みなさんこんにちは。編集部Fです。
新卒で学研に採用され、幼児教育編集室に配属されて4年目に突入しました。
子ども向けの本といえば、かわいい絵があって、大きな文字で書いてあればいいと、なんとなく考えていました。
それ故に入社前は、子ども向けの本って簡単につくれそう…なんて思っていたのです…。
しかし編集を経験していくにつれ、制作裏では子どもたち向けた本だからこそ怠ってはいけない配慮、工夫がたくさんなされていたことを知っていったのです。
「なるほどそこまで考えられているのか…!」と
編集部Fが感じた事例の一部を、連載でご紹介していきたいと思います。
文・おけいこラボ編集部
第1回「季節性への留意」 ―春夏秋冬を無視してつくれない
幼児ワーク制作の中では、「季節」に留意することが多々あります。
ひらがなの練習。練習する言葉の「挿絵」に注意!
「6歳ひらがな」の中に、お花の名前を覚える問題がありました。
子どもに身近な、スタンダードなお花の名前を、ひらがなでしっかり書く問題です。
最初の挿絵は、画面いっぱいの原っぱに4つのお花がきれいに配置され、とてもきれいな一枚絵でした。
しかし…
「さくらとひまわりは一緒の時期に咲かないよね?」
との指摘が。た、たしかに!
…結果的に、背景を分けて、各花別の空間に見えるように表現しました。
(6歳ひらがなp37)
当たり前なことに思えますが、指摘されなければ、気がつかないまま進めてしまうところでした。
たとえイラストであっても、リアルな世界と離れた表現はしてはいけません。
「ちえ」には季節の学習も。 …ただし、環境が変われば問題も変えます。
「ひらがな」や「かず」だけでなく、身の回りの理科的な知識も子どものうちから持っていてほしい、と考えており、幼児ワーク「ちえ」の中には季節を学ぶ学習もいれています。
こちらは、「春」と「たんぽぽ」を結びつける問題。
(4歳ちえ p14)
たんぽぽは春に咲くイメージですよね。
しかし、ここで思い出話…
編集部Fは子どもの頃、春ではないのに咲いているたんぽぽをちらほらと道端で見かけ、疑問に思いました。
あとで調べてみると、夏や秋にも咲くたんぽぽの種類があることがわかりました。
春~秋に咲くたんぽぽは、「セイヨウタンポポ」といいます。特徴としては、花の下にある「ガク」が反り返って下を向いており、外来種です。(日本古来からの、春だけに咲くたんぽぽは、ガクがぴったりくっついて上を向いています。)
(↓学研の図鑑LIVE 植物 p16より)
※よろしければ、お近くに咲いているたんぽぽをめくってガクを確認してみてください。
つまり、春以外でも咲くたんぽぽが世の中にある…。
ただ今現在では一般的に、たんぽぽは春に咲くイメージがあるので、先ほどの問題のようにつくっています。(また、たんぽぽは春の季語でもあります。)
しかし、今後日本のたんぽぽの様子を見て、(夏も秋も咲く)セイヨウタンポポの増加など環境が変われば、「春」と「たんぽぽ」を結びつける問題を変更するかもしれません。
こうして世の中の様子をみて、少しずつ環境、時代の変化にあわせて
ワークの内容を変更していきます。
(……これはまたいつかお話しますが、時代の変化でこわいのが「電子機器」ですね…)
小さくて通り過ぎそうなこだわりポイントですが、お子さんたちにはしっかり本物に触れてほしい(お子さんたちが知っている・これから知る世界と同じにしたい)という意味で、
細かいところまで注意して見ています。
さて……第1回は「季節性への留意」についてお伝えしました。
次は、「動物の特徴」に関して編集部で起きたある事件についてお伝えします。
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