“イマドキの中学2年生”は、どのような生活を送っているのでしょうか?
学研教育総合研究所が2010年から実施しているインターネット調査「中学生白書Web版」の、2023年10月調査の結果をまとめてみました。
中学2年生200人に聞いた、リアルな生活実態とは?
「悩み事がある」人は63.0%
今、悩んでいることがあるかをきいたところ、1位「学習に関すること」(32.0%)、2位「学校での友だち関係」(25.0%)、3位「学校での先生との関わり」(12.0%)となりました(下の表「学年別」 「中学2年生」の部分参照。)
男子は「悩み事は特にない」と答えた人が45.0%でしたが、女子は29.0%と低く、男女で差が見られました。特に、女子は「学校での友だち関係」と答えた人が31.0%と、学習に次いで高い結果となりました。
学年別にみると、悩み事がある人の割合は上の学年ほど高くなる傾向がみられ、3年生では68.0%となりました。
57.0%が学習塾に通う、3年前より12.0ポイント上昇
学校以外で行っている習い事をきいたところ、「受験のための塾・学校の補習のための塾」(57.0%)が突出して高くなり、「英語塾(読み書き中心)」(10.0%)、「英会話教室」(9.0%)、「通信教育」(7.0%%)と、いずれも勉強に関する習い事が上位を占めました。
参照:「学研教育総合研究所 白書シリーズweb版/中学生白書2023年」(以下同様)
また、「学校以外で行っている習い事(勉強やスポーツなど)はない」は23.5%で、1位の塾に次ぐ結果となりました。
学年別にみると、「受験のための塾・学校の補習のための塾」は上の学年ほど高くなる傾向がみられ、3年生では63.0%となっています。
3年前の2020年調査と比較すると、「受験のための塾・学校の補習のための塾」は前回調査45.0%→今回調査57.0%と、12.0ポイント上昇しています。
将来なりたいものは、「漫画家」や「プログラマー」
将来なりたいと思っているものをきいたところ、女子の1位は「漫画家・イラストレーター」(7.0%)で、2位は「学校の教師・先生」「薬剤師」(いずれも6.0%)となりました。
男子は、1位が「エンジニア・プログラマー」(6.0%)、2位は「会社員」「プロサッカー選手」「医師」(いずれも4.0%)と、1位、2位ともに男女で違いが見られました。
また、「わからない」は36.5%と最も多く、こちらは小学生(31.5%)よりも高くなっています。
1か月に読む本は1.5冊、1冊も読まない人が4割に
月にどれくらい本を読むか、【本】【まんが】【電子書籍】に分けてきいたところ、【本】では「1冊」(22.0%)に多くの回答が集まり、平均は1.5冊でした。
また、「読まない」と答えた割合は40.5%となりました。
【まんが】は、読む冊数の平均は2.2冊で、「読まない」は36.0%となり、本よりもまんがを読む人の方が多いことが分かりました。
通信機器に費やす時間は1日に約2時間
家庭内で自由に使える通信機器がある人(194名)に、1日にどれくらいの時間を費やしているかをきいたところ、「2時間~3時間未満」が24.2%と最も多く、平均は1時間53分でした。
男女別にみると、通信機器に費やす時間の平均は、男子は2時間2分、女子は1時間44分と、女子より男子の方が長く使用している傾向が分かりました。
高校選びは63.0%が「自宅からの距離」を重視
受験について質問しました。
子ども自身が受験する高校を選ぶ際に重視したいことをきいたところ、「自宅からの距離」(63.0%)が最も高くなり、「偏差値」(51.5%)、「在校生の雰囲気」(22.5%)が続きました。
子ども自身と保護者の回答結果を比較すると、どちらも「自宅からの距離」「偏差値」が高い結果となりましたが、その他については、子どもは「部活動」「在校生の雰囲気」、保護者は「学校の教育方針」「学費」と、異なる結果となりました。
クラスに長期間休んでいる人が「いる」は半数超え
クラスには、長期間お休みしている人がいるかをきいたところ、「いる」は50.5%と、半数を超える結果となりました。
男女別では、女子が58.0%と、男子(43.0%)より多い結果となりました。
7割強が英語のリスニング学習を実施
英語のリスニング学習について質問しました。
英語のリスニングの学習では、どのような機器で音声を再生しているかをきいたところ、「スマートフォン」(43.0%)が最も高くなり、「タブレット」(28.0%)、「パソコン」(15.5%)と続きました。「そのような学習はしない」は28.0%となり、リスニング学習をする人の割合は72.0%でした。
受験対策や英語力向上のために、ふだんの学習にリスニング学習を取り入れている人が多いようです。
また、男女・学年別にみると、リスニング学習をする人の割合は、上の学年ほど高くなる傾向がみられ、3年生では76.0%でした。
男子の“推し”はYouTuber
“推し活”について質問しました。
“推し”がいるかどうか、いる場合は“推し”のジャンルとしてあてはまるものをきいたところ、「推しはいない」は31.5%、「推しがいる」人の割合は68.5%となりました。
“推し”のジャンルをみると、男子の1位は「YouTuber」(23.0%)、2位は「アニメ・まんがキャラクター」(16.0%)、女子の1位は「アイドル」「アニメ・まんがキャラクター」(ともに21.0%)でした。
白書シリーズについて
『白書シリーズ』は、幼児(3~5歳)、小学生、中学生、高校生を対象とした大規模アンケート調査です。子どもたちの日常生活や学習、将来つきたい職業や習い事に至るまで、調査内容は多岐にわたります。40年以上前から、時代と共に変わりゆく子どもたちの“いま”を捉え、発信し続けています。
回答者の属性
2023年度調査時に中学1~3年生であり、性別は男子と女子が半数ずつ。
【3学年総合計600人】
1年生 200人 (男子100人/女子100人)
2年生 200人 (男子100人/女子100人)
3年生 200人 (男子100人/女子100人)
【住んでいる地域】
人口比率を考慮し、日本全国から回答を得ることができるように実施。北海道・東北地方(8.5%)、関東地方(34.0%)、中部地方(21.2%)、近畿地方(18.0%)、中国・四国地方(9.5%)、九州・沖縄地方(8.8%)。
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