【眠れないのは寝具のせい!?】睡眠の質を高めるコツと寝具選びのポイント

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睡眠時間は人生のおよそ3分の1を占めているといわれており、よい睡眠をとることは、心身の健康を保つためにたいへん重要なことです。毎日ぐっすり眠れることや、朝快適に目覚められることが理想ですよね。

そこで今回は、家族みんながよい睡眠をとるために知っておきたい情報や、取り入れたい寝具の選び方のポイントをご紹介します。

文/マムズラボ

目次

日本人の睡眠状態は悪い?

子ども大人問わず、睡眠が大切であることはいうまでもありませんが、睡眠時間の長さだけではなく、睡眠の質を高くすることが重要です。

現代の日本人の睡眠事情はどのようになっているのか、1984年から「睡眠を科学する」のコンセプトのもと活動している日本睡眠科学研究所の資料(※1)からご紹介します。

日本人の約半数に不眠症が疑われる

こちらの資料によると、10,000人に調査したところ、約半数の方が「不眠症の疑いが高い」という結果になっています。ママパパ世代である20代・30代ではとくに高く、6割を超えています。

年代別の結果は下記のとおりです(※1)。

年代調査人数不眠症の疑いが高い割合
10代167人49.1%
20代1,367人60.3%
30代1,622人61.3%
40代1,911人55.3%
50代1,604人50.8%
60代1,879人39.4%
70代1,450人33.0%

睡眠時間に満足している人は3〜4割

自分の睡眠時間が理想どおり確保できているかという問いに対して、「十分である」と答えた方は、20〜50代の広い世代で3割前後という結果でした。睡眠時間を満足に確保できていないと自覚している方が多いことがよくわかります。

性別、年代別の結果は下記のとおりです(※1)。
【男性の場合】

年代調査人数睡眠時間が十分だと感じている人の割合
10代82人47.6%
20代700人32.6%
30代820人27.2%
40代963人28.3%
50代799人32.7%
60代915人44.9%
70代662人56.3%

【女性の場合】

年代調査人数睡眠時間が十分だと感じている人の割合
10代85人30.6%
20代667人29.1%
30代802人28.9%
40代948人31.0%
50代805人33.9%
60代964人44.2%
70代788人54.3%

とくに中学生の睡眠時間が悪化

保護者から見た子どもの睡眠状態の変化を調べる調査では、前年に比べ「変わらない」が8割近かったものの、「悪くなった」という回答もあることには注目するべきでしょう。

とくに、睡眠時間は十分かという問いへの答えを学齢別で見てみると、中学生の「悪くなった」の回答割合がもっとも高く、3割にも達しています。

それぞれの結果は下記のとおりです(※1)。
【睡眠状態の変化】

学齢調査人数良くなったと感じている割合悪くなったと感じている割合
小学生84人8.4%7.2%
中学生30人0%13.3%
高校生51人2.0%15.7%

【睡眠時間の変化】

学齢調査人数良くなったと感じている割合悪くなったと感じている割合
小学生84人10.8%11.9%
中学生30人3.3%30.0%
高校生51人4.0%11.8%

オススメ記事:【医師監修】日本の子どもの睡眠時間は世界一短い

質のよい睡眠を得られない原因とは

資料の数値から、今の自分の睡眠に満足できていない人は多くいることがわかります。睡眠に関する問題を解決するためには、まず質のよい睡眠が得られない原因と向き合う必要があります。

ここからは、質のよい睡眠を得られない原因についてご紹介します。

寝室の環境が悪い

早めに寝ついて快眠するためには、寝室の環境が重要です。快適な寝具も必要ですが、部屋自体の温度や音などが原因で睡眠の質がよくない可能性もあります。睡眠の質を向上させるために、以下のような点を確認しましょう。

寝室の環境で確認すること
・室温や湿度は快適な範囲かどうか(室温20度前後、湿度40〜60%が推奨)
・不快な音はないか(外からの騒音に加え、時計や機械音などが睡眠の妨げになっていないかなど)
・部屋の明るさは適当か(照明だけでなく、さまざまな機器のボタンやセンサーなど、小さな明かりは気にならないかなど)

寝具が体に合っていない

直接体に接する寝具が自分に合っているかどうかも大切なポイントです。寝具が体に合っていないと、睡眠の質が低下してしまう可能性もあるため、下記の寝具が体に合っているか確認することが大切です。

寝具役割や睡眠の質に与える影響
首や頭が立ち姿と同じような自然な位置になるように支える役割があります。ベッドマットや敷き布団と後頭部から首にかけてのすき間を埋めることが大切で、高さが合っていないと首や肩に負担がかかってしまいます。
すき間の適正値は個人差があるため、自分の体型に合った枕の高さを見つける必要があります(※2)。
ベッドマットや敷き布団硬さによって寝心地が変わります。柔らかすぎると体が沈み、背骨が曲がりすぎてしまい熟睡できません。
逆に硬すぎると骨に痛みを感じたり、血流が妨げられたりしてしまい、睡眠の質が低下してしまいます(※2)。
掛け布団保温や吸湿、保湿の役割がある掛け布団は、寝ている間の体温の調節や汗の調節に深く関わります。気温や湿度に合わせて適切なものを使っているか見直してみましょう(※2)。

寝返りの回数が多すぎる

寝相は上向きで寝ているときの方が、体に余分な力が入らず最もリラックスした状態になります。そのため上向きに寝ている時間が多いことは、寝心地の良さをあらわしているとされています。(※2)。

つまり、寝返りの回数が多い場合、質のよい睡眠を得られない可能性があります。寝返りが多いと、体の動きが刺激となってしまい、睡眠の質に影響してしまいます。また、眠る環境が自分に合っていない場合にも、寝返りが多くなってしまうことがあります。

布団が柔らかすぎたり、硬すぎたりすると寝返りが増える要因になることもあるため、次項で紹介する寝具の選び方を参考に、自分自身に合った寝具を探してみてください。

睡眠の質を高めるための寝具の選び方

最後に、睡眠の質を高めるためにはどのような寝具を選べばよいのかご紹介します。熟睡できない原因になっていそうな寝具を見つけ、改善するための参考にしてみてください。

体型に合う高さの枕を選ぶ

さきほどご紹介したように、寝ているときにベッドマットや敷き布団と後頭部から首にかけてできるすき間を埋めてくれる枕が理想的です。このすき間の深さには個人差がありますが、一般的には1〜6cmが適切といわれています(※2)。横向きに寝ることが多い場合は、さらに高い枕を選ぶと、心地よく眠れるでしょう。

起床時に下記のような症状が出る場合は、枕の高さが合っていない可能性があります。

・枕から落ちている
・寝違えていることが多い
・首や肩がこっている
・顔がむくんでいる
など

自分の肩幅ほどの幅があれば、寝返りをしたときにも頭が落ちにくくなります。

適度な硬さの敷布団を選ぶ

私たちが立っているとき、背骨は以下の2つのS字カーブを描いています。

・後頭部から首、胸にかけてのS字
・胸から腰にかけてのS字

眠っているときには、この腰部のS字の曲がり幅が2〜3cmのとき(立っているときの曲がり幅のおよそ半分)が、体への負担がもっとも少なくなります。この曲がり幅が大きすぎたり小さすぎたりしないよう、適度な硬さのものを選びましょう。

ただ、ベストな曲がり幅となる敷布団を見つけることは容易ではありません。自分自身の背骨の曲がり幅を、自分で認識することは難しいといえます。そのため、敷布団選びに悩んだ場合は、実際に仰向けで寝てみて、立っているときの背骨の状態と同じ状態をキープできるものを選びましょう。

立っている状態の背骨の形を維持したまま寝ることができるだけでも、睡眠の質が向上するといわれています。

保温・吸湿・放湿性のある掛け布団を選ぶ

眠っている間は体から熱が奪われやすい状態になります。過剰な放熱による低体温を防ぐため、上から保温性のある掛け布団を掛けましょう。

また、汗を吸収する吸湿性と、放湿性も大切です。たとえば、羊毛の掛け布団は吸湿性や放湿性に優れています。価格も安価なため、掛け布団選びで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、掛け布団を選ぶ際は、可能であれば実際に使用し、寝返りの妨げにならないように、適度な重みとフィット感があるかも確認しておくとよいでしょう。

寝具を見直して睡眠の質を高めよう!

ぐっすり眠るためには、さまざまな条件が必要になることがわかりました。家族それぞれ、体格や体重によって寝具の選び方は変わります。枕の高さや布団の硬さなど、自分の体に合ったものをそろえることで、睡眠の質を高められます。毎日ぐっすり眠って朝から元気に過ごせるよう、寝具を見直してみてはいかがでしょうか。

【引用】
(※1)西川公式サイト「睡眠白書2021」https://www.nishikawa1566.com/company/laboratory/hakusyo/archive/2021/

(※2)「快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-003.html

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