足が速いのは遺伝じゃない! 子どもの運動能力を伸ばす方法 ~運動会のかけっこで一等賞をとろう!~

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「うちは夫婦そろって運動苦手だし、うちの子が運動オンチなのも遺伝だから仕方がないのよ」なんて思っていませんか? あきらめるのはまだ早い! 実は、子どもの運動神経は、幼児期に体をたくさん動かしたかどうかで決まります。

特別な場所や道具が必要なわけではありません。楽しく、自由に、全身をまんべんなく動かすことが大切! そこで家庭でも簡単にできる、運動能力を伸ばす方法をご紹介します。

お話:遠山 健太(リトルアスリートクラブ代表トレーナー、株式会社ウィンゲート代表取締役、子ども運動指導技能協会理事)
http://little-athlete.com

目次

「運動が苦手」な原因は、「遺伝」ではなく「環境」

運動が苦手なのは、実は先天的なものよりも後天的な要素が多いようです。なかでも、運動が苦手な両親が、あまり子どもを外遊びに連れていかないために、子ども自身が体を動かす経験が足りず、結果的に運動が苦手になってしまうケースが典型的です。

ただ、幼い頃から、野球やサッカーなどの習い事をすれば運動の得意な子に育つか、というとそれも正解ではありません。スポーツを習うと、そのスポーツで必要な特定の体の使い方は身につきますが、体の使い方が偏ることが問題です。肩は回るけど股関節は硬いといった具合に、得意な動きと苦手な動きが出てしまうことがあるのです。

運動能力が高くなるポイントは、主体的に遊ぶこと

子どもの運動能力を高くするには、歩きはじめたら積極的に外遊びに連れていくことがポイントです。このとき気を付けたいのは、子どもが自分の意思で体を動かし、主体的に遊べるようにすること。親が「運動させなくては」と過度に意識して、子どもの意思が置いてきぼりになってしまってはいけません。子ども自身が楽しく遊べるように考えながら、親がいっしょに体を動かし、率先して外遊びを楽しみましょう。子どもが遊んでいるのを横目に、ベンチでスマホをいじるのは問題外です。

外遊びのときに意識したい3つのポイント

外遊びが習慣化してきたら、次の3つのポイントを意識して子どもといっしょに遊んでみましょう。

1.遊具を使って力を鍛え、おにごっこで持久力アップ!

全力で動き回ることで、筋力がつき、動き続けることで持久力がつきます。おにごっこなどで走り続けると、下半身の筋力がつき、持久力も高まります。遊具を使って押す引くという動きをすることで、上半身の筋力がつきます。

2.4つの関節を動かす遊びで柔軟性アップ!

足首、股関節、胸椎、肩の4か所の関節を、あらゆる方向に動かすことが大切です。たとえば、前後左右に走り回ることで足首を、障害物を乗り越えたり、ボールを蹴ったりすることで股関節が動かせます。でんぐり返しや鉄棒のぶらさがりでは胸椎を、キャッチボールや凧あげなどでは肩の関節を動かせます。

関節は使わないと固くなってしまいます。股関節を使う遊びをしたら、今度は、肩を動かす遊びをするなど、4か所の関節をまんべんなく使うことを意識しましょう。

3.おにごっこで調整力アップ!

専門的な言葉で表すと「コーディネーション能力」。目や耳から入った情報を脳に伝えて、体の各部に明確な指令を出す力です。何かに反応したり、バランスをとったり、リズム感よく動いたりなど、自分の思った通りに体を動かす力を養います。色おに、しっぽとり、たかおになどは、まさにぴったりの遊びですね。

動けるようになったら「リビングアスレチック」

「公園で遊ぶにはまだ早い?」という時期なら、リビングなどの広いスペースにアスレチックを作ってみるのもアイデア。布団を丸めた山を乗り越えたり、ダンボールのトンネルをくぐったり、小さな台を置いてジャンプ台にしたりすることで4つの関節をまんべんなく動かせます。

また、ときどき障害物の位置や形をアレンジすることで飽きることなく遊べ、調整力も養われます。大きくなって野外のアスレチックに出かけたときには、難所を楽々とクリアできるはず!

運動能力を伸ばしやすいのは、身長が急激に伸びる時期まで

体を動かすことで運動能力が伸びる時期は、身長が急激に伸びる「成長スパート期」までが目安。「成長スパート期」とは、一年でもっとも身長が伸びる時期で、一般的には女子は小学校高学年、男子は中学生頃に見られます。子どもの「成長スパート期」を見極めるには、小学校に入ったら、2か月に一度くらい身長を計ってグラフにしておくとわかりやすいです。一瞬、数値の伸びが落ち、その後急激に数値が伸びる時期が来ます。

我が子の運動能力をあきらめるのはまだ早い! 明日からの公園デビューで、未来のオリンピックで活躍する姿が見られるかもしれませんよ。

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