【育児疲れしているママたちへ】肩の力がホッと抜ける育児術&考え方/藤田敦子さんの“賢い子”を育てるポジティブ教育法

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シングルマザーで2人の息子さんを難関私立中高一貫校、そして公立大学医学部現役合格へと導いた藤田敦子さん。現在は一般社団法人日本ぺたほめアカデミー協会代表理事として、主に小学3年生までのお子さんのいるご家庭を対象に、“受験子育て”にまつわる相談を多く受けていらっしゃいます。

ここでは小学3年生までのお子さんのおられるご家庭向けに、親子関係や家庭学習、中学受験に関することなど、さまざまな視点から藤田さん流の“幸せな子育て&賢い子を育てる”ためのアドバイスを発信していきます!


取材・文/細川 麻衣子 写真提供/日本ぺたほめアカデミー協会

目次

≪第5回(毎月1回公開/全12回)≫

今回は、子育てを頑張っているママたちへ、藤田さん流の❝肩の力がホッと抜ける育児術&考え方❞をお伝えします。日々はもちろん、夏休みなどの長期休みは特に子どもと過ごす時間が密になり、どうしても疲れがたまりがち。そんなときのヒントになれば幸いです。

声掛けは「ごめんね」より「ありがとう」

子どもとのコミュニケーションで大切にしたい声掛けの中で、特にママが疲れているときだからこそ、口癖のように言いがちな言葉があります。それは「ごめんね」
これを言い換えるだけで、親子がお互いに気持ちよく過ごせるようになります。

それは―――
「ありがとう」です

いっけん当たり前のようですが、疲れているときにこそ「ごめんね」は言ってしまいがちです。それをできるだけ意識的に「ありがとう」に言い換えてみて下さい。


— 夏休みなのに全然遊びに行けていない
×「留守番ばっかりさせちゃって、ごめんね
「留守番して待っててくれて、ありがとう

— 働いていて、なかなか子どもにかまってあげられない
×「全然遊んであげられなくて、家にずっと居させてしまってごめんね
「今日も家のお手伝いたくさんしてくれて、ありがとう

このように、「ごめんね」を「ありがとう」に言い換えるだけで、その後の親子の会話も自然と弾んでいきます。

多くの場合、ママが言う「ごめんね」は、子どもにとって―――
「自分のせいでママが辛くなっちゃってる……」
「ママのお仕事の邪魔をしちゃってるのかな」

など、不安に感じさせてしまうことがあります。

「ごめんね」と子どもに対して言う場面の多くは「ありがとう」に置き換えることができます。これによって子どもは❝自分の頑張りでママ(家族)がうれしい気持ちになった!❞と、ポジティブな出来事と捉えることができます

ぜひ「ごめんね=あやまる」を「ありがとう=感謝」に言い換えてみてください
ポジティブな言葉を発することで、自然と❝疲れ❞の回復も早まるはずです。

自分に自信が持てないママは○○してみて!

家事や育児がなかなか思うようにできず、自信を無くしてしまっているママ、自己嫌悪に陥ってしまっているママ、そして自分のことが好きになれないというママたちへ、ぜひしてみてほしいことがあります。

「ママのどこが好き?」って、お子さんに聞いてみてください!

子どもにとってこの質問は、大好きなママに大好きなことを伝えられる大チャンス! 

―――きっと
「優しいところ!」
「いっしょに遊んでくれるところ♡」
「美味しいごはん作ってくれるところ!」
などなど、

普段感じている、ママの大好きなところを伝えてくれるはずです。もしお子さんがすぐに言葉で表現できないようなら、「ママは○○くんの優しいところが好きだよ」「いつも自分からお手伝いしてくれるところが素敵だと思っているよ」などと、まずはママのほうからお子さんの好きなところを伝えてみてください。きっとそれを聞いたら「じゃあ僕はね…!」と、具体的にママの好きなところを伝えやすくなるはず。

ママ自身が疲れて自分に自信が持てないときは、ママのことが大好きなお子さんの気持ちを、ぜひ聞いてみてくださいね

❝手を抜く❞ことは悪いことではない!

毎日毎日、家事して育児して働いて……。どれだけのママたちが頑張っていることでしょう。頑張り過ぎるとしんどくなり、イライラも増えてしまいます。

頑張っているママたちだからこそ❝自分なりに賢く手を抜く方法❞を見つけられると良いのではないかと思います

手を抜くということを、さぼっていると捉えるのではなく
「子どもとの時間を作るため」と思いましょう! 

【藤田さんの場合】
●掃除は毎日しなくても、死なへん! (そう思うことが大事!)
●食事はお惣菜屋さんにも頼る! (無添加や手作りがイイと言うなら、総菜屋のおばちゃんの❝手作り❞料理をチョイス)
●食器は食洗器に入るものしか使わない! (時短テク!)
●朝勉強はさせない! (息子の朝のペースに、朝勉強は合わなかったので)
●家事の一部は実家の母に手伝ってもらう! (甘えられる人がいるなら甘えましょう)
●車は雨の日に洗車! (雨が汚れを流してくれるから、節水にもなり一石二鳥)

など。すべては、「子どもとの時間を作るため」のテクニックになっています!

家事は時短を心がけて❝完璧❞を目指し過ぎず、気楽にできるよう心掛けました。我が家の場合は母に手伝ってもらうときもありましたが、ご実家が遠方などで頼れる親族が近くにいない場合は、家事代行業者などを駆使することもひとつの手段です。

家庭学習については、「朝勉強は脳の記憶効率に一番いいらしいから、朝に勉強させたい!」など、保護者目線で朝勉強を取り入れるご家庭も多いのですが、我が家の息子は2人とも朝勉強は一切しませんでした。いつもギリギリまで寝ていましたから(笑)。もちろん、早起きができて朝勉強を無理なく取り入れられるお子さんなら、朝勉強はとてもよいものだと思います。でも無理やり起こして毎日必ず勉強させる! などとルールのように決めてしまっていると、保護者も子どもも疲弊してしまいます。子どもの学習ペースはそれぞれ違いますから、理想や完璧を求めず、子どもひとりひとりのペースに合わせて「出来ないものはやらない!」と、する決断することも、ときには必要です。

≪関連記事≫【専門家監修】親が頑張りすぎると逆効果?子どもを燃え尽き症候群にしないための「ストレスコーピング」のすすめ

ママ自身に合うストレス発散法を見つける!

なにかとママたちは子どものことを優先して、自分のことを後に回しがちです。でも、ママが笑顔&元気でいることこそが、子どもの健全な成長に必要な事なのです。そこで、ママ自身がどうしたら❝楽❞になれるかを考えてみましょう

【藤田さんのストレス発散法】
●移動中の車の中で、爆音ひとりカラオケ!(歌うのが大好きなので♪)
●お友達とランチしてしゃべる! (やっぱり❝しゃべる❞って大事!)
●親に仕事の愚痴を聞いてもらう(弱音を吐く・聞いてもらうことで、ためないように!)
●自分へのプチごほうびに❝美味しいチョコ❞を用意!(子どもには内緒でこっそり食べていました♡)

私自身フルタイムで働いていましたので、子ども達にかまってあげたいけれど、思うようには時間が取れない時期もありました。でも忙しいのは子どもたちだっていっしょ。学校や塾で毎日頑張っているんですよね。だから、家族みんなが笑顔でいられるようにするにはまず、私自身が元気でいることが大切。だから、自分の機嫌は自分でとる! を心掛けてきました。

ストレス発散法は、ママひとりひとり違います。まずは自分を分析して、どうしたら❝楽❞になれるか? を探し、実行できることから始めてみてください。

1日1回、大笑いしてから寝る!

❝笑い❞は重要です! 普段はもちろん受験のときこそ、実は大切なんです。私はいつも「今日は何を言って、息子たちを笑かそうかなぁ…!」と思いながら過ごしていました

寝る前までに、何も笑うことが出来なかった日は……❝笑い❞必勝法として「寝る前のゴキブリ体操」がオススメ! ベッドや布団に仰向けになった状態で手足を天井に向け、勢いよくブラブラ振る!!! まるでゴキブリが殺虫剤でやられたときの……あの状態です。これを、子どもたちの前でやってみてください。見た目がね、爆笑ですよ♪ でもこの体操、血行が促進されますので健康の観点からしても、むくみ解消になどにも効果的。

そして❝笑い❞のためにも、寝る前にぜひ。私は、よくしていましたよ(笑)。

子どもは、受験(や試験など)が近づくと『あと○日』などと塾に張り出されたりするので、緊張が増していきます。だからこそ家は、安心してくつろげてリラックスできる空間にしてあげたい――。このために❝笑い❞をたっぷりと活用することが、我が家の笑顔&健康&ストレス解消の秘訣でした。

実際に、❝笑い❞が健康に良いことを裏付ける研究結果も複数あります

【❝笑い❞で生み出される健康効果の例】
●ストレスホルモンの減少
●免疫機能の向上(感染症や病気に対する抵抗力を上げる)
●精神的な幸福感の増加(セロトニンなどのホルモンにより気分が前向きに)
など。

このように❝笑い❞は、体に良い効果を与えてくれるのです。

外で一日頑張って帰宅したあとは、寝るまでの時間のどこかで、家族で会話を楽しんで、時には冗談を言い合ったりして、❝笑い❞合えるとベスト! 家族みんなでコミュニケーションをとりながら健康も促進出来ていいこと尽くし♪です。


今回は「子育てを頑張ってるママたちへ、藤田さん流の肩の力がホッと抜ける育児術&考え方」をお伝えしました。ぜひ参考にしてみてください。

次回9月は、『賢くなる食べ物(仮)』をお届けします。その後も学習や受験へのアドバイスをはじめ、子育ての悩み相談まで、さまざまなテーマで藤田さんにお話をお伺いしていきます! お楽しみに♪

この記事の監修・執筆者

一般社団法人日本ぺたほめアカデミー協会 代表理事 藤田 敦子

一般社団法人日本ぺたほめ®アカデミー協会代表理事。ぺたほめ®医専アカデミー代表。日本心理学会認定心理士・日本心理学会正会員。同志社大学文学部心理学専攻卒業。

息子二人を洛星中学校・高等学校卒業後、京都府立医科大学医学部医学科現役合格(現在は二人とも現役医師)に導いたシングルマザー。現在は、ご自身の子育てで培った「ぺたほめ®教育法」で多くの保護者から教育・育児相談を受けている。

子どものやる気と自信を育てる「ぺたほめ7日間無料メール講座」

無料ぺたほめ公式ライン

著書『受験も人生も楽しめる! 3~9歳 理系脳・運動脳が育つぺたほめ親子あそび』1,650円(税込)/小学館

著書『母親が変わればうまくいく第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』1,650円(税込み)/講談社

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