「秋浴衣って知ってる?」部屋着にもぴったりな秋浴衣を楽しむための徹底ガイド

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「秋浴衣って知ってる?」部屋着にもぴったりな秋浴衣を楽しむための徹底ガイド

浴衣や着物は気温や天候に合わせて着分けるのが一般的で、夏以降も着られる衣服です。そこでオススメしたいのが「秋浴衣」を楽しむ方法。浴衣は伝統的な要素を取り入れるだけでなく、通気性や吸水性がよいので衣類としても優秀なんですよ。お祭りやイベントのときだけではなく、部屋着としても活躍します。

そこで本記事では、おうち服としての秋浴衣の楽しみ方についてご紹介します。

文/マムズラボ

目次

そもそも浴衣の定義とは? 着てもよい時期はいつ?

そもそも浴衣の定義とは? 着てもよい時期はいつ?

そもそも、浴衣はどのようなシーンで着用でき、いつまで着られるのでしょうか? また、秋にふさわしい浴衣の色や柄についてもご紹介します。

もともとはルームウェア・ワンマイルウェアのような衣類

浴衣はもともと、家庭でのくつろぎ着やさんぽ着として選ばれていたもので、リラックスして過ごすときに着られていますが、浴衣の起源は平安時代といわれており、蒸し風呂に入る際に、水蒸気でやけどをしないように素肌の上に羽織った「湯帷子(ゆかたびら)」が発祥とされています(※1)。

江戸時代に入ってから、汗をよく吸い通気性の高い木綿(もめん)素材が用いられるようになりました。その後、湯上がりや就寝時に選ぶ部屋着として広まり、お出かけの際にも着用されるようになりました。やがて季節の普段着として、明治時代になってから全国に広まったそうです(※1)。

浴衣は4月から10月まで着てもOK

ドレスコードでいうとジーンズとTシャツにあたるといわれており、1日のうちいつ着てもよいとされています。また、4月から10月くらいまでは着てもよいそうです。

カジュアルな位置づけの衣服なので、街着として外でもさまざまな場で着ることができます。ランチやお買い物のときに浴衣を着ても問題ありません。一方でフォーマルな席にはあまりふさわしくないため、外での着用時には気をつけましょう。

秋浴衣の選び方

秋浴衣の選び方

浴衣は素材や柄、色味などで季節らしさを演出すると、おしゃれの幅が広がります。秋の雰囲気をまとえる素材や柄、色味を考えながら秋浴衣を選んでみてくださいね。

1.素材

安価で手に入るものはポリエステル素材のものですが、涼しさや着心地で選ぶのなら天然素材がオススメです。汗を吸いやすくさらりとした肌触りを楽しめるため、気持ちよく着られますよ。なお、秋浴衣として選ぶなら、素材は厚みがあり透け感のない「綿コーマ地(手拭い生地)」、透け感が控えめな「綿紅梅生地」「綿麻」などがよいでしょう。

素材によっては明るいところで下着が透けてしまう恐れもあるため、くるぶし近くまである和装スリップなどの専用肌着や、透けない色合いの浴衣を選ぶと安心です。

2.柄と色味

秋らしさを感じさせる柄を選ぶとより秋浴衣を楽しむことができます。なお、季節感のない「幾何学柄」「矢羽柄」などを選ぶとモダンな雰囲気を出せることでしょう。

色味は、アースカラーやくすみカラーなど夏の浴衣より落ち着いた色味を選ぶと、季節感を出すことができます。柄や色味で季節や気候を表現することができるため、洋装とは違ったおしゃれを楽しめます。

秋を感じる絵柄の一例
「秋草」「萩」「桔梗」「撫子」「すすき」「女郎花」「藤袴」「葛」「稲穂」「鶏頭(けいとう)」「菊」「秋桜」「ぶどう」「木の実」「月見」「うさぎ」

おうち服としても着てほしい「秋浴衣」をオススメする理由は?

おうち服として着てほしい秋浴衣をオススメする理由は?

お祭りや行事はもちろん、気軽なお出かけなどのタイミングで浴衣を選ぶのもよいですが、おうち服として使うのもオススメです。季節感はもちろん、伝統も感じることができ、おうち時間がいつもと違う特別なひとときに変わるでしょう。また、気軽さ・気楽さを目的とするリラックスした着こなしを楽しむことができます。

「おうち縁日」をテーマに「おうちで秋祭り」などを企画して、親子で浴衣を着るのもすてきですね。そのほか、おうちで浴衣を楽しむポイントをご紹介します。

【秋浴衣でうち縁日もオススメ!】準備のコツと子どもが喜ぶ屋台メニューはこちらから!

1.快適なルームウェアとして着られる

おうちで浴衣を着るときは、着崩れや透けをさほど気にする必要がないため、ゆったりと着ることができます。汗を吸いやすく通気性も優れているので、まだ気温が高い日もある秋シーズンのルームウェアにぴったりです。

また、露出が少なく手足が隠れる仕立てなので、冷え性の方にも適しています。一日中エアコンが効いた部屋にいるときにもオススメです。

子どもの部屋着にするときは、あらかじめ紐が縫いつけられた浴衣や甚平(じんべい)が便利です。着崩れしにくく着つけの手間も短縮できるので、動き回る子どもでも快適に過ごせると思います。また、子どもは秋でも汗をかきやすいので、汗を吸い取りやすい肌着もいっしょに着るようにしてくださいね。

2.着付けの手順を省略してもよい

着物を着るときには、基本的に「腰紐」や「伊達締め」という着物を支えるための紐を最低でも5本は使用します。浴衣では長襦袢を着用しないため、紐は3本あれば十分ですが、2本でも着ることは可能です。

紐の1本目は着丈を決めるために、2本目は胸がはだけないよう衿を固定するために使用します。3本目は「伊達締め」とよび、お端折り(※)を押さえるために使います。ただし、浴衣を気軽に着る目的でいうと室内では「伊達締め」を使わなくてもよいので、手間を省き、気楽に着ることができます。

「伊達締め」を省略すると締めつけの具合や体感温度などが変わります。ただし着崩れしやすくなることもあるので、外で着るときは「伊達締め」を使って着つけるようにしてくださいね。

(※)お端折り(おはしょり)…帯の下に出ている折り返してある部分を指し、着物の長さを調節するための役割を持つ。

3.帯も簡単な結び方でOK

浴衣を着たときの帯は、「半幅帯(はんはばおび)」で「貝ノ口」や「蝶々結び」にするのが一般的です。けれどおうちの中で気楽に着るときは、巻いて結ぶだけの「兵児帯(へこおび)」や、面ファスナーが縫いつけられている「ワンタッチ式の帯」がオススメです。

「兵児帯(へこおび)」の代わりに、ストールやショールを帯代わりにするとさらに手間を省くことができます。薄手のニット地などの素材のものを選ぶと、秋らしさも演出できますね。

4.着つけの練習として着ることができる

大人の習い事のひとつに着物の着つけがありますが、普段から浴衣を着ていることで、着つけの練習を兼ねることができます。秋シーズンから浴衣の着つけに慣れることで、七五三やお正月などに向けて着つけの練習になるかもしれません。

子どもにも普段から浴衣を着せていると、行事のときも抵抗なく着物を着てくれそうですね。

秋こそ浴衣を取り入れておうち時間を快適に過ごそう

秋こそ浴衣を取り入れておうち時間を快適に過ごそう

お気に入りのいつもの洋服もよいですが、普段とは異なる装いを取り入れることで、毎日にいろどりが加わります。日本ならではの文化を味わえる浴衣を日常に取り入れて、いつもとはちょっと違った秋のおうち時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

監修:兵庫県三木市呉服専門店「さ栄き」

【引用】
(※1)特定非営利活動法人 日本ゆかた文化協会「ゆかたの歴史」
https://yukatabunka.com/

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