【パソコンなしでもOK!】年長さんからはじめられるプログラミング学習

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【パソコンなしでもOK!】年長さんからはじめられるプログラミング学習

小学校の授業では既に必修となっているプログラミング。学校やご家庭での学習への関心が高まっていますが「一体いつからどのように学び始めたらいいの?」と疑問に思うおうちのかたも多いのではないでしょうか。そこで、今回は就学前のお子さんからスタートできるプログラミング学習についてお伝えします。

文/マムズラボ

目次

いつからはじめる? プログラミング教育の現状

小学校ではどのようにプログラミングを教えているのでしょうか。
小中高の授業と大学入学共通テストでは、プログラミング教育は次のように定められています。

・小学校では2020年度より必修
・中学校では2021年度から内容が拡充
・高校では2022年度から「情報Ⅰ」として必修
・2025年1月実施の大学入学共通テストでプログラミングに関する内容も出題

小学校でのプログラミング学習内容は、学校ごとに異なっているのが現状です。
そこで、文字や数字、IT機器への関心が高まる入学前(年長さん、6歳ごろ)からプログラミング的思考に慣れ親しんでおくだけでも、プログラミングに対する苦手意識をもたないようにすることに役立つのではないでしょうか。プログラミング的思考力を身につけるためには、就学前から準備しておいても早すぎることはなさそうです。

プログラミング的思考力を身につけよう!

プログラミングに必要な「プログラミング的思考力」とは「論理的思考力」をベースに「作業効率」を考えながら「目的を達成するために物事を順序だてて考える力」ともいえます。
では、「プログラミング的思考力」と「論理的思考力」を身につけるためには、日常的にどのようなことを意識するとよいのでしょうか。

例えば、お子さんに手伝ってもらって卵焼きを作るときは、あらかじめ必要な調理用具と材料を準備し、「卵を割る」→「箸で混ぜる」→「フライパンに油をひく」などの順序だてた動作が必要であることを伝えます。
「卵焼きを作る」という目的に早く確実にたどり着くためには、「作業効率」を考えなければなりません。つまり「段取り」が大切です。目的にたどり着くために必要な方法=「段取り」を考えることで、おのずと「論理的思考力」も身についてくるというわけです。

日々のお手伝いでも、「いかに早く効率的に上手にこなせるか」を考えて行動することが「プログラミング的思考力」を高めるトレーニングになっているのです。それぞれのお子さんやご家庭の状況に合った形で、日常の中に意識的に「段取り」を考える機会を与えてみてはいかがでしょうか。

パソコンなしで学べる教材にはどんなものがあるの?

パソコンやIT環境を使わずにプログラミングを学ぶことを、「アンプラグドプログラミング」といいます。本やカード、おもちゃを使ってプログラミング的思考力を養うものです。
ここでは、ご家庭でアンプラグドプログラミングを学ぶための、本やおもちゃなどをご紹介します。

『論理的思考力を育てる プログラミングれんしゅうちょう』Gakken 

カラフルなイラストをふんだんに使い、幼児や低学年にも親しみやすい内容です。コンピュータが動く仕組みがわかりやすく書かれています。パズルや迷路などで遊びながら、自然と論理的思考力が身につくよう工夫されています。

カード・ボードゲーム

『カードでピピッと はじめてのプログラミングカー』学研ステイフル
https://www.gakkensf.co.jp/pgc/

指令通りに動くクリアボディのくるまとカードを使って、プログラミングを学ぶことができます。スタートからゴールまでの道順を、指令が書かれたカードを組み合わせて、無事ゴールにたどり着くよう考える仕組みです。クルマに指示を読み込ませる際、電子マネーの支払いのようにカードをピッとかざすのも楽しいと人気です。

ブロック

キミが車掌さん!おしてGO機関車デラックス
レゴ® デュプロ® 組み立てブロックのおもちゃセット
https://www.lego.com/ja-jp/product/steam-train-10874

©2022 The LEGO Group.

子どもが簡単に操作でき、楽しく遊べるようデザインを改良した「キミが車掌さん!おしてGO機関車デラックス」。
「おしてGO!」機能を使うことで、車掌さんになりきって機関車を動かすことができます。汽笛、ライトのオン・オフ、燃料の補給、方向転換、停止などの楽しい機能を備えた5色のアクション・ブロックをレールのいろいろな場所に設置して機関車が動く様子を眺めることができます。オプションのアプリをダウンロードすれば、運転室で車掌さんになりきって運転する遠隔操作機能などが利用できます。

パソコンなしで学ぶメリット

プログラミングをパソコンなしで学ぶ「アンプラグドプログラミング」のメリットは、次のとおりです。

・パソコンを使えない子どもでも取り組める。
・インターネット回線やパソコンなどIT環境のない場所でもできる。
・机に向かう勉強とは違い、絵本やカード、おもちゃを使うので気軽で楽しい。
・プログラミング学習への苦手意識や抵抗感が減り、パソコンを使った学習への移行がスムーズになる。


筆者の子ども(10歳・小4)は春からプログラミング教室に通い始めました。今はパソコンを使い自分でプログラミングしたゲームで遊んでいますが、もともと自宅にゲーム機はなく、タブレットやスマートフォンも与えていません。しかし、アンプラグドプログラミング学習は幼児のうちから意識しており、タングラムやパズル、ロボットが動かせるブロックなどのおもちゃで遊んでいました。プログラミングの授業も積極的に楽しんでいるようです。

ITだけでなく創造性など社会で必要な能力の基盤を養う

子どもがまだ幼く、インターネットリテラシーを理解できない間は、パソコンやスマホなどを積極的に触らせたくないと考えるおうちのかたもいらっしゃると思います。アンプラグドプログラミングの最大のメリットは、パソコンやIT環境を使わずに、プログラミングの基礎となる知識や思考力を養えることです。

また、おうちのかたといっしょに、アンプラグドプログラミングを意識した本やおもちゃ、教材で遊ぶうちに親子間のコミュニケーションも深まります。就学前の子どもがひとりで知育玩具に取り組むのは結構、難しいものです。なるべくおうちのかたが近くで見守り、つまずきそうになっていたらサポートしてあげてください。目的に向かって試行錯誤したり、対話の中からヒントを得たりして問題を解決することで、自分に自信がつき、最後までやり抜く力も育つのではないでしょうか。アンプラグドプログラミング学習と並行してインターネットのルールやマナーも学びつつ、これから複雑になる情報社会で生きていくための力も身につけさせたいものですね。

参考
文部科学省「新学習指導要領におけるプログラミング教育の充実」https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/21/1416331_001.pdf

この記事の監修・執筆者

スモール脳力研究所 所長 福井俊保

大学院で研究するかたわら、中学受験の指導を始める。指導歴は約20年。現在はプログラミング教室スモールトレインで代表として、プログラミングの指導と中学受験の指導をしている。
著書に「エラーする力──AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育」(自由国民社)がある。https://www.smalltrain.com/

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