「最近、ウチの子がお昼寝をしたがらなくなった」と子どもの睡眠不足を心配するママパパの声をよく耳にします。たしかに、子どもの成長に十分な睡眠は欠かせませんが、「昼寝をしない=睡眠不足」というわけではありません。
本記事では、幼児のお昼寝についてママパパが知っておきたいことを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
文/マムズラボ
幼児のお昼寝はいつまで必要?
1、2歳の子どもに必要な睡眠時間は11時間から14時間程度だといわれています。夜に十分な睡眠時間が取れているご家庭であれば、お昼寝は必ずしも必要なものではありません。
2歳ごろまでは体の発達がまだ十分ではなく、夜まで起きている体力がないため、お昼寝をしたがる子どもが多いです。
3歳ごろになるとお昼寝をしたがる子どもは少しずつ減り、4、5歳ごろにはほとんどの子どもがお昼寝をしなくなります。「何歳までにお昼寝をやめる」という具体的な基準はなく、子どもがお昼寝をしたがらなくなったらやめる、と考えておくとよいでしょう。
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幼児がお昼寝するメリット
では、お昼寝にはどのようなメリットがあるのでしょうか? ここからは、幼児がお昼寝をすることのメリットをいくつかご紹介します。
体力の回復
まだ体力が十分についていない子どもや、午前中にたくさん運動をして体力を消耗した子どもにとって、お昼寝は体力を回復させるために必要な時間です。
ただし、お昼寝が長すぎると、夜の睡眠に影響が出る可能性もあるので、1~2時間ほど寝たら起こしてあげてもよいでしょう。
記憶力の持続
マサチューセッツ大学の研究チームは、3~6歳未満の未就学児40人を対象に、お昼寝をした子どもと、お昼寝をしなかった子どもとで記憶力に差があるかを実験しました。
その結果、昼寝をした場合の子どもの記憶力は昼寝前と比べて落ちることはありませんでしたが、昼寝をしなかった場合はスコアが平均して10%程低下してしまったとのこと(※1)。
このことから、幼児のお昼寝には記憶力を持続させる効果があることがわかっています。
免疫力の向上
睡眠中には「メラトニン」というホルモンが分泌され、細胞の免疫力が向上するといわれています。とくに幼児期はメラトニンが多く分泌されるといわれており、お昼寝をすることで風邪やインフルエンザの予防効果が期待できます。
情緒の安定
情緒の安定とお昼寝には深い関係があるといわれています。子どもの脳は起きている間にさまざまな刺激を受けていて、ストレスがたまると攻撃的になったり、すぐに泣いたりするなど情緒が不安定になったりします。
そこでお昼寝をすると脳が休まり、情緒が安定するため、午後を気分よく過ごせるようになるでしょう。
幼児にお昼寝させるコツ
大きくなるとお昼寝をしなくなる子どもも多いですが、積極的にお昼寝をさせてあげたいと考えるママパパもいることでしょう。そこで、4、5歳の幼児にお昼寝をさせるコツをご紹介します。
午前中に日光を浴びながら遊ぶ
お昼寝を成功させるには、午前中にどれだけたくさん遊べるかが重要です。たくさん遊べばその分体力も使うので、自然とお昼寝がしやすくなります。可能であれば、日光を浴びながら遊ぶのがオススメです。
子どもといっしょに追いかけっこやボール遊びをしたり、屋内でも音楽をかけてダンスやリズム体操をしたりすると全身を使った運動ができます。
できるだけ決まった時間に寝かせる
お昼寝を毎日決まった習慣として取り入れると、4、5歳児でも自然にお昼寝をしたがるようになります。
最初は午前中に運動をさせたり、前日に寝る時間を少しだけ遅くしたりしてからお昼寝させてみてください。そうすれば、お昼寝を習慣にするきっかけがつくれます。
眠りやすい環境を整える
寝室の照明を落としたり、カーテンを遮光タイプのものに交換したりすることで、昼間の時間帯でも室内を睡眠に適した暗さにできます。
季節によっては室温が昼間と夜間とで大きく異なる場合があるので、エアコンをうまく活用して眠りやすい環境を整えてあげましょう。
幼児にお昼寝をさせる際の注意点
ここまでお昼寝のコツをご紹介してきましたが、ここからは、子どもにお昼寝をさせる際の注意点をお伝えします。
15時までに起こす
お昼寝の注意点は、寝過ぎないことです。15時以降もお昼寝を続けていると、夜になっても眠くならないといった悪影響が出てくる可能性があります。
40分~1時間程度のお昼寝で体力回復や免疫力向上のメリットは十分に発揮されるので、時間になったら起こしてあげるようにしましょう。
無理にお昼寝させない
お昼寝をしたがらない子どもを無理に寝かせようとすると、睡眠自体に苦手意識を持つことにつながりかねません。
幼児期の子どもに必要な11~14時間の睡眠を確保できているのであれば、無理にお昼寝させなくても問題ないでしょう。
幼児期のお昼寝はメリットがたくさん!
お昼寝には「体力の回復」や「記憶力持続」などのメリットがあります。一般に、4、5歳ごろになるとお昼寝をしなくなる子どもがほとんどですが、これらのメリットを子育てに取り入れたいママパパは、ぜひお昼寝がしたくなるコツを実践してみてくださいね。
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