小学校入学を控えたお子さんのいらっしゃるご家庭では、さまざまな入学準備がありますよね。ランドセルや文房具、上履きなどの日用品準備はもちろんですが、親と離れて過ごす時間が増える小学校生活が始まる上で大切な入学準備のひとつに“家族ルールを決める”ことが含まれると思います。
いろいろな考えを持った家庭の子どもが集まる小学校生活。お金の使い方やキッズ携帯・スマホとの付き合い方、帰宅時間など、お子さんの新しい環境を想定しながら“家族ルール”について考えてみませんか?
今回は、小学生のお子さんがいる保護者のかたにアンケートを実施。入学後に困惑したことやその解決策を質問し、入学前に決めておいたほうがよいと思う家族ルールについてうかがいました。
【1】先輩保護者が語った小学校生活が始まって困惑したことトップ3
【第3位】は“ことば遣い” わが子がこんなこと言うなんて…
保育園や幼稚園では、温かく柔らかな言葉に包まれて過ごすことが多かった子どもたち。しかし、アンケート結果で3番目に多かったのは、小学校入学後に起きた子どもの“ことば遣いの変化”でした。「外で覚えてくることばは驚くほど多い! 今まで使っていなかったようなことばを話すようになりびっくりした」、「これまで使わなかった乱暴なことばを覚えてきて困った」という声があり、意味を知らずに使っている子どもや“みんなが使うから”という理由で覚えたてのことばを発していることもあるそう。
そんな時、先輩保護者のかたがたはどう対応したのでしょうか?
「人を悪く言うようなことばは、どのような意味があることばなのかをしっかり理解させ、それでも口にしたいことばなのか、子どもと話し合いました」という意見や、「二度とそのことばを使わないよう約束した」、「ことば遣いを直させた」というようにそのことばが持つ意味を説明し、使わないように促したかたがほとんどでした。
【第2位】は、放課後のお友だちとの過ごし方
保育園・幼稚園時代とは異なり、親の同伴なく子どもだけで遊ぶようになるのも小学生になって訪れる大きな変化の1つ。「不審者に気をつけて」「夕焼けチャイムが鳴ったら帰ってくるのよ」などと、いきなり声かけをしたところで、ついこの間まで保護者に見守られながら「帰る時間だよ」と言われるまで遊んでいた子どもが、いきなり約束を守れるのか…保護者としては不安しかないですよね。
実際に、アンケートの回答の中にも、以下のような声が多々ありました。
「子どもだけで外で遊ぶことが当たり前になり、安否が心配になった」
「お友だちの家に行く約束をしていても、親同士が知り合いでないと確認も取れないので心配だった」 「『〇〇さんの家で遊ぶ』と言って出かけたが、途中から公園で遊んだりしていることが多く、実際はどこにいるのかわからないことが増えてしまった」
「お友だちとの約束そのものがきちんとできていないこともあり、待ち合わせがうまくいかず、泣きながら帰ってきたこともあった」
「お友だちの家とわが家で門限が異なり、帰宅時間を守らせるのに理由をしっかり説明する必要があった」
このような状況を防ぐために小学生の保護者のかたが、取り組んだことをいくつかご紹介します。
「GPS機能のあるキッズ携帯やアラーム機能付きの腕時計を持たせた」
「相手の家に向かう時に親も一緒に行き、遊ぶ約束をしているか確認している」
「親の交流もない家にお邪魔させるのは嫌なので、友だちとは公園で遊ぶという約束をした」
「交流のあるお友だちの親御さんを参観日などで探し、連絡先を交換した」
楽しいことだけでなく危険や心配も伴う家の外での過ごし方は、ご家庭ごとのルール設定が一段と必要になりそうですね。
【第1位】は“お友だちとのトラブル”
入学後に困惑したことの中で、最も多かったのは“お友だちとのトラブル”。担任の先生がついているとはいえ、児童一人ひとりの言動を全て把握することは不可能です。いざトラブルが起きた時には子どもの言い分が食い違うこともあり、真相が明らかになることは少ないようです。
アンケート回答の中には「他の保護者と顔を合わせる機会がとても少ないので、名前や子ども(どの子の保護者なのかということ)がなかなか覚えられなかった」という声もありました。
このような状況下で、学校からの電話連絡や子どもの話で知ることになるお友だちとのトラブルにどう対応してよいか困惑しそうです。
実際にどんなトラブルが起きたのか聞いてみました。
- 「1年生の頃、同じ子におもちゃを2度も持ち帰られてしまった。」
- 「鉛筆や消しゴムを取られて返してもらえなかったり、水たまりがあるところで後ろから押されて洋服が汚れたりした。」
- 「買ってすぐの水筒を、学校でお友だちに壊された。
- 「けんかをして、頭をけがして帰ってきたことがあった」
トラブルが起きてしまったら??
実際に、このようなトラブルに巻き込まれた場合、学校の先生に相談すべきか、子ども同士で解決させるべきか、親同士が話し合うべきか…。多くの保護者のかたがこの三択で悩むと思います。低学年のうちは、子ども同士での解決が難しく、トラブルの内容によって学校または相手の親を交えて話し合うことを決めるかたが多くいようです。特に物を壊された・壊したトラブルやけがを負わされた・負わせたトラブルは大人が介入していることがアンケートからわかりました。トラブルが起きてから慌てることのないよう、いざという時にどうするか考えておくとよいでしょう。
【2】トラブルになったら怖いキッズ携帯・キッズスマホとお金
キッズ携帯・キッズスマホ、みんなは持ってる?
一人で外出することが増える小学校生活では、子どもの安全を守るため、キッズ携帯やキッズスマホを持たせる家庭が増えています。
今回のアンケートからも、2~3人に1人がキッズ携帯または、スマートフォンを利用していることがわかりました。自治体によっては、入学時に防犯ブザーを配布(または貸与)してくれますが、防犯ブザー機能のほかにも電話・メール機能、GPS位置特定機能の役割をも果たすことが大きな魅力といえます。現に「子どもたちだけで遊びにいくようになったので、居場所がわかり安心」という声が多く、持たせたきっかけも「約束の時間になっても帰宅しないことがあり心配だったから」と、その機能を求める声がほとんどでした。
その一方で、小学生に携帯やスマートフォンを持たせるのは危険! という声があることも事実です。持たせない場合は、お友だちが持っている可能性があることも視野にい入れたルールを。持たせる場合にはフィルタリング機能など親がしっかり設定を行ったうえで使用上のルールを定めることをおすすめします!
小学生にお金…持たせる? 持たせない?
トラブルに発展しやすいお金。「お友だちが買ってくれた」と子どもに10円ガムを差し出されたらどうしますか? 緊急時用など、お友だちと遊ぶ際にお金を持たせるという家庭もあります。
「少額なら」「用途を決めてなら」「金銭感覚を身につけさせたい」という賛成意見の一方で、「お金の管理が難しい」「いろいろな事件に巻き込まれることもある」という反対意見も見られたお金にまつわるアンケート。いつから持たせるか、または持たせないのかを家でよく話し合い、持たせる場合はお金の感覚が身についた上で
- お友だち同士での貸し借りは絶対にしない
- 買ってあげたり、買ってもらったりしてはいけない
など、大きなトラブルに発展しないためのルールをしっかり伝える必要があるでしょう。
【3】先輩ママパパが伝えたい! 入学前に決めておいたほうがいいと思う家族ルール
放課後の過ごし方、お友だちとのトラブル、お金やスマホなど保育園・幼稚園生活ではほぼ無縁だったといえるワードが飛び交う小学校生活。最後に、先輩ママパパから届いた楽しく過ごすために決めておいたほうがよいと思う家族ルールを紹介します。
入学前に決めておいたほうがよい家族ルール
学校内・勉強編
- 宿題はいつやるのか、帰宅から就寝までのルーティン
- お友だちとトラブルになったらどうするか(必ず先生に話すなど)
- 登校・下校時について(寄り道をしない、通学路を守るなど)
放課後編
- お友だちの家で遊ぶ際のルール
(「いいよ」と言われても家に上ってはいけない、大人が不在の家には行かない、勝手に家のものを触らないなど) - 帰宅時間を決める
- 行動範囲を決める(学区外に出ない、お店に入らないなど)
- お金に関すること(貸し借りなど)
- 不審者と遭遇した際の対処(避難場所の設定など)
- 自転車の使用について
その他
- キッズ携帯・キッズスマホを欲しがられたらどうするか
- 「お金を持っていきたい」と言われたらどうするか
新しい環境で新しいお友だちとさまざまな経験を積んでいく小学校生活。運動会や音楽会でがんばる姿には、大きな成長を感じ感動するものです。先輩ママパパたちの声を参考に、楽しく無事に安全に6年間を過ごせるように、ぜひ家族ルールについて話しあってみてくださいね。
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