夏休みシーズン到来! 今年は久々に家族でお出かけをされるかたも多いのではないでしょうか。今回は、おうちではもちろん、移動時や旅先でも楽しめる絵本を年齢別にご紹介します。お出かけ先で絵本を読むと、ドキドキ、ワクワクがさらにアップしそう! 絵本のセレクトは東京都世田谷区にある「えほんのみせ ぱっきゃまらーど」店主の山本陽子さん。最終回は小学校1~2年生にオススメの絵本です。
小学校1~2年生にオススメ! お出かけにピッタリな絵本
◆『恐竜学』
著/真鍋 真 1,320円 学研プラス
「恐竜」になぜ「学」がついているかわかりますか? それは、恐竜を知ることは、命を知ることに等しいからです。今の地球は人だらけに感じるかもしれませんが、人類が誕生するよりはるか昔、恐竜たちだけが地球上に生きていた、とても長い時代がありました。そして今も世界各地で化石となって生きていた証しを見ることができます。この本は小学生になったお子さんたちが疑問に思うことに答え、それぞれの恐竜が生きていた時代がわかるだけでなく、新たにわかった恐竜の謎に迫ります。著者はなんと、恐竜学者・古生物学者の真鍋真さん。「かはく」に行く前に読めば、さらに楽しめますよ!
◆『しごとば 東京スカイツリー』
作/鈴木のりたけ 1,980円 ブロンズ新社
東京の新しい観光名所「東京スカイツリー」。夜になると美しくライトアップされて、とてもきれいですね。高さは634メートル。そう、「ムサシ」で覚えてくださいね。
これは、「東京スカイツリー」から景色を楽しむみんなのために、懸命に働く人たちの「しごと」をじっくり知ることができる絵本です。スカイツリーが出来上がるまでの過程や、その裏側をのぞけるのは、この本を読んだ人だけの特権ですね。
作者の鈴木のりたけさんは、絵本を作るにあたり実際にスカイツリーを建設中の現場に訪れ、仕事をしている人たちに質問し描いています。スカイツリーのおひざもとは、浅草にもほど近い下町。実在する昔ながらのおいしい食べ物屋さんも紹介されています。
◆『はじめてのキャンプ』
作・絵/林 明子 1,320円 福音館書店
ちっちゃな「なほちゃん」が、大きな自然に触れる、はじめてのキャンプ。自分のもの、みんなで使う道具など、持ち物がとてもたくさんあります。
現地では、焚火の薪を探したり、川で顔を洗ったり。大きいお友だちといっしょに参加するキャンプに、泣かないでついていくなほちゃんが、少しずつたくましくなっていく様子がわかります。キャンプの楽しみは夜も続きます。テントの中に集まってちょっぴり怖い話をしたあと、なほちゃんは一人不思議な体験をします。
満天の星のもと、小さな心にずっと残る思い出になったキャンプ。最後は、なほちゃんの力強い言葉が心に響きます。
専門家イチオシ 今週の大人にオススメの絵本
◆『はじまりの日』
作/ボブ・ディラン 絵/ポール・ロジャース 訳/アーサー・ビナード
1,760円 岩崎書店
「毎日が きみの はじまりの日。きょうも あしたも あたらしい きみの はじまりの日」。絵本の中で繰り返されるフレーズが心に響きます。
2016年ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランですが、最愛の息子へあてたことばが歌『forever young』となり、その後絵本になりました。子どもを思う気持ちが見事につづられていますが、本人は文学的な意図はなかったと言っています。
親でなくとも、世界中のおとなたちが願ってやまないことばを集めた絵本かもしれません。“どんな世界でも、子どもには未来があり、希望がある” 。
もしこれからの未来、つらいことや不安なことがあったり、迷ったりしたとき、この本を開けるよう本棚にそっと置いておきたい一冊です。
8月の「こそだてまっぷの絵本棚」のセレクトは、「ちいさいおうち書店」越高綾乃さんです。お楽しみに!
この記事の監修・執筆者
幼稚園、保育園、書店での勤務経験を経て、絵本専門士を取得。2018年10月に東京都世田谷区に「えほんのみせ ぱっきゃまらーど」をオープン。https://twitter.com/pascamarade_y
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