もうすぐ新年度。進級、進学の季節ですが、「進級」と「進学」では、似ているようでも子どもが受ける環境の変化やストレスの大きさが全く異なります。この記事では、進級・進学それぞれの意味と、おうちでできる準備までをまとめて解説します。
文/ハイドジア
「進級」と「進学」の違いって何?

「進級」と「進学」は、どちらも春になると自然に使う言葉ですが、まったく意味が違います。ここからは、進級と進学の違いを紹介します。
「進級」は同じ学校の中で階段をひとつ上がること
進級とは、現在在籍している学校で学年がひとつ上がることです。小学1年生が2年生になる、中学2年生が3年生になる、といった状態です。
進級の場合、校舎も通学路も校則も前年度と変わりません。クラス替えや担任の交代はあっても、学年全体のメンバーは基本的に同じです。つまり、子どもは「知っている場所」「知っている顔ぶれ」の中で新しい学年を迎えます。
進級を控えた時期にママパパさんが意識したいのは、今の友人関係や先生とのやり取りを大切にするよう子どもに伝えることです。現在の人間関係を意識すれば、新しい学年のスタートも安定しやすくなります。
「進学」は新しい学校の門をくぐること
進学とは、現在の学校を卒業し、上の段階の学校へ入学することです。小学校から中学校へ、中学校から高校へと学年が上がることがこれにあたります。
進学では、校舎・制服・校則・通学手段・友人・教員のすべてが入れ替わります。小学校まで徒歩通学だった子どもが、中学からは自転車や電車を使うようになるケースも珍しくありません。
「なじめるだろうか」という不安は自然な反応ですが、進学先の一日のスケジュールや学校のルールを事前に調べておくだけで、初日の戸惑いはかなり小さくなります。
小学校と中学・高校での進級・進学の違い
実は、小・中学校と高校では、進級に必要な条件がまったく異なります。今は小学生だからまだ先の話、と感じるかもしれませんが、仕組みの違いを早めに知っておくことで、お子さんの学習状況を正しく見極められるようになります。
小学生・中学生の「進級」は基本的に全員一緒に
小学校・中学校では、成績や欠席日数にかかわらず、原則として全員が同じタイミングで進級します。高校のように「成績が足りないから留年」ということは、基本的にはありません。ただし、私立中学の場合は公立と比較して留年してしまう場合もあるので注意が必要です。
留年が原則ないからといって、理解が追いつかないまま次の学年へ進むと、子どもの負担も大きくなってしまいます。お子さんの理解度を日頃から確認しておくことが大切です。
高校からはシビアになる「単位」と「出席日数」
高校に入ると、進級の仕組みはがらりと変わります。各科目に「単位」が設定されており、定期テストの点数と出席日数の両方が一定の基準を下回ると、その科目の単位が認められません。1科目でも単位が取れなければ留年になり、同じ学年をもう一年やり直すことになります。
こうした仕組みは中学校までとは異なるため、小学生のうちから「提出物を期限通りに出す」「休まず登校する」といった習慣を身につけておくことが、のちのちの大きな支えになります。
子どもがつまずきやすい「壁」と乗り越え方
進級・進学はうれしい節目ですが、子どもにとっては知っている場所や顔ぶれが変わる出来事でもあります。
友人関係、授業の内容、学校のルールなど、いくつものことが同時に変わるため、4月以降に「なんとなく元気がない」「学校に行きたがらない」といった様子が出てくることは珍しくありません。ここからは進級・進学でつまづきやすい環境について紹介します。
進級時の「クラス替え」による人間関係
仲の良かった友達と別のクラスになると、4月から学校へ行くのが嫌になる子どもは少なくありません。「すぐ新しい友達ができるよ」と励ましたくなりますが、その言葉はお子さんの「寂しい」という気持ちをいったん打ち消すことになります。
まずは「一緒のクラスじゃなくて寂しいよね」と、今感じていることをそのまま受け止めてあげてください。
また、担任の先生との相性に戸惑う子もいます。帰宅後に話しかけてきたときは、「こうしたら?」とアドバイスするより、「そうなんだね」と聞くことを優先させたほうがお子さんは話しやすくなるでしょう。
学校で気を張っている分、家では安心できる時間をつくることを意識してみてくださいね。
進学時に起きる「ギャップ」と学習の変化
小学校から中学校に上がると、勉強の内容と学校生活が同時に大きく変わります。算数は数学になり、「答えを出す」だけでなく、「なぜそうなるのか」の説明が求められるようになります。
英語も単語を覚えるだけでなく、「聞く」「話す」「読む」「書く」が本格的に始まります。「小学校のときはできていたのに」と感じる子が増えるのは、子どもの能力が落ちたのではなく、勉強で求められることの中身が変わったからです。
また、中学校では定期テストの点数が数字で示され、クラスの中での順位が出るようになります。初めてテストを受けて思うような点数が取れなかったとき、一気に自信をなくしてしまうこともあるかもしれません。
最初の1学期は、テストの点数よりも「新しい生活リズム」に慣れるようサポートするのがいいかもしれません。
おうちでできる「進級・進学」の準備
進級・進学に向けて、「何か特別な準備をしなければ」と感じているママパパさんも多いのではないでしょうか。しかし、この時期に一番大切なのは難しい問題を先取りすることではありません。
お子さんが新しい環境へ踏み出せるよう、おうちの中で安心感をつくっておくことです。ここからは、おうちでできる進級、進学の準備を紹介します。
「違い」を楽しみとして伝える声かけ
進級・進学が近づくと、「中学になったら大変だよ」「もっとしっかりしないと」と、つい注意したくなることがあります。しかし、そういった言葉は子どもの不安を大きくするだけで、前向きな行動にはつながりにくいものです。
「大変になる」という言葉の代わりに、「できることが増える」という視点で話すと、お子さんの受け取り方が変わります。新しい環境を「自由が増える」として伝えることで、子どもは変化を恐れるより楽しみと、とらえやすくなります。
ママパパが変化を楽しみとして話すだけで、子どもにとっての印象はグンと変わるでしょう。
生活リズムという「最強の土台」を作る
春休みは生活リズムが崩れやすい時期です。だからこそ、先に整えておきたいのが、「起きる時間」と「朝ごはん」です。
まず、新学期の登校時間に合わせて、今から起きる時間を決めてみましょう。いきなり1時間早めるのが難しければ、15分ずつ早めるだけでも十分です。
朝ごはんも、品数を増やす必要はありません。温かいスープ一杯でも、決まった時間に食べる習慣があるだけで、午前中の集中力は変わります。
生活リズムが整っていれば、多少勉強につまずいても取り戻す体力が残ります。逆に、睡眠が足りない状態では授業の内容が頭に入りにくく、疲れから気持ちも落ち込みやすくなります。
4月に向けた準備として、春休み中に生活リズムを整えておくことが大切です。
子どもの「新しい一歩」をサポートしよう
「進級」と「進学」は、どちらもお子さんが成長していく過程の一場面です。途中でつまずいたり、学校へ行きづらくなる時期があったりしても、今は学びの形がひとつではありません。
自分のペースで学習を進められる通信制高校、登校への負担を減らしながら学べるサポート校、特定の興味を深く掘り下げられるフリースクールなど、子どもの状況に合わせた選択肢が広がっています。
進級、進学は楽しみでもあり、不安でもある時期です。子どもの気持ちの変化をサポートしながら成長を支えていきましょう。
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