブルに巻き込まれないためにも、小学校低学年のうちから学んでおきたい情報モラル。家庭ではどのようなことを教えたらよいのでしょうか。

文/マムズラボ

目次

「情報モラル教育」って何?

情報モラルとは、「情報社会の中で上手に生きていくために必要な考え方や態度」のことです。
インターネットを使用する際に、人に迷惑をかけたり、自分が危険な目に遭わないようにしたりするための、ルールやマナーとも言えます。
小学生の間でも、SNSに悪口を書き込まれるなど、さまざまなネットトラブルが起きています。「知らなかった」では済まされないため、お子さんがインターネットを使用する前に、おうちのかたも一緒に学んでほしい大切な知識です。

いつから始めればよいの?

文部科学省の取り組みとしては、小学校低学年から段階的に情報モラル教育の指導が行われています。
しかし、まだ情報モラル教育を十分に受けていない年齢のお子さんでも、学習のためにインターネットで検索をしたり、オンラインゲームをしたり、また動画を見たりと、日常生活にインターネットが浸透しているご家庭がほとんどでしょう。
1年生からタブレットを配布している小学校もあるため、小学校入学前から必要に応じて情報モラルを身につけておく必要があります。

どんなことを教えればよいの?

文部科学省が設定している情報モラル指導カリキュラムチェックリストの事項のうち、小学校低学年に向けたものは、次のような内容です。

・約束や決まりを守る

・人の作ったものを大切にする心をもつ

・生活の中でのルールやマナーを知る

・大人といっしょに使い、危険に近づかない

・不適切な情報に出合わない環境で使用する

・知らない人に連絡先を教えない

・決められた利用の時間や約束を守る

文部科学省 国立教育政策研究所「情報モラル教育 実践ガイダンス~すべての小・中学校で、すべての先生が指導するために~ 情報モラル指導カリキュラムチェックリスト」
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/jouhoumoral/guidance.pdf

これらはインターネットだけでなく、日常生活でも守っていきたいことばかりです。
まずは、対面でのコミュニケーションでも、相手を思いやる気持ちを大切にする心を育てましょう。
そして、インターネットでも同じように、相手を尊重しないといけないことを伝えましょう。顔が見えないツールだからこそ、いつも以上に気を配る必要があります。インターネットは世界中につながっており、その先には人がいることをお子さんがしっかり認識できるよう、周りの大人が伝えたいものです。

SNSの危険性を認識する

小学校低学年でも、SNSの利用は広がっています。SNSは、たとえ仲間内だけに発信したつもりの情報でも、あっという間に拡散してたくさんの人に見られる可能性があるということを知っておかなければなりません。

そして、ネット上に書き込んだ情報は一度広まってしまうと、自分の端末で書き込みを消去してもネット上から完全に消すことはできません。
自分の何気ない書き込みが世界につながるのが「インターネット」であることを、お子さんに教えてあげてください。

人の悪口やウソ、他の人を攻撃するような内容などは絶対に書き込まない約束をしましょう。また、オンラインゲームやSNSで知り合った人には、名前や住所、電話番号などの個人情報を決して伝えてはいけないことを教えることも必要です。

インターネットの情報をすべて信じない

インターネットの情報は正しいものだけではなく、誤った情報もあることを教えてあげる必要があるでしょう。
編集部員の5年生の息子はインターネットで発信されていた「昆虫は地球外生物の生き残りらしい」という説を信じかけていました。お子さんによってさまざまでしょうか、我が家は高学年になっても、このような状態です。まだ知識や経験にとぼしい低学年のお子さんであれば、なおさら注意が必要と言えます。

わからないことがあればすぐ大人に相談する

ネットトラブルを避けるためにも、インターネットを使用している時に、見たことのない不審な画面が表示されたら、すぐにおうちのかたに相談することも約束させましょう。

お子さんをネットトラブルから守るために

お子さんをネットトラブルから守るために、まずは、おうちのかたが情報モラルを守り、お子さんの手本となるようなインターネットの使用を心がけましょう。

お子さんをインターネットのトラブルから守るために、おうちのかたができる方法を下記に紹介します。

フィルタリングサービスを利用する

フィルタリングとは、子どもが安心してインターネットを利用できるように、有害なサイトなどを排除するサービスです。
年齢やご家庭のルールに合わせて、排除するサイトが選べます。
ただ、インターネットから遠ざけるだけでは解決できない問題があり、上手に活用していかなければ情報社会で生活するのが難しくなります。
成長とともに、使用のルールをお子さんといっしょに相談しながら、見直していきましょう。

相談窓口を活用する

家庭で対応できないようなトラブルが発生したら、相談窓口を活用しましょう。

総務省支援事業による「違法・有害情報相談センター」では、インターネット上の書き込み等のトラブルについて適切に対応するためのアドバイスや関連の情報提供を行っています。相談は無料で受け付けています。

情報モラルについて、親子で学ぶ

文部科学省が発信している「情報モラル学習サイト」というホームページがあります。
これは、ゲームをしながら情報モラルについて楽しく学習できるサイトです。
それぞれの目的に合わせて、いろいろな問題にチャレンジできるので、保護者のかたもお子さんといっしょに学ぶことができます。

情報端末の使い方を学ぶ

学校で配布されたタブレットを上手に活用するために気をつけるべきことをいっしょに確かめましょう。
たとえば、パスワードは友だちにも秘密にするという情報セキュリティの基本的な考え方を学びます。

インターネットの使い方を学ぶ

インターネットはタブレットやパソコンだけではなく、ゲーム機からも接続できます。
保護者の知らないうちに、誰かと通信でやり取りをしている可能性も。
インターネット上に個人情報を入力したり、写真を撮って送信したりすることのないように教えましょう。

うまく付き合っていけると、無限の可能性が広がるインターネットの世界。
便利なツールであるものの、危険なこともあるということを知り、お子さんといっしょに話し合ってみましょう。

<参照>
文部科学省「情報モラル教育の充実等 情報モラル学習サイト」 https://www.mext.go.jp/moral/#/
総務省支援事業「違法・有害情報相談センター」https://ihaho.jp/
総務省「上手にネットと付き合おう!~安心・安全なインターネット利用ガイド~」 https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/

この記事の監修・執筆者

スモール脳力研究所 所長 福井俊保

大学院で研究するかたわら、中学受験の指導を始める。指導歴は約20年。現在はプログラミング教室スモールトレインで代表として、プログラミングの指導と中学受験の指導をしている。
著書に「エラーする力──AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育」(自由国民社)がある。https://www.smalltrain.com/

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