3~5歳くらいのお子さんは、「なんで?」「どうして?」と聞いてくる「なんでちゃん」です。一つ答えるとその答えにさらに「なんで?」と聞いてくることも。
疑問の答えを調べることはできても、それを小さい子にわかるように言い換えるのは案外難しいことですね。ここでは、りんごちゃんが小さい子にわかりやすいことばで、季節のトピックにおこたえしていきます。
参考文献:新藤由喜子『年中行事・記念日から引ける 子どもに伝えたい食育歳時記』(ぎょうせい)/清水洋美 著・横山洋子 監修『毎日の保育が面白くなる! きょうは何の日?366日』(世界文化社)/新谷 尚紀 監修『伝統行事がわかる図鑑 1 春のしきたり』(ポプラ社)/武田澄子 監修『季節と行事のかるた』(学研)
(な)わあ、さくらもちだ。
(り)春が近づくと、お店でたくさん見かけるね。
(な)ねえ、さくらもちのまわりにある葉っぱってなあに? なんでついてるの?
(り)それはね…
さくらの葉っぱを、塩につけたもので、葉っぱごと食べることができます。
よいかおりがして、塩あじが、あんこの甘さをひきたててくれます。
葉っぱが苦手な人は、はがして食べてもいいですよ。
もっとしりたい?
どの桜の葉っぱ?
塩漬けにするのは、オオシマザクラの若葉。お花見で多く見るソメイヨシノとは違う種類です。
ちなみに「桜の花の塩漬け」はまた違う種類の関山(セキヤマ/カンザン)という八重桜で、「さくらんぼ」はセイヨウミザクラなどの、実桜の果実です。
桜餅は2タイプ
長命寺(ちょうめいじ)
道明寺(どうみょうじ)
塩味が甘味をひきたてる
あんこをつくるときなど、砂糖だけでなくほんのちょっとだけ塩を加えることで、より甘さがひきたつと、昔から伝えられています。また、あまり甘くないすいかに、塩をちょっとふって食べるという人もいます。甘味を強く感じることができるそうです。
葉っぱをはずすのが正しいの?
- 2019年の春に、全国和菓子協会が「葉っぱをはずしたほうが、本来のお菓子の味が感じられる(桜の風味が感じられる)」とコメントしたことが話題になりました。
- 桜の葉っぱの塩漬けの独特な芳香成分である「クマリン」は、大量摂取すると肝臓障害を起こすといわれています。
このことから、「桜餅の葉っぱは食べてはいけない、食べないほうがよい」という誤解がありますが、桜餅の葉っぱに含まれる程度では、人体に害を及ぼすことはありません。 - お茶席などで桜餅が出される場合、黒文字(和菓子などを食べる楊枝)では葉っぱごとうまく切れないため、葉をはがして食べることがあるそうです。
- 桜の葉っぱの塩分が気になるから、はずして食べるというかたもいます。
結局、そのまま食べるか、はずして食べるかは、時と場合、そして好みによる、といえますね。
(り)なんでちゃん、葉っぱだけじゃなくて、さくらの花も塩づけにして食べられているよ。
(な)え、お花も? さくらって、きれいで、おいしくて、すごいねえ!
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