3~5歳くらいのお子さんは、「なんで?」「どうして?」と聞いてくる「なんでちゃん」です。一つ答えるとその答えにさらに「なんで?」と聞いてくることも。
疑問の答えを調べることはできても、それを小さい子にわかるように言い換えるのは案外難しいことですね。ここでは、りんごちゃんが小さい子にわかりやすいことばで、季節のトピックにおこたえしていきます。
参考文献:野本寛一 編 筒江薫・谷阪智佳子・岩城こよみ 文『日本の心を伝える 年中行事事典』(岩崎書店)/山㟢泰正 監修『えほん百科 ぎょうじのゆらい』(講談社)/新谷尚紀 監修『ポプラディア情報館 年中行事』(ポプラ社)/かこさとし 文・絵『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 9月のまき』(小峰書店)/長谷川康男 監修『季節を知る・遊ぶ・感じる 9月のえほん』(PHP研究所)/武田澄子 監修『季節と行事のかるた』(学研)
(り)すすきと、秋のくだものと…わすれちゃいけない、月見だんご!
(な)ねえ、りんごちゃん。なんでお月見におだんごをおそなえするの?
(り)それはね…
秋には、お米やおいも、くだものがたくさんとれるでしょう?
お月さまに、たくさん食べ物がとれたことの、おれいをしているんだよ。
昔は、月のかたちを見て、いつたねをまくかとか、いつごろ食べ物をとったらいいか、とかを決めていたんだ。
(な)ふうん。「おいしいものがとれるのは、月のおかげ」ってこと?
(り)そのとおり!
だから、秋のきれいなお月さまに、とれたお米でおだんごを作っておそなえしたんだって。おだんごのほかに、おいもやくだものなども、いっしょにそなえるよ。
(な)へえ、そうなんだ。じゃあ、おれいをいおうっと。
お月さま~!おいしいものいっぱい、ありがとう~~~!
それから~
おだんご、もらっていいですか~~~~~?
(り)………もう少しお月さまを見てからね。
もっとしりたい?
* 十五夜はもとは月齢十五日をさす言葉なので、旧暦では毎月十五夜があります。
しかしふつう「十五夜」というと、「八月の十五夜」(旧暦8月15日)をさします。昔から、とくにこの日の月が美しいとされてきました。
* 現在の暦に直すと、毎年日付が変わります。
【2021年】十五夜:9月21日(火)、十三夜:10月18日(月)
* 月見だんごの多くは丸いですが、関西には、さといも型のだんごの外側に、あんをまくものがあります。
さといものこいもを、皮付きのままゆでた「きぬかつぎ」という料理に似せたとか、だんごを月に、あんを雲に見立てたとか、いろいろな説があります。
* 静岡では、「へそもち」とよばれる、丸めただんごの中央をくぼませたものが供えられます。
月見は米の豊作祝いもかねているので、稲が水を受けるように、だんごにくぼみをつけたといわれています。
* 月見だんごの数は、十五夜にちなんで15または、一年の月の数12など地域により異なります。
月見だんご15個を積む場合、一番上の段は何個?
……答えは「2個」
絵などを見て、なんとなく1個だと思っていた人が多いのではないでしょうか。
月に対して2個のだんごが、縦に並ぶようにお供えするのがふつうです。
向こうに月が見えるように、月見だんごを真横から見ると…2個のお団子が重なって1個に見える、というわけです。
(り)なんでちゃん、十五夜は 「いも名月」 ってよばれているんだ。
(な)ふふっ!なんだかおいしそうな名前だね!
(り)おいもがとれるころのきれいな月、って意味だよ。
ちなみに、もうすこしあとに 「くり名月」(※) もあるよ。
(な)それは「くりがひろえるころのきれいな月」だね!
(り)だいせいかーい!
いも名月=十五夜(じゅうごや)
くり名月=十三夜(じゅうさんや)
どちらの月もとってもきれいだから、りょうほういっしょに見ようね!
(な)うん! 月見だんごと、おいもとくりの用意も、わすれないでね!
※旧暦9月13日 十三夜の月を指す言葉。栗名月のほか、豆名月ともいわれます。
メモ
【今年・来年のお月見】毎年変わる、お月見の日がわかるよ【何月何日?】
十五夜はいつ?→(国立天文台 暦計算室)
十三夜はいつ?→(暦と天文の雑学)
参考ホームページ(十五夜・十三夜日付参考):国立天文台 暦計算室 暦Wiki 中秋の名月とはhttps://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C3E6BDA9A4CECCBEB7EEA4C8A4CF.html
暦と天文の雑学 暦と年中行事 もう一つの名月・九月十三夜の月http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0711.htm
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