【約半数が将来なりたいものが「わからない」】イマドキの中学3年生とは

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【約半数が将来なりたいものが「わからない」】イマドキの中学3年生とは

“イマドキの中学3年生”は、どのような生活を送っているのでしょうか?
学研教育総合研究所が2010年から実施しているインターネット調査「中学生白書Web版」の、2023年10月調査の結果をまとめてみました。
中学3年生200人に聞いた、リアルな生活実態とは?

目次

将来なりたいものは「わからない」が49.5%

将来なりたいと思っているものをきいたところ、男子は「会社員」(5.0%)、「公務員」「その他スポーツ選手」(いずれも4.0%)となり、女子は「公務員」(6.0%)、「看護師」「保育士・幼稚園教諭」「パティシエ」(いずれも4.0%)となりました。(下の表「学年別」 「中学3年生」の部分参照。以下同様)。

しかし、「わからない」と答えた人が男女とも最も多く、あわせて49.5%と約半数にのぼっています。

ちなみに、2017年の調査時では「わからない」と答えた人は35.5%でしたが、2020年の調査では52.0%となっていることから、『AIの普及により、現在ある仕事の約50%がなくなる』と言われ始めたことなども、将来何になりたいか「わからない」と答える中学生が増えた要因の一つとなっているのかもしれません。

塾に通っている人は63.0%に

学校以外で行っている習い事をきいたところ、「受験のための塾・学校の補習のための塾」(63.0%)が突出して高くなり、次いで「音楽教室」(8.0%)、「水泳」(6.0%)という結果となりました。

また、「学校以外で行っている習い事(勉強やスポーツなど)はない」は25.0%となっていることから、中学3年生では塾以外の習い事をしている人は少数であることが分かります。

学年別にみると、「受験のための塾・学校の補習のための塾」は上の学年ほど高くなる傾向がみられました。

なお、2017年の調査では「受験のための塾・学校の補習のための塾」は47.5%となっており、この6年で15.5ポイント上昇しています。

高校選びは女子は「制服」、男子は「部活動」も重視

受験について質問しました。
子ども自身が受験する高校を選ぶ際に重視したいことをきいたところ、男女ともに「自宅からの距離」(男女とも59.0%)が最も高くなり、2位は「偏差値」(男子49.0%、女子40.0%)となりました。

また、男子は「部活動」(30.0%)、女子は「在校生の雰囲気」(28.0%)や「制服」(22.0%)が高く、男女で差が出る結果となりました。

内申を意識するのは中学3年生の1学期

内申点を意識し始めたほうが良いと思う時期はいつかをきいたところ、「中学校3年生の4月~6月」(21.0%)が最も高くなりました。

ただ、中学3年生の7月~9月は5.0%、10月~12月は0.5%と低く、一年を通して大事なのは「中学2年生」(31.0%)という結果にもなっています。

男子は「学習に関すること」女子は「人間関係」で悩んでいる

今、悩んでいることがあるかをきいたところ、男女ともに1位は「学習に関すること」(46.5%)で、男女別では男子は55.0%、女子は38.0%となりました。

男子については、「学習に関すること」と答えたのは中学1年生では29.0%、中学2年生では28.0%でしたが、中学3年生になると勉強について悩む人が増えるようです。

また、女子は「学校での友だち関係」が27.0%で男子(11.0%)より多く、その他にも「自分の容姿・性格」「学校での先生との関わり」「塾や習い事での先生との関わり」「きょうだいとの関わり」「塾や習い事での友だち関係」などにおいても男子より多いことから、女子は他人や兄弟との人間関係について悩む傾向が高いことが分かります。

悩み事は男女とも母親に相談

不安や悩みがあるときに、誰に相談するかをきいたところ、「母親」(65.5%)が最も高く、特に女子では74.0%ととても多い結果となりました。

反対に、男子は「父親」と答えた人が32.0%と、女子(20.0%)と比べて多くなりました。

クラスに長期間休んでいる人が「いる」は、半数超え

クラスに、長期間お休みしている人がいるかをきいたところ、「いる」は51.0%、「いない」は49.0%と、休んでいると答えた人の割合の方が多くなりました。

男女別では、男子が53.0%と、女子(49.0%)より多い結果となりました。

リビング学習をする人は4割

子どもが放課後や休日に、どこで勉強をすることが多いか(あてはまるものすべて)をきいたところ、「自宅の自室」(68.0%)が最も高くなりましたが、「自宅のリビング」も40.0%と高く、勉強する場所はあまり固定せず、状況により変えていることが分かります。

また、学年別にみると、「塾の自習室」は上の学年ほど高くなる傾向がみられ、3年生では17.0%となりました。

苦手な教科は男子は「英語」、女子は「数学」

一番苦手な教科をきいたところ、男子は「英語」(30.0%)、女子は「数学」(28.0%)と男女で違いが見られました。

また、男女合計では、1位「英語」(23.0%)、2位「数学」(21.0%)、3位「国語」(11.0%)、4位「理科」(8.0%)という結果になりました。

就寝時間は「23時以降」が約半数に

ふだん夜何時ごろに寝ているかをきいたところ、「23:01以降(48.0%)」に多くの回答が集まり、平均時刻は22:48でした。

過去の調査と比較すると、全体の平均時刻は、23:01(2017年)→22:54(2020年)→22:48(2023年)と、少しずつ就寝時刻が早くなっていることがわかりました。

白書シリーズについて

↑↑紹介した調査以外にも、「放課後の過ごし方」「おこづかい」「通信機器の利用時間」など、より詳しい調査結果が見られます↑↑

『白書シリーズ』は、幼児(3~5歳)、小学生、中学生、高校生を対象とした大規模アンケート調査です。子どもたちの日常生活や学習、将来つきたい職業や習い事に至るまで、調査内容は多岐にわたります。40年以上前から、時代と共に変わりゆく子どもたちの“いま”を捉え、発信し続けています。

回答者の属性

2023年度調査時に中学1~3年生であり、性別は男子と女子が半数ずつ。

【3学年総合計600人】

1年生 200人  (男子100人/女子100人)
2年生 200人  (男子100人/女子100人)
3年生 200人  (男子100人/女子100人)

【住んでいる地域】

人口比率を考慮し、日本全国から回答を得ることができるように実施。北海道・東北地方(8.5%)、関東地方(34.0%)、中部地方(21.2%)、近畿地方(18.0%)、中国・四国地方(9.5%)、九州・沖縄地方(8.8%)。

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