初めての【読書感想文】を徹底サポート! 楽しくスラスラ書くための6つのステップ

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初めての【読書感想文】を徹底サポート! 楽しくスラスラ書くための6つのステップ

この夏休み、自由研究と並んで、読書感想文に頭を悩ませるおうちの方も多いのではないでしょうか。
子どもに聞かれても、教え方や本の選び方がわからない…とお困りの声をよく耳にします。
そこで今回は、『スラスラ書ける 読書感想文』の監修者である上條晴夫先生に、読書感想文を書くための大切なポイントをうかがいました。
書き方のステップを踏んで、お子さんの表現力を引き出していきましょう。

監修/上條晴夫(東北福祉大学教育学部 教授)

目次

《ステップ1》 「楽しく読める本」を探す

感想文を書く前に、まずは、「本の選び方」が大切。
お子さんが、「最後まで楽しく読める本」を選べると、楽しく感想文を書くことができますよ。

以下のような視点でお子さんといっしょに本を選んでみましょう。

●お子さんの「好きな物」について書いてある
 お子さんの好きな物が題材になっていると、楽しく最後まで読むことができます。

●前に読んでおもしろかった
 これまでに読んだことのある本の中で好きな本を思い出し、もう一度読んでみるのもよいでしょう。あらためて読み直すことで、新しい発見があったり、前とは違った見方ができたりしますよ。

●身近な人がすすめてくれた
 本が好きな友だちや家族、学校の先生などにオススメの本を聞き、参考にするのもよいでしょう。

●お子さんと似ている人物が出てくる
 たとえば、「小学1年生の女の子」「動物が大好きな男の子」「同じくきょうだいがいる」などの共通点があると、登場人物に親近感をもって物語に入り込むことができます。

◆日ごろから読書記録をつけてみよう!

本を読むたびに、記録を残しておくと、感想文の選書にとても役立ちます。「なんの本を読んだのか」「だれが書いた本なのか」「ひと言感想」などをノートにメモしておくとよいでしょう。

《ステップ2》 「とくに書きたいこと」を見つけながら読む

「書きたいこと」を見つけながら読むために、「ふせん」を使うのがオススメ。
「本を読んでいて、気持ちが動いたところ」にふせんを貼るようにしてみましょう。
そのとき、思ったことを、短い言葉でメモしておくと、感想文を書くときの材料になります。

たとえば、「すごい!」「びっくり!」「どうして?」などのように、短く書いておきましょう。

ただし、ふせんは、貼りすぎてしまうと、書く内容をどれにするか迷ってしまいますし、1枚だけだと材料不足になってしまいます。以下のことに気をつけてふせんを貼ってみましょう。

◆ふせんを貼るときの注意!

  1. 貼っていいふせんは、4枚まで!
  2. 少なくとも2枚は貼りましょう。
  3. もっと貼りたいところが出てきたら、前に貼ったどれかをやめて、ふせんを貼り直しましょう。

《ステップ3》 「読書感想文のかたち」を知る

「はじめ・なか・おわり」の3つのまとまりで書こう!

「はじめ」

「本の説明」や「その本を読んだ理由」を書くまとまり

「なか」

「心に残った場面の説明」と「その場面で自分が思ったこと」を書くまとまり

「おわり」

本を最後まで読んで、「いちばん強く思ったこと」をまとめるまとまり

この3つのまとまりを意識して書くと、よく伝わる感想文にまとめることができます。
また、それぞれの文量は、14行の原稿用紙を2枚書くときの目安として、

●はじめ…6行
●なか…14行
●おわり…5行

くらいのバランスでまとめるとちょうどよいでしょう。

《ステップ4》 まずは中心となる「なか」をまとめる

まずは、感想文の中心になる「なか」の内容を考えます。そこで生きてくるのが、ステップ2で貼った「ふせん」。次の順序で文章を組み立てていきましょう。

1.ふせんを貼ったところを見直し、感想文に書きたいことを2つ選びます。

2.選んだ2つのうち、どちらを先に書くか順序を決めます。
 先に出てくるほう、強く心に残っている順、…などの決め方があります。順番が決まったら、ふせんに番号を書きとめておくとよいでしょう。

3.ふせんを貼ったところを文にします。
 「ふせんを貼ったところの説明」と、「自分が思ったことや考えたこと」を組み合わせて書くのがポイント。ふせんにメモした自分の気持ちを、詳しく書いていきましょう。
【例】
おもしろかったところは、○○が△△と言ったところです。
(⇒ふせんを貼ったところの説明)
ぼくは、どうして□□なのかなあとふしぎに思いました。
(⇒自分が思ったこと)

同じように、もうひとつのふせんを貼ったところも文にしていけば、「なか」の完成です。

◆「自分の気持ちを表わす言葉」をたくさんもっておこう!

「自分が思ったこと」を書くとき、自分の気持ちを表わす言葉をたくさん持っておくと、表現の幅がぐっと広がり、感想文に深みを出すことができます。

たとえば、「かなしい」という気持ちも違った表現ができます。
●かなしかったです。
●なみだが出てきました。
●むねが苦しくなりました。
●心がしめつけられたようでした。

日ごろから、言葉集めをしてみるのもよいでしょう。

《ステップ5》 「はじめ」には“本の説明”や“読んだ理由”を

感想文の書き出しは、どうしても悩んでしまうもの。でも、次の2つから書きたいものを選べば、スラスラと書けますよ。

【その1】本の説明

題名や本の内容を、人に教えてあげるつもりで書きます。以下のような切り口で書くとよいでしょう。

●題名を説明する
●どんな話か説明をする
●主人公や登場人物を説明する
●表紙を説明する

【その2】本を選んだ理由

どうしてこの本を選んだのかについて、書き出してもよいです。
たとえば、
●自分の好きな物について書いてあった
●題名や表紙が気に入った
●友だち・家族・先生などに教えてもらった
などのような切り口も考えられますね。

◆チャレンジしてみよう!

「お話の中に出てくる人物に呼びかける言葉」を使うテクニックもあります。

たとえば、
「○○、もし君と会えたら、わたしにも話を聞かせてね」
「○○はどんな気持ちだったの?」
といったように、文頭から書き出すことで、読み手をひきつける効果も期待されます。

「はじめ」だけでなく、「なか」や「おわり」にも使うことができます。慣れてきたら、試してみてもよいでしょう。

《ステップ6》思ったこと・考えたこと・これからしたいことを「おわり」に

「おわり」がきちんとまとまっていなければ尻切れトンボになってしまいます。
「なか」の内容を受けて、以下の切り口でまとめると、読み手に強く印象づけることができるでしょう。

●「いちばん強く思ったこと」や「深く心に残ったこと」
●「主人公と自分を比べて違うところ」や「似ているところ」などのわかったこと
●本を読んで「やりたいと思ったこと」や「新しくできた目標」

感想文の題名は、すべて書き終わってから考えるのがオススメ。自分が書いた文章に合った題名を考えてみましょう。

上條先生からのアドバイス

初めて感想文に挑戦するお子さんや、感想文を書くのが苦手なお子さんには、親御さんが話し相手になって子どもの感想(=子どもが本に貼った付箋紙についての考えや感情)を引き出してやるとよいでしょう。子どもはぐんと書きやすくなりますよ。

この6つのステップを試して、初めての感想文を楽しんで書いてみてくださいね。

この記事の監修・執筆者

東北福祉大学教育学部 教授 上條晴夫

小学校教師・児童ノンフィクション作家を経て、教育ライターとなり、現在、東北福祉大学教育学部の教授を務める。また、Webマガジン「リフレクションLab」代表として、多様な子どもたちに向けた教材開発、ワークショップ型授業の提案などさまざまな活動を行う。著者に『書けない子をなくす作文指導のコツとネタ』(学事出版)などがある。

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