【年末年始におススメ】おもちゃのプロが選ぶ「知育」に役立つカードゲーム5選
みんながおうちに集まる年末年始、子どもも大人も一緒になって楽しめる遊びがしたいですね。そんなときは、かるたやトランプなどのカードゲームで遊ぶ絶好のチャンスです。カードゲームは、家族みんなで楽しめるだけでなく、知育要素が高く、子どもの発達に役立つといわれています。なかでもおすすめのものを、東京おもちゃ美術館のチーフディレクター、田向 優さんに教えていただきました。
お話/田向 優(東京おもちゃ美術館 チーフディレクター)
遊びながら知育ができる! カードゲームのメリット
カードゲームで遊ぶには、ルールと順序を守らなくてはなりません。この2つを理解できるようになるのが、だいたい4歳からです。
カードゲームをすることによって、カードをめくったり配ったりすることでの手指の器用さ、絵柄や言葉などを覚える記憶力、「どうすればいいかな?」と考える思考力、コミュニケーション能力などが育ちます。また、勝ったときや、うまくできたときには「やったー!」という達成感も。年齢が上がると、自分なりに作戦を練る、という思考力も育ちます。このように、カードゲームは子どもの脳にさまざまな刺激を与えてくれるのです。
最初は保護者がルールを説明し、サポートをしながら一緒に遊び、子どもにルールを把握させます。小さな子どもの集中力は長く続かないので、短時間で決着がつくゲームのほうが飽きずに楽しめるでしょう。
レベル★☆☆ 2歳から遊べる 絵合わせつきかるた
◯学研の頭脳開発プラス ひらがなどうぶつえあわせかるた
取り扱い/https://gakken-mall.jp/ec/plus/pro/disp/1/1575036300
販売元/学研プラス
絵/しぶたにゆかり
対象年齢/2歳~6歳
価格/1,100 円(本体1,000円+税)
見ているだけでもかわいい、動物の絵合わせかるたです。
1)動物の顔が描かれた取り札を並べ、読み手は動物の胴が描かれた読み札を読みます。
2)かるたの要領で取り札を取ります。合っていたら読み札をもらって顔と胴の絵を合わせることで、動物の絵が完成します。
読み札の裏には豆知識が書いてあるので、ひらがなを覚えながら動物についての情報も得ることができます。また、取り札の絵と読み札の絵を自由に組み合わせて、オリジナルの動物を作るという遊び方もでき、2歳から6歳まで、長く楽しめます。
レベル★★☆ さっきと違うのはこれだ! 記憶力&集中力アップ
◯Schau mal!(どれがかわったの?) ※日本語説明書付き
取り扱い/https://goodtoy-guide.com/?mode=f15
メーカー/AMIGO(ドイツ)
輸入販売元/ブラザー・ジョルダン社
対象年齢/4歳~
価格/1,540 円(本体1,400円+税)
絵が変化したカードを見つけるゲームです。カードの表裏には、身の周りのアイテムや動植物の絵が描かれています。
1)カードには両面に絵が描かれていて、間違い探しのように、少しだけ違いがあります。※例えば、家の窓の色が変わっている、女の子の持っているぬいぐるみが変わっている…など。
2)出題者は「このカードをよく見て覚えてね。1枚だけ絵が変わりるよ」と言いながら、カードを2~3枚並べます。
3)回答者が5~10秒間目をつぶっている間に、出題者は1枚だけカードをひっくり返します。
4)出題者が「どのカードが変わった?」と聞いたら、回答者が目を開けて当てます。
最初にセットする枚数を増やしていくと難易度が上がります。覚えようという集中力と記憶力が養われるゲームです。
レベル★★☆ 同じ大きさの窓をさがせ! 形の認識に強くなる
◯窓ふき職人
取り扱い/https://goodtoy-guide.com/?mode=f15
メーカー/AMIGO(ドイツ)
輸入販売元/エルフ
対象年齢/5歳~
価格/2,420 円(本体2,200円+税)
同じ大きさの窓を探すだけの、いたってシンプルなゲームです。
1)一人1つずつコマを持ち、絵つきの窓が描かれた6枚のボードを場に並べます。絵つきの窓はすべて大きさが異なり、全部で35個あります。
2)山札から窓のシルエットカードを1枚取ります。シルエットカードの裏には、ボードの絵つきの窓と、同じ絵の窓が描かれています。
3)カードのシルエットだけを頼りに、ボードから同じ大きさの窓を探し、これだと思った窓に、自分のコマを置きます。
4)全員がコマを置いたら、シルエットカードを裏返して答え合わせします。
ボードに描かれている窓と、シルエットの窓の大きさが微妙に違って見えるため、意外と難しいことに驚くことでしょう。「どれだろう?」と形をじっくりと見る観察力や集中力、そして形を認識する力が養われるゲームです。算数の「合同の図形」探しのようですね。決着がつくのが早く、「今度こそ!」と何度もやりたくなります。
レベル★★★ ○○の気持ちになりきって! 語彙力と表現力が伸びる
◯ナンテッタ
取り扱い/https://goodtoy-guide.com/?mode=f15
販売元/すごろくや
作者/吉田昌乗 イラスト/新井洋行
対象年齢/4歳~
価格/1,980円(本体1,800円+税)
1)カードを15枚選んで並べます。カードにはキャラクターのいろいろなシーンと、吹き出しが描かれています。
2)読み手は頭の中で1枚を選び、そのキャラクターの気持ちを考え、吹き出しに入りそうなセリフを声に出して言います。
3)取る人は、そのセリフがどのカードのものかを当てます。
読み手は、キャラクターの気持ちを考えて言葉にする表現力や、語彙力が養われます。また、当ててもらうことで、「そう、そのキャラクターのセリフなの! わかってもらえた」と、自分の気持ちを誰かに共感してもらえる、うれしさを感じることもできます。
取る人は、セリフを考えたことに感心したり、絵柄に対する感じ方が自分とは違うことにハッとしたり、他の人の感性に触れながら、感受性が刺激されます。
レベル★★★ 不思議な生き物に名前をつける! 記憶力&判断力が伸びる
◯ナンジャモンジャ ※「シロ」「ミドリ」の2種類があり、キャラクターが違います。
取り扱い/https://goodtoy-guide.com/?mode=f15
販売元/すごろくや
作/Лебедева Алёна
対象年齢/4歳~
価格/1,430円(本体1,300円+税)
カードに描かれているのは、頭と手足だけのカラフルで不思議なキャラクター、ナンジャモンジャ。全部で12種類のキャラクターがいて、各5枚ずつあります。
1)1人目が、真ん中に置いた山札を1枚めくって場にキャラクターを出し、そのキャラクターに名前をつけます。
2)次の人も同じようにカードをめくり、初めて出たキャラクターには名前をつけていきます。
3)こうして1人ずつ順番に「めくっては新しいキャラクターに名前をつける」を繰り返し、もし、すでに誰かが名前をつけたキャラクターがめくられたら、全員急いでそのキャラクターの名前を言います。
4)最初に名前を言えた人が、場に集まったカードをまとめてもらい、ゲーム終了後に、カードの枚数が一番多い人の勝ちです。
既出のキャラクターの名前を覚えておく記憶力、名前がついていない不思議なキャラクターに自分なりに考えて命名する感性が鍛えられます。ゲームを重ねるごとに、名前がすぐに出てこないこともあり、案外、子どもの方が強いこともあるゲームです。
いかがでしたか? どれもシンプルで簡単なのに、頭脳をフル回転させなくてはならない遊びばかりです。子どもの脳を刺激するカードゲームで楽しく年末年始を過ごしてみましょう。
ならない遊びばかりです。子どもの脳を刺激するカードゲームで楽しく年末年始を過ごしてみましょう。
東京おもちゃ美術館
自分でおもちゃが作れる「おもちゃこうぼう」、木工作が楽しめる「いとのこや」、世界各国のボードゲームが楽しめる「ゲームのへや」など、さまざまなおもちゃの世界を満喫できる体験型のミュージアム。東京都新宿区四谷4-20四谷ひろば内
この記事の監修・執筆者
2015年に東京おもちゃ美術館入職。館内にある11部屋のうちの一つ、大人も楽しめるボードゲームが取り揃えられた「ゲームのへや」を3年間担当しカードゲームのスペシャリストを呼ぶ特別イベントなどを企画。現在はチーフディレクター。
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