ランドセル選びの際には、まずはデザインや色に目が行きがち。けれども毎日使うものだからこそ、機能性もしっかり考えてから選びたいもの。ランドセルの機能は、親や子どものニーズ、また学習環境に合わせて、年々進化しています。そこで今回は、ランドセルで人気の4ブランド「フィットちゃん(ハシモト)」「ふわりぃ(協和)」「池田屋」「かるすぽ(イオン)」の機能性に注目。そのこだわりポイントを、3回にわたってご紹介します。
文:松田 明子
ステップ3「安全性・耐久性」に注目!
ランドセル選びの第3のチェックポイントは、「安全性・耐久性」。お子さんの通学路の環境や、帰宅時間が遅くなるかどうかなど、個々の生活スタイルも十分に考慮しましょう。学童や習い事で帰宅時間が遅くなりがちな場合は、反射材などの安全面に配慮した機能も選択肢に入れて。通学にバスや電車を使うときは、安全フックなど巻き込み事故に配慮した機能も大切です。また、6年間気持ちよく使うために、基本的な耐久性や保証についても確認しておきましょう。
しっかり光る反射材で夕方の帰り道や雨の日も安心!
子どもを学童に通わせる場合、平日の終了時間は17時~19時となる場合がほとんど。冬場に限らず帰宅が日没後となることも多いので、ランドセルには、夜間にドライバーが遠くからでも視認しやすい反射材がついていると安心です。
もちろん、基本的に明るい時間帯に登下校するなど、生活スタイルによって必須ではない場合もあるかもしれませんが、雨天時などは意外と薄暗い日もあります。また、高学年になってからはクラブ活動や委員会などで何かと遅くなりがちなので、身近な先輩ママパパに相談してみてもよいかもしれません。
フィットちゃん
ランドセルの形状がくっきり浮かび上がる反射材「安ピカッ®︎」。車のライトにあたるとランドセルのふちが光る「安ピカッ®︎」モデルは、反射材の部分が100m先からでも視認できます。
ふわりぃ
明るい時
暗い時
ランドセル全方向に高輝度の反射材を装備した、水平360°+垂直360°の「720°全方向反射」を採用。夕方の帰り道や雨の日に車や自転車のライトが当たると、約100m離れた場所でも反射します(モデル別機能)。
池田屋ランドセル
池田屋ランドセルのマイクロプリズム式反射材(付属)は一般的な反射材より耐水性・耐傷性に優れ、光の反射量は実に3倍。必要な時に付けられるシール式なので劣化しても簡単に交換でき、常に十分な反射性能を発揮します。
かるすぽ
かぶせ、側面、肩ベルトの前面が光る反射材を採用。反射材の位置はモデルによって異なります。
「もしも」のときに対応できる安全性は大丈夫?
ランドセル側面のフック(ナスカン)が、何かに引っ掛かって、子どもが転倒したりケガをしたりしてしまうことがあります。また、フックにかけられた荷物が、電車や車のドア等にはさまってしまう事故も起こっています。ランドセル購入時には、一定以上の力がかかった場合、自動的に外れたり壊れたりするように作られている「安全フック」仕様なのかどうかの確認を。ちなみにフックが壊れても、メーカーに連絡すれば、修理対応をしてくれる場合がほとんどです。
また、肩ベルトのバックルのピンの先端で洋服が破れたり、ケガをしたりすることもあるため、危険防止を目的に、バックルやベルトが工夫されているランドセルもあります。
フィットちゃん
ランドセル側面のフックは25㎏以上の負荷がかかると外れるようになっています。
ふわりぃ
ピン先が外に出ない安全構造の「安全バックル」。また、ランドセル側面のナスカンが、25kg前後の荷重で抜けるモデルもあります。
池田屋ランドセル
フックにさげた荷物が遊具や自動車に巻き込まれてしまっても、一定の負荷が加わると外れる「池田屋フック」。フックを外してDカンのみでも使用できます。
バックルのピンで洋服が破れたり、ケガをしたりしないよう、池田屋ランドセルは全モデルの肩ベルトと小マチのベルトに先端が丸く尖がりのない「ギボシベルト」を採用しています。
かるすぽ
側面の安全フックは、一定の力がかかると外れるようになっています。
6年間安心して使える耐久性&保証をチェック!
国産の製品は基本的に、一定の耐久試験をクリアし、6年間の修理保証がある場合がほとんど。
ランドセルで最も耐久性が重視されている部分は、荷物を入れる本体大マチの上部です。各ブランドでは、ランドセル内部に独自の補強材を入れることで、型崩れを防いでいます。補強材や耐久試験の詳細が気になる場合は、各ブランドのカタログやHPをチェックしてみましょう。
雨の日に気になる防水仕様についてですが、多くのブランドが採用している人工皮革「クラリーノ®」は、素材として耐水性・防水性に優れています。また、天然皮革についても、最近のモデルのほとんどが、表面に撥水・防水加工が施されています。
例えば、池田屋ランドセルは防水性能を重視していて、牛革や人工皮革は全て防水力に優れた特注素材を使用。さらに、防水力バツグンの「ハイパール樹脂フレーム」で覆われた本体内側には縫い目がなく、外側からの浸水をシャットアウトしてくれるそう。
また、6年間の修理保証もほとんどのブランドについていますが、破損の理由に応じて有償になるなど、無償修理の範囲は各ブランドによって異なります。必要に応じて、保証の充実度もチェックしてみましょう。
まとめ
各社の独自性が光るランドセルの「機能」ですが、一概に「このブランドがベスト」とはいえないものです。何より大切なのは、お子さんの6年間の学校生活の大切なパートナーとなってくれるランドセルを選ぶこと。そのためにはもちろん、お子さんが好きな色やデザインや、素材感を重視して選ぶことも選択肢に入れましょう。ランドセル選びの要素のひとつとして、「機能」について考えてみてはいかがでしょうか。
ブランド紹介
●フィットちゃん
https://www.fit-chan.com/
ランドセル国内製造販売本数No.1ブランド。ランドセルの形状がくっきり浮かび上がる反射材「安ピカッ®︎」や、肩ベルトの厚みを増して肩への負担を軽減した「楽ッション®」など、安全性や背負いやすさへの機能も充実。デザインも豊富で、190種50色の中から選べる。
●ふわりぃ
https://fuwarii.com/
早くから軽くて丈夫なランドセルの研究開発を行い、クラリーノ®をランドセル素材に初めて採用。キューブ型の「コンパクトワイド」は、軽量ながらもA4フラットファイル&タブレットPC対応の大容量。子どもの楽しい学校生活を応援したいという想いから、カブセ(ランドセルのふた)部分が替えられる「きせかえランドセル」や、3年生の多感な時期に合わせて届く「未来へつなぐタイムレター」などのきめ細やかなサービスも。
●池田屋ランドセル
https://www.pikachan.com/
1950年創業。耐久性や防水性にこだわった自社開発の革素材と、6年間飽きずに使えるシンプルなデザインが人気。ランドセルは全モデル、パーツによって牛革と人工皮革を使い分ける「ハイブリッド構造」。どれを選んでも機能と性能は変わらず、使い勝手も同じ。牛革か人工皮革かというメインの素材によって、重さと価格が違うだけなので、子どもが好きな色のランドセルを自由に選ぶことができる。
●かるすぽ
https://www.aeonretail.jp/kidsschool/
イオンのオリジナルブランドのひとつ。「かるがる背おえて、すっぽり入る!」ことをコンセプトに背負いやすさと収納力を追求。小マチが8cmまで伸びる「みらいポケット」などの大容量モデルが人気。本体やスティッチの色などを24種類から選べる「はなまるランドセル24」のほか、本体やかぶせの色・デザインを自由に選ぶことで、最大269万通り※の組み合わせにカスタマイズできるランドセルも。色やデザイン選びの自由さも魅力。
※2022年度入学モデルの場合
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