(な)あ、かき氷のお店があるよ! シロップかけ放題だって! いろいろな色があってきれいだなあ。赤いのはいちご味かな?
(り)そうだね。でもこのいちご味のシロップには、実は、くだもののいちごは入っていない、って知ってた?
(な)え?いちごが入っていないのに、なんでいちご味がするのかな?
(り)それはね…赤い色と、いちごのにおいで、『これはいちごの味がする』って頭が考えちゃうからなんだ。なんでちゃんは、味を感じるのは体のどの部分か知ってる?
(な)甘いとか、しょっぱいとかの味? 舌でわかるよ?
(り)せいかい! でも実はそれだけじゃなくて、見た目とか、においとか、いろいろな情報がいっしょになって、頭の中で「これはこういう味」と決めているんだって。
メロン味やブルーハワイ味も、同じように色とにおいで、頭がそう決めているんだよ。
(な)へえ、そうだったんだ~。
もっと しりたい?
*舌で感じる味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)を数値化する味覚センサーで、いちご・メロン・ブルーハワイのシロップをそれぞれ測定したところ、3つとも同じ形のグラフになりました。(参考:味博士の研究所)味のバランスが一致した、ということは、3つのシロップは同じ味であるといえます。
*しかし、人が感じる味は、舌で感じる味に、見た目・におい・感触など、さまざまな情報が付加されたもの。それを脳が判断・判別しているといわれます。特に「におい」は味の判別に大きく影響を与えます。
味を決めるのは、口に入れる前に鼻でかぐにおいよりも、食べ物を口に入れてから喉から鼻へぬけるにおいです。(口中香、またはレトロネーザルといわれます)
風邪をひいて鼻がつまっているときなどに、食べものの味がわからなかったり、味が変わって感じたりするのは、食べているもののにおいの情報が、うまく脳に届いていないからです。
*いちご香料の情報が脳へ届き、「口にいれたものはいちご味」と脳が判断することで、果汁が入っていなくても「いちご味がする」と感じてしまうのです。
(な)ところで…青いシロップの「ブルーハワイ」ってなあに? ブルーハワイって名前のくだものかな?
(り)ブルーハワイは、もとは青い色のお酒をつかった、大人用ののみものの名前だよ。色がとってもきれいで、さわやかな感じが夏にぴったりだから、子どもがたべられるかき氷にアレンジしたんだね。
さわやかな青い色にあった味になるように、シロップをつくる会社がそれぞれ工夫しているんだよ。だから、ブルーハワイのシロップは、つくった会社によって味がちがうんだって。
(な)ラムネっぽいような、くだものっぽいような…??? 何味かはよくわからないけど、おいしいよね。
よーし! 今日はいちご&ブルーハワイのダブルで、かけちゃうぞー!!!
参考文献:とけいじ千絵 著『0〜5歳子どもの味覚の育て方』 (日東書院)/石井克枝 ジャック・ピュイゼ 坂井信之 田尻泉 著『ピュイゼ 子どものための味覚教育 食育入門編』(講談社)/ゴードン・M・シェファード 著『美味しさの脳科学 においが味わいを決めている』 (インターシフト)/武田澄子 監修『季節と行事のかるた』(学研)
参考ホームページ:AISSY株式会社 味博士の研究所