ドライフラワーは、草花や木の実、果実などを乾燥させたものです。アンティークな雰囲気が特徴で、花瓶(フラワーベース)に挿したり壁に吊るしたりしてインテリアに取り入れるほか、パーツを組み合わせて作品作りなどを楽しむことができます。
ドライフラワーは、草花の種類や飾る場所、管理の仕方によって飾れる期間は異なりますが、乾燥した状態で使用するので、3か月〜1年ほどもつといわれています。
今回はドライフラワーの作り方や、実際に飾っている方の例をご紹介します。ぜひ参考にして、ドライフラワー作りをしてみてくださいね。
文/マムズラボ
秋にドライフラワー作りが向いている理由とは?
ドライフラワー作りは、湿度が低く乾燥している時期に行うのがオススメです。秋から冬、春にかけては晴れて乾燥する日が多く、ドライフラワー作りに向いていると言えます。
特に秋にはドライフラワーにしやすい草花が多いので、記事を参考にチャレンジしてみてくださいね。
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ドライフラワー作りに向いている草花
ドライフラワーに向いている草花の特徴は、「水分量が少ない」「花びらが分厚い」などです。水分量が少ないものは短時間で乾くので、生花の状態に近い色や形が残りやすい傾向があります。また、花びらが分厚いと縮みを減らすことができ、きれいな仕上がりに近づきます。
花の場合はつぼみが完全に開いた日にドライフラワーにすると、いちばんきれいな状態で残すことができます。草花は花屋で購入したものでもよいですが、庭や公園、道端の秋の植物を使用するのもオススメです。
秋の草花
- 千日紅(センニチコウ)
- ヘリクリサム
- ブルーサルビア
- エキナセア
- ケイトウ
- セルリア
- バラ
- リンドウ
- ワレモコウ
- パンパスグラス
- コットンフラワー(綿花が結実しているもの)
- ススキ
- コバンソウ
- エノコログサ
- イヌタデ など
ほかの季節の草花
- カスミソウ
- スターチス
- スイートピー
- カーネーション
- ビオラ
- アナベル(セイヨウアジサイ)
- ミモザ
- ラベンダー
- エリンジウム
- アーティチョーク
- ラナンキュラス
- リューカデンドロン
- スモークツリー
- ユーカリ など
季節の草花をきれいに残す、ドライフラワー作りの下準備
続いて、きれいなドライフラワーにするための下準備について説明をします。状態のよいドライフラワーにするためには、草花を元気な状態にしておくことが大切です。「草花に元気がない場合」「庭などで取ってきた草花の場合」は、草花に水を吸わせ、全体に水分をいきわたらせる「水揚げ」を行いましょう。
花屋などで購入した草花は基本的に水揚げがされていますが、草花の状態によっては水揚げを行ってください。また、乾燥期間を少しでも減らすため「吊るす前に水気を切る」のもポイントです。
作り方
1.水の中で茎を切って水揚げをする
…新聞紙で草花をきつめに巻き、たっぷりと水を入れた深めの入れ物(バケツや花瓶など)に、新聞紙ごと漬ける
…花の状態・種類により、茎の2/3以上がつかる深さで 1~4時間程度漬ける
2.草花を入れ物から出し、新聞紙をはがす。草花についている水分をふき取る
3.傷んだり、重なったりしている花や葉があればカットする
自宅でできるオススメのドライフラワーの作り方4選
自宅でドライフラワーを作るための方法を4つご紹介します。子どもといっしょに作る場合は、はさみなどの道具の取り扱いには十分気をつけるようにしましょう。
1.ハンギング法
風通しのよい日陰で、逆さにして1、2週間ほど吊るす方法です。全体的に花や葉が縮み、水分が抜けカサカサとしていたら完成です。色あせを防ぐため、直射日光にはあてないようにしてくださいね。
花や葉の色を保った状態でドライにするには、短時間で乾燥させることがポイントです。乾燥を早めるには浴室乾燥機や衣類用乾燥機を使う方法があります。乾燥機の機種や草花の種類によりますが、天井から草花を吊るして乾燥機をかけると、2~6時間程度で乾燥が完了できるようです。
扇風機やエアコンの前に草花を吊るして水分を飛ばす方法も、1~3日くらいで乾燥が済みます。このとき、風量は弱めに設定するようにしてください。
ハンキング法の手順
準備するもの
・麻ひもや輪ゴム
作り方
1.草花を1本ずつに分ける
…茎が細いものや小枝の場合は2~3本ごとでもOK
2.茎部分を麻ひもや輪ゴムで縛る
3.風通しのよい場所に、1本ずつ逆さまに吊るす
4.1〜2週間ほど経過を見て、全体的に水分が抜けたら完成
2.シリカゲル法
ドライフラワー用の乾燥材「シリカゲル」で花を埋めて水分を抜く方法です。ドライフラワー用のシリカゲルは青色で粒が細かく、小さな花や花弁が多い花を立体的に残したい場合に向いています。
生花の鮮やかな色が残りやすく、乾燥による縮みも少なめで、きれいな状態でドライフラワーにしやすいのが特徴です。ただし、乾燥できるのは容器の深さに応じた部分たけなので、茎を切り取る必要があります。
また、青いシリカゲルは再利用することができます。鍋やフライパンに使用済みのシリカゲルを入れ、中火で5~10分程度炒るように木べらでかき混ぜます。シリカゲルの青色がはっきりしてきたら完了です。鍋やフライパン、木べらは調理用ではないものを使いましょう。
なお、シリカゲルに毒性はありません。誤飲してしまっても消化・吸収されずに自然に排泄されますが、子どもといっしょに作るときには、取り扱いに気をつけてくださいね。
シリカゲル法の手順
シリカゲル法には、「常温で1週間ほどで作る方法」と「電子レンジですぐに作る方法」があります。「電子レンジですぐに作る方法」の場合、電子レンジのメーカーや機種によっても乾燥時間が異なるため、様子を見ながら加熱するようにしてください。
準備するもの
・ドライフラワー用のシリカゲル
・容器
…「常温で1週間ほどで作る方法」フタつきの密閉容器
…「電子レンジですぐに作る方法」耐熱容器
・割りばし
共通の準備
1.花首の2cmほど下部分を切り取る
2.容器を用意する
…花が全部入り、少し余裕があるくらいのサイズ
3.ドライフラワー専用シリカゲルを1cmほど敷き詰める
4.その上に、ドライフラワーにしたい花を重ならないように置く
5.上からドライフラワー専用シリカゲルを入れて花を埋める
常温で1週間ほどで作る方法
1~5までを行う
6.容器にフタをして密閉し、数日~1週間ほどおいて完成
7.完成後、乾燥した花を取り出すためシリカゲルごと容器をかたむけて静かに中身を出す
…容器から出すときは、花が崩れやすくなっているため割りばしなどを使う
8.花についたシリカゲルをやさしくはらう
電子レンジですぐに作る方法
1~5までを行う
6.フタをせず、電子レンジで加熱する
……600Wで20秒、500Wで30秒ほどから始め、花の状態を見ながら20~30秒ずつ追加で加熱し様子を見る
…600Wの場合は全体で1分半、500Wの場合は全体で2分程度が目安
7.完成後、乾燥した花を取り出すためシリカゲルごと容器をかたむけて静かに中身を出す
…すぐに取り出さないと花が焦げることがあるため注意する
…容器から出すときは、花が崩れやすくなっているため割りばしなどを使う
8.花についたシリカゲルをやさしくはらう
3.グリセリン法
医薬品や化粧品などに使われるアルコールの一種であるグリセリン溶液を使い、ドライフラワーを作成する方法です。草花の色が美しいまま残りやすく、しっとりした仕上がりになります。花や葉の表面に溶液がしみ出してくるのが完成の目安です。
グリセリン法には、溶液に「漬ける方法」と、溶液を「吸わせる方法」の2種類があります。「漬ける方法」は葉や木の実がついた枝に、「吸わせる方法」は花に向いています。花に直接グリセリン溶液がつくと、花が痛む可能性が高いです。また、グリセリンは安全性の高い成分ですが、子どもの誤飲などにも注意して使用してくださいね。
グリセリン法の手順
準備するもの
・グリセリン
・熱湯
・割りばし
・花瓶やコップ
共通の準備
1.花瓶やコップに「グリセリン1:熱湯3」の割合で混ぜ、溶液を作る
2.溶液を冷ます
グリセリン溶液に「漬ける方法(葉や木の実がついた枝向き)」
1~2までを行う
3.グリセリン溶液の中に、葉や木の実がついた枝などを漬ける
…ほこりや異物が入らないように、ラップなどでフタをする
4.冷暗所で保管し、1週間~10日ほどおく
5.葉や木の実のついた枝に、しみ出したり付着しているグリセリン溶液をふき取り、乾かす
グリセリン溶液を「吸わせる方法(花向き)」
1~2までを行う
3.花の茎に少し切り込みを入れておく
4.グリセリン溶液に花を挿す
…ほこりや異物が入らないように、茎の周囲を囲むようにラップなどをかぶせてフタ をする
5.冷暗所で保管し、1週間~10日ほどおく
6.グリセリンが花にしみ出したり、ついている溶液をふき取り、乾かす
4.ドライインウォーター法
風通しのよい場所に置いた花瓶やコップに1~5cm程度の水を入れて生花を挿し、水が少しずつ蒸発していくのを待つ方法です。花瓶の水の交換や水を足す必要はありません。活けたままの状態でドライにするので全体の形が崩れにくいことがメリットですが、時間が経つと花や葉の色が褪せやすいです。
逆さに吊る必要もなく花瓶に挿した状態で乾燥させるため、ボリュームがあるアジサイや全体の形を保ちたい花に向いています。
ドライインウォーター法の手順
準備するもの
・花瓶やコップ
・少量の水(花瓶やコップの底から1~5cm程度)
1.不要な花や葉を取り除く
2.花瓶やコップに数cmほどの水を入れ、花を挿す
3.風通しのよい場所に置く
4.1〜2週間ほど放置し、カサカサした状態になれば完成
秋らしさを演出! ドライフラワーのあるインテリア5選
ドライフラワーは飾り方を工夫すると、すてきなインテリアになります。オススメのインテリア例をInstagramからご紹介しますので、参考にしてみてください。
1.ドライフラワー×大きめスワッグ
「MY(マイ)」さんのInstagramより(@dry_bouquets1977)https://www.instagram.com/p/Ch8WM4CvgM4/
壁やドアにつるしたり、棚に置いたりするだけでグッとおしゃれに見える、ドライスワッグです。好きなドライフラワーを束ね、麻ひもやリボン、ラフィアなどで縛るだけですてきな飾りになります。
アジサイ、スターチス、ユーカリのほか、シルバープルニアやグレベリアゴールドなどのワイルドフラワーがおしゃれなアクセントになっていますね。
2.ドライフラワー×ボックス
「Salvia」さんのInstagramより(@salvia214)https://www.instagram.com/p/Ch4e_AVvs-f/
アジサイの花弁、セルリア、スターチス、エノコログサ、ユーカリ、ベルガムナッツなどさまざまなドライフラワーをぎゅっと詰めたボックスです。ドライフラワーは花首をメインにカットし、箱の底面にグルーガンで接着します。
乾燥させたマメ科の植物「ソラ」から作ったソラフラワーも使われており、ソラフラワーにフレグランスオイルを垂らすことで香りを楽しむこともできます。
3.ドライフラワー×ブリキバケツ
「+Ludique プラスルディック」さんのInstagramより(@ plus_ludique.flower)https://www.instagram.com/p/Ch6sxlPhQAm/
100円ショップでも手に入るブリキのバケツに、たくさんのドライフラワーを挿したインテリアです。プルモサム、アジサイ(アナベル)、スターチス、エキノプスのほか、リューカデンドロン、コアトレーディングなどのワイルドフラワーが効いていますね。バケツは口が広いので、子どもでもかんたんに飾りやすくてオススメです。
4.ドライフラワー×空き瓶
「Café20dB」さんのInstagramより(@antiquecafe20db)https://www.instagram.com/p/Ch6DJH2vJQ0/
さまざまな大きさの空き瓶に、種類別に分けてドライフラワーを挿している例です。ドライフラワーのストック用として空き瓶を活用しているそうですが、インテリアとしてもおしゃれで、お店のようなディスプレイを楽しめそうですね。
ウイスキーの空き瓶は重さがあるので、ドライフラワーを挿しても安定するそうです。空き瓶は中をよく洗い、ラベルなどをはがしたものを使うと、より統一感が生まれます。
5.ドライフラワー×リース
「Baby’s smile」さんのInstagramより(@babys____smile)https://www.instagram.com/p/Chua0ACPQrh/
ぶどうのつるで作った土台にアジサイ、ルナリア、ユーカリを組み合わせ、リースを作ってからドライフラワーにした例です。ドライフラワーになった草花でリースを作ると、花が取れたり茎が折れる可能性があるため、「Baby’s smile」さんは先に生花でリースを作り、そのまま壁に飾る過程でドライフラワーにしたそうです。
土台は保護者が編み、生花を子どもが飾ることで、家族みんなでひとつの作品を作ることができますね。
秋はドライフラワーのある暮らしを楽しもう
季節を感じられる草花で作ったドライフラワーをインテリアに生かすと、自然をより身近に感じられます。家族のお気に入りのドライフラワーを飾って、お部屋に季節感を添えてみるのもいいかもしれませんね。
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