最近、AIということばを耳にする機会がふえましたが、「正直よくわからない」という方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、子育て中の保護者が知っておきたい、ChatGPTをはじめとするAIについての知識と付き合い方を解説します。
文/マムズラボ
AIとは
そもそも、AIとはなんなのでしょうか? まずは、AIについて解説します。
知能を持つプログラムのこと
AI(artificial intelligence:人工知能)は、コンピューターやソフトウェアに、まるで人間のような知能や思考能力を持たせたプログラムのことです。膨大なデータを高速に処理し、複雑な問題を解決したり、自動化を実現したりすることが可能になります。
AIにはさまざまな種類がある
AIにはさまざまな種類があります。
たとえば、スマートフォンのカメラなどで使われている画像認識、自動で動画に字幕をつける音声認識、スマートスピーカーやお掃除ロボット、自動運転車など、すでに実用化されて、私たちの暮らしに欠かせないものも少なくありません。
以下に私たちの生活に密着しているものをいくつかご紹介します。
種類 | 機能 |
画像認識 | スマートフォンのカメラなどで使われる顔認証、動物を見分けるアプリなど |
音声認識 | アレクサやSiri、Googleアシスタントなどのスマートデバイス |
異常検知 | セキュリティソフトによる詐欺サイトの検知、監視カメラの分析、クレジットカードの不正利用の検知など |
推薦システム | ショッピングサイトの商品推薦、動画サイトの動画推薦など |
そのほか | お掃除ロボット、自動運転システム、AIアナウンサーなど |
最近話題のChatGPTは対話型AIの一種
最近話題のChatGPTは、さまざまな種類のAIのなかでも「対話型」の「自然言語処理モデル」というものです。文章の内容を理解して適切な回答を生成することができる、読み書きができるプログラムのことを指します。
まるで人間のように質問に答えてくれるため、使っているとAIであることを忘れてしまいそうになりますが、ChatGPTはあくまで機械です。質問の解釈を誤ったり、最新情報が反映されていなかったりするなど、いつも正しい、というわけではありません。
また、人間のような価値観や倫理観がないため、ときに極端に偏った回答をしてくることもあります。そのため、AIが返してくる答えはあくまで「機械的な応答」としてとらえる必要があります。
関連記事:【ChatGPTって何?】小学1年生といっしょにChatGPTを使ってみた感想とメリット・デメリットをご紹介
AIを使うメリット
AIにはさまざまな種類がありますが、今いちばん身近で「AIらしい」と感じられるのはChatGPTなどの対話型AIかもしれません。では、この対話型AIを使うことで、子どもにどのようなメリットがあるのでしょうか。
学習サポートに使える
計算や漢字など、練習が必要な学習に役立ちます。
たとえば、「小学校2年生向けの計算ドリルを作ってください、問題数は5問です」などと指示をすると問題を作ってくれ、「答え合わせをしてください」と指示すると回答を表示してくれます。
「AIを使って勉強している」という特別感があるため、子どもも意欲的になってくれるかもしれません。
問題解決と思考力を育む
対話型AIは、こちらから何かを問いかけなければ何もはじまりません。AIに対して質問を投げかけることで、子どもたちは自分の考えを深めたり、自分なりの解決策を探求したりできます。
つまり、AIとの対話を通じて問題解決の方法や論理的思考を養えるのです。
文章作成と表現のトレーニングになる
対話型AIには文章で質問するので、文章を考える力が身につきます。自分の欲しい答えを得るためには、できるだけ詳しく、正確に表現をする必要があります。そのため、自然に表現力が磨かれるというメリットもあります。
外国語学習にも活用できる
対話型AIは多言語に対応しているため、外国語学習のサポートとして活用できます。子どもはもちろん、大人でもその人のレベルに合った文法や語彙の練習、会話の練習などができます。
AIのデメリット
いろいろと便利に使えそうなAIですが、メリットばかりではありません。対話型AIを使う上で注意しておきたい点をお伝えします。
偏った情報とバイアス
「なぜ?」と疑問に思ったとき、AIに質問すればある程度は解決できます。しかし、情報の正確性や信頼性には注意が必要です。
AIは機械なので正確だと思いがちですが、機械だからこそ正しいかどうかは人間が判断する必要があります。AIの提示する情報には偏りやバイアスがある可能性があることを忘れないことが肝心です。
人間との交流の減少
現在のところはまだ問題にはなっていませんが、将来さらにAIが高性能になっていくと、AIとばかり対話して、人間どうしの交流が減少してしまう可能性があるかもしれません。いくら面白くても、AIは人間のかわりになることはありません。
プライバシーやセキュリティのリスク
対話型AIがいくら信用できそうであっても、個人情報を書き込むのはリスクがあります。インターネットを子どもが使用するときは、必ず大人が見守りましょう。
AIで調べた文章を自分の意見にしない
対話型AIは「読み書きができる」ため、作文やレポートなどの宿題でついつい頼ってしまいがちです。アイデアを考えるときや、文字の間違いをさがすときなどに使うのはいいのですが、AIが出力した文章をそのまま自分のものとして提出するのは不正行為です。
AIとの生活において大切なのは自分の頭で考えること
今の子どもが大きくなるころにはAIと共存する社会がやってくるでしょう。AIと適切に付き合っていくためには、AIのメリットやデメリットを理解すること、自分の頭で考えるという姿勢が重要です。
便利なAIを使いつつ、「自分の頭で考える」ことも忘れないようにAIと付き合っていきましょう。
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