【折り紙で育つ子どもの力】折り紙ってこんなにすごい!

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保育園や幼稚園で、製作あそびなどでも取り入れられている折り紙。
昔ながらの遊びの定番で、ママパパのなかにも、小さなころに夢中になっていた方がいるのではないでしょうか。
長く親しまれている折り紙には、きっと子どもによい理由があるはず!
そこで、折り紙の魅力や子どもの成長への影響などについて、元幼稚園教諭で、白百合女子大学准教授の土橋久美子先生にお話をうかがいました。

目次

折り紙をする親子。

折り紙で育つ「子どもの力」って?

折り紙遊びを通じて、子どもには以下のような力が育っていきます。

●想像する力

折り紙を折っていくなかで、「何ができるかな?」「どんな形になるのかな?」と、できあがりを楽しみながら、想像する力が育まれます。

●表現する力

自由に折って何かに見立てたり、手順どおりに折って決まった形を完成させる達成感を味わったりすることで、自分の思いを表現する力が育ちます。

●発展させる力

見立てることで、イメージをふくらませることができます。想像力を高めながら、形を限定せずに、発展させていく力が養われます。

●コミュニケーション力

折り方をきょうだいや友だちから教えてもらったり、自分ができるようになった折り方を教え合ったりするなかで、コミュニケーション力が育まれます。

●手指の巧緻性・目と手と協応性

折り紙をしっかり折る、角を合わせるといった動きを繰り返すことで、手指の巧緻性や、目と手の協応性も育まれます。

●集中力

手順を見ながら、作品を折り進めることで、集中力が育まれます。

保護者にも、こんなメリットが!

折り紙は、かさばらず、持ち運びもしやすいことが最大のポイント。場所をとらずに遊べるので、どこでもできるメリットがあります。

100円ショップでも、さまざまな柄やサイズの折り紙が売られているので、手軽にお子さんの好みに合った折り紙を入手して楽しむことができます。

親子で楽しむオススメの方法

保護者のなかには「わたし不器用だから……」とか、「折り紙ってちょっと難しそう……」といった印象をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。

でも、心配ご無用。気軽にお子さんといっしょに折り紙を楽しむための方法や心がまえをご紹介します。

①簡単な折り紙の本を一冊用意する!

書店や100円ショップなどには、たくさんの折り紙の本が並んでいます。

そのなかから、かんたんそうで、お子さんが好きそうな1冊を選んでみてください。

折り紙で作るカメラやカエルなど、完成したら遊べるタイプの本もオススメです。

②一日1つずつ、いっしょに折っていく

一度にたくさん折ってしまうと、意外に大変で続かないこともあります。

「きょうはこれを折ってみよう!」とその日に折るものをランダムに選んだり、最初から順番に折っていったりして、一日1つずつ折っていきましょう

一週間で、1種類折るだけでも十分です。

③同じものを、2つ3つと作ってみる

折り方を一度で覚えられることはまれです。また、お子さんも同じものを続けて折りたくなることが多いです。

1つできたら、2つ、3つと同じものを続けて折ることで、折る楽しさや、手が折り方を覚えていく感覚を味わうことができます。

子どもと折り紙をするとき、気をつけたい3つのポイント

いろいろなメリットのある折り紙ですが、より効果的に楽しむため、気をつけたいポイントがあります。

●親と子どもの位置関係

テーブルに親子で座る際、向かい合わせや、L字型に座ると、折る向きが違うので、子どもが混乱してしまうことがあります。

横に並んで座り、本を身ながら、同じ方向を向いて折るのがオススメです。

●折るコツを伝える

折り紙では、折り筋や折り目をしっかりつけること、角と角を合わせることが、とても大切です。

3歳くらいまでは少し難しいかもしれませんが、4、5歳くらいからは、ていねいに伝えてあげてください。

●子どもに伝わる具体的な言葉かけを

子どもに折り方を伝える際に、「(角と角を)ちゃんと合わせて」などと言っても伝わりません。

たとえば、角を合わせて三角に折る場合は、「大きなお山を作るよ。てっぺんとてっぺんを合わせてね」、半分に折る場合は「上と下の線を、こんにちはって合わせようね」、しっかり折り目をつける場合は、「(折ったところに)アイロンをかけるよ」など、子どもが理解しやすい言葉を選び、工夫して伝えるようにしましょう。

「こんなときはどうする?」折り紙遊びQ&A

Q1

折っている途中でうまく折れなかったり、ぐしゃぐしゃにしてしまったりして、何枚も折り紙を使おうとします。

「できあがったら、もう1枚ね」と声をかけたり、あらかじめ「きょうは○枚使おうね」と、約束してから遊びましょう。

ちなみに、ぐしゃぐしゃになった折り紙は、あて布をしてアイロンをかけると、しわが伸びてきれいになります。

Q2

できた折り紙の保管方法を知りたいです。

お菓子の空き箱などを用意して、折ったものをその中に保管していきましょう。子どもに「できたら、宝箱に入れてね」とお願いしても。

数が多くなってきたら、祖父母へプレゼントするのがオススメです。袋に入れてリボンをかけるだけでも、すてきなプレゼントになりますよ。

Q3

不器用なので、子どもに教えられるか不安です。

1つだけでも折れるものがあれば、だいじょうぶ! 

子どもが好きなアイテム(ハート形や食べ物、乗り物など)を、1つだけ練習してみましょう。お子さんの前で、ささっと折れたら、「ママ、かっこいい!」と思ってくれるはずです。

本を見ながら折るのが難しい場合は、折り紙の動画(YouTubeなど)をお子さんといっしょに見ながら折ってもOK。ママがすべて教えてあげなくてもだいじょうぶです。

きょうだいがいると、下の子に手がかかって上の子とのコミュニケーションが十分でないときもあります。下の子が寝たときなど、ちょっとしたときにこそ、折り紙です。「お母さん、折り紙したいな! いっしょに折ろうか」と誘ってみましょう。すき間時間でも、しっかり触れ合って遊べる、癒やしの時間になることでしょう。

この記事の監修・執筆者

白百合女子大学 人間総合学部初等教育学科 准教授 土橋久美子

立教女学院短期大学卒業後、幼稚園教諭として私立幼稚園や未就園児グループなど、保育現場に約16年携わる。現在は、保育者養成校において幼児教育、保育の魅力を学生に伝えると共に実技指導などを行っている。

主な研究分野は、保育現場における環境を通した遊び文化の構築に関して。昔の遊びを保育の中にいかしながら、伝承の大切さを現場に伝える難しさを日々感じている。近年は海外の保育にも目を向け、日本と海外の就学前の取り組みなど比較研究も進めている。

ライフワークとして、伝承遊びの研究と普及活動、小・中・高校生の地域でのリーダー育成などを行っている。

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