「動画を観るのがやめられない!なんで?」
「友だちとなんでもおそろいにしたくなるのはなぜ?」
「かげ口や悪口を言われていないか不安になるのはなぜ?」
『ふしぎなこころの世界』(Gakken)では、小学生100人へのアンケートで集めたリアルな「心のなぜ?」に、京都大学大学院・森口佑介先生が発達心理学の見地からこたえます。
ふしぎとついやってしまう、わかっているのにやめられない…そんな心のクセを知って、自分の心や気持ちとうまくつきあうためのヒントが満載の一冊です。
※『ふしぎなこころの世界』(Gakken)から、一部内容を抜粋してご紹介します。
ふしぎなこころの世界

きみは、自分の心や行動について「なんでだろう?」と思うこと、ないかな。
こういう「なぜ?」って、テストの問題みたいに正解が一つ決まっているわけじゃない。
だけど、なにかルールや法則みたいなものがあるはずだよね。
この本は、全国の小学生のみんなから集めた「なぜ?」に、発達心理学の立場からこたえるものだよ。
ぼくは森口佑介。大学で発達心理学を研究しているんだ。
発達心理学って何?
発達心理学と言葉だけ聞くと、むずかしそうに感じるかもしれないね。でも、やっていることはシンプルなんだ。
発達心理学は、「人の心が、成長とともにどう変わっていくか」を研究する学問。赤ちゃんから幼児期、小学生、中学生、高校生、そして大人まで、ものの見方や考え方、感じ方、友だちとのつきあい方がどんなふうに変わっていくのかを、じっくり調べる。
たとえば、「小さい子ほど、おばけをこわがりやすいのはどうして?」「大人になると、どうしてガマンが上手になる人が多いの?」。こういうことを、たくさんの子どもや大人に話をきいたり、ちょっとしたゲームや課題をやってもらったりして、データを集めて科学的に考えていくんだ。
大事なのは、「人の心には、どんなしくみがあるのかな?」とさぐるのが目的だということ。
みんなの疑問から始まる本
この本は、まずきみたちの質問から始まる。
つぎに、その質問について、きみの毎日の生活の場面を思いうかべながら、わかりやすい言葉で説明していくよ。
この本を読みおわるころ、きみはきっと、「自分の心」を今より少しだけ冷静にながめられるようになるはずだ。
この本では、発達心理学の研究でわかっていることを紹介するけれど、それがきみの気持ちとぴったり同じとはかぎらない。
「自分の場合はどうかな?」と、心の中でくらべながら読んでみてほしい。
【質問】だれかからの「宿題やれ」でやる気が消めつするのはなぜ?

「さーて、宿題でもやろうかな… …」なんて、やる気が出かけたしゅんかんに、おうちの人から「宿題やりなさーい!」って大きな声が飛んでくると、急にやる気がなくなったこと、ないかな?
どうして「宿題やりなさい!」って言われると、あんなにやる気が消えちゃうんだろう。
そのカギは、きみの心の中にかくされている「やりたい!」っていう気持ちの、ふしぎなしくみにあるんだ。
【答え】人はだれしも、「自分で決めたい」という気持ちがあるから。
まず知ってほしいのが、大切な心の働きについて。
それは「自分のことは、自分で決めたい!」っていう、きみが持っている、とても自然で、力強い気持ちのことなんだ。
考えてみて。今日、公園で何をして遊ぶか、友だちと相談して「おにごっこしよう!」「いいね! じゃあ、次はかくれんぼ!」って自分たちで決めたら、すごく楽しいよね。
でも、もし公園に着いたとたんに、「はい、きみはブランコに乗りなさい」「あなたはすべり台を三回すべりなさい」なんて、全部細かく指示されちゃったら、楽しくなくなりそうだよね。
この「自分で決めたい!」っていう気持ちは、子どもも大人も、みんなが持っている、とっても大切な心の栄養なんだ。
自分の行動を自分でコントロールしている、自分で選んでいるっていう感覚が、わたしたちを元気にしてくれる。
「宿題をやりなさい」と言われると……
ところが、「宿題やりなさい!」っていう言葉は、この「自分で決めたい!」っていう気持ちをジャマしちゃうことがある。
「よし、そろそろ宿題に取りかかろうかな」って、自分なりの計画を立てようとしていたところで「やりなさい!」って言われちゃうと、まるで「あなたは自分で時間も決められないの? わたしの言う通りにしなさい!」と言われたようで、自分のコントロールする力を取りあげられたと感じてしまうことがあるんだ。
そうすると、さっきまであったはずの「よし、やるぞ!」っていう前向きな気持ちも、「うーん、なんだかやる気がなくなった… …自分でやろうと思ってたのに… …」って、しぼんじゃう。
どうしたら宿題に前向きに取り組める?
では、どうしたら「宿題やりなさい!」って言われても、自分のやる気を守って、前向きに宿題に取りくめるようになるだろう?いくつかのヒントを紹介するね。
まずは、言われる前にやること。「宿題やりなさい!」と言われるから、やる気がなくなるんだ。だから、言われる前にやってしまおう。もちろん、かんたんなことではないけど、おうちの人に言われる前に始めるのは気分がいいものだよ!
もしできるなら、いつ、どこで、どんなふうに宿題をするか、少しでもいいから自分で決められるように、おうちの人に前もって相談してみてもいいかもしれない。それで、次の日に学校から帰ってきたら、自分から宣言しちゃうんだ。
「今日は学校から帰ってすぐ、おやつを食べる前に、一時間だけ集中してやる」とか、「静かな図書館で、友だちといっしょにがんばる」とか、「好きな音楽を小さな音でかけながら、リラックスして取りくむ」とか。
自分で計画して、自分で実行するっていうのは、それだけで「やらされてる感」がずいぶんとへって、「自分でコントロールしてるぞ!」っていう気持ちになれるんだ。
もし宿題で、やる気が出なくてどうしようもなくなったりしたら、こういうヒントを、ちょっと思いだしてみてね!
ふしぎなこころの世界

森口佑介(著)沼田光太郎(絵)大橋裕之(絵)
小迎裕美子(絵)まずりん(絵)定価 1,540円 (税込)
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小学生100人に聞いた 心の「なぜ?」に
京大の先生がこたえる本!!
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「やらなければいけないことを、つい後まわしにしてしまうのはなぜ?」
「クレーンゲームを、ついやりたくなるのはなぜ?」
「ついつい動画を観ながらゲーム。二つのことを同時にやりたくなるのはなぜ?」
「おばけはいないはずなのに、おばけがこわい! なぜ?」
「赤ちゃん時代の記憶がないのはなぜ?」
小学生100人へのアンケートで集めたリアルな「心のなぜ?」に、京都大学大学院・森口佑介先生が発達心理学の見地からこたえます。
ふしぎとついやってしまう、わかっているのにやめられない…そんな心のクセを知って、自分の心や気持ちとうまくつきあうためのヒントが満載の一冊です。
語りかけるようなやさしい文章で読みやすいのに、内容は本格的。
第一線で活躍する研究者がおくる、知的好奇心を育てる新しい児童書です。
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◆漢字にはふりがなつき◆
ほぼすべての漢字に、ふりがながついています。やさしい文章表現で、小学校中学年から読めます。
◆イラストがいっぱい◆
楽しげで没入感のあるイラストがたっぷり。どんどんページをめくりたくなるしかけがいっぱいです。
◆子どもも大人も楽しめる◆
子どもの素朴な「なぜ?」には、大人も共感できるものも。親子のコミュニケーションツールにもおすすめです。
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「あるある!」「言われてみれば、確かに!」
子どもも大人も思わず読みたくなる
「心のなぜ?」を30個収録!!
・バスの「とまります」ボタンを、むしょうにおしたくなるのはなぜ?
・だれかからの「宿題やれ」で、やる気が消滅するのはなぜ?
・動画を観るのがやめられない! なんで?
・自己紹介をきょひしたい。これってなんで?
・友だちのテストの点数が見たくなるのはなぜ?
・授業中気づくとほかのことを考えています……。なぜ?
・悲しいことがあると、そのことを永遠に考えてしまうのはなぜ?
・だれもいないのに人の声が聞こえる気がする。なぜ?
・ぬいぐるみが大事なのって変ですか?
・もうすぐ夜ごはんなのに、おかしが食べたくなるのはなぜ?
・ねむるしゅんかんを、つかまえたい! どうすればいい?
・人って本当に脳みそで考えているの?
・かげ口や悪口を言われていないか、なんとなく不安になるのはなぜ?
ほか
この記事の監修・執筆者
京都大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専門は発達心理学、発達認知神経科学。子どもを対象に、認知、社会性、脳の発達を研究するかたわら、社会への発信を行っている。主な著書に『子どもの発達格差 将来を左右する要因は何か』(PHP 新書)、『自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学』(講談社現代新書)、『10代の脳とうまくつきあう 非認知能力の大事な役割』(ちくまプリマー新書)など。『ふしぎなこころの世界』(Gakken)が発売中。
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