「散らかすのは子どもの仕事」とはいえ、片付けては散らかし、片付けては散らかしを繰り返して、付き合わされる大人は心も体もヘトヘト……。「子どもが自分から片付けてくれたらいいなあ」なんて思ったことはありませんか?
「自分で片付けるなんて、うちの子には無理」とあきらめていたかたは、ちょっと待って。ほんの少しの工夫で子どもが片付けられるようになるかもしれません。要は「仕組みづくり」です。
では具体的に、どんな「仕組みづくり」をすれば良いのでしょうか?
文/マムズラボ
子ども目線で具体的に、わかりやすく
まずは「見える化」です。収納場所を写真やイラストで、具体的にわかりやすく表示してみましょう。
「どこに何をしまうか」を子どもの目線の高さに表示してあげれば、子どもは「あ、これはここにしまうんだ」と視覚情報から理解できます。
このとき、子どもには高すぎる棚や、開けるのが難しい引き出しなどがないかもチェックしましょう。
言葉でフォローするときも、具体的にわかりやすく伝えることを心がけましょう。
子どもはある程度の年齢になるまで「きちんと戻して」「ちゃんとして」などといった、あいまいな表現では理解しにくい傾向があります。「車を青い箱に入れてね」「本は本棚に戻してね」といった具体的な表現で声をかけることがポイントです。
また、表に出しておくおもちゃの数をできるだけ減らしておくこともポイント。数が少ないほど片付けの負担は減るからです。
飽きてきたり興味がなかったりで、あまり遊ばないおもちゃは、まとめて押し入れやクローゼットなどにしまい込んでしまいましょう。今遊んでいるおもちゃに飽きた頃に取り出すと、目先が変わって興味を持つこともあります。しばらく時間を置いても興味を示さないおもちゃは、フリマサイトなどでお譲りするといいかもしれませんね。
毎日のルーティンにする
毎日のルーティンに入れ込んで習慣づけるのもいいでしょう。
おやつの前にはお片付け、夕食前や寝る前にもお片付け、など片付けを習慣にします。特に「終わったらおやつ」など後の楽しみがあると、子どもも率先して片付けるようになります。
このとき大事なのが達成感です。
散らかったおもちゃを1つ片付けるごとに「できたね」と声をかけたり、ハイタッチをしたりして、子どもに「自分でできた」という喜びを体感させましょう。達成感は子どもの自信につながっていきます。
ときには大人が歯がゆくなって、自分で片付けてしまいたくなることもあるでしょう。しかし、そこで耐えられずに大人が片付けてしまうと、達成感が得られず、せっかく芽生え始めた自信がしおれてしまいます。子どもによっては「大人がやってくれる」という甘えになってしまうこともあります。
どうしても手を出したくなったときは「やってあげる」ではなく「一緒に片付けよう」というスタンスを意識してくださいね。
子どもの遊び心を刺激する
モチベーションが維持できれば、片付けの習慣は続きます。
子どものモチベーションを保つには、やはり「遊び」にするのがおすすめです。
「車は車庫へ」「ぬいぐるみはお部屋へ」など、遊びの一部に片付けを組み込むのはいかがでしょう。
「ぬいぐるみさんの住所は黄色のお部屋です。そこには3人住んでいます」といったポスターを貼っておくと、子どももわかりやすく、楽しめそうですね。
また「ポイント制にする」「できたらおもちゃのラッパを鳴らす」などといった工夫で、子どもの遊び心を刺激すると、片付けがゲーム感覚になっていきます。
片付けを遊び感覚でとらえ直すには、やはり大人の遊び心も大切です。意識して「ねばならない」から心を解放して、子どもと一緒に楽しむ柔軟な心(余裕)を持ちたいものです。
そうはいっても、どうしてもイライラしてしまう日もありますよね。
ときには「何のためにやっているのか」という原点に戻って考えてみましょう。
片付いたお部屋は素敵ですが、几帳面になりすぎてストレスがたまっては本末転倒。子どもにも知らぬ間に悪影響を及ぼします。
片付けの目標は「部屋が片付いていること」ではなく「片付けができる子に成長させること」ととらえ直してみませんか。
散らかっている状態も子どもにとってはひとつの「体験」と考えると、心に余裕ができます。
「きれいな部屋と散らかった部屋では感じ方がどう違うのか」を子どもが体感するためには、散らかった部屋を体験することも必要なのです。
いろいろ試してもうまく行かない日は、いっそ「今日は特別に、片付けない」ということにして、だらだら過ごしてもいいでしょう。
気力が湧いてきたら、一緒に片付ければいいのです。
そして、きれいに片付いたら「きれいだと気持ちいいね」と子どもと喜び合いましょう。子どもの中に「片付ける=気持ちいいこと」とインプットされます。
まとめ
お片付けの仕組みづくりについてお伝えしました。
どうしたら片付けられるのか、親にとっても子にとっても永遠のテーマなのかもしれません。子どもと一緒に試行錯誤しているうちに、いつのまにか子どもが自分から片付けられるようになっていたら、素敵ですよね。
この記事の監修・執筆者
作家/子どもへの言葉かけ、「子育てNGワード」の専門家。「言葉」を扱うコピーライター経験から、子育て中の子どもへの言葉かけに関心を持つ。
三人の娘の子育ての実感(成功も失敗も)を活かした書籍を執筆している。
『お母さん、ガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』
『決定版 ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』
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