「うちの子、もしかして発達が遅れている」前編 わだことみ先生の子育てお悩み相談室【3】

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「うちの子、もしかして発達が遅れている」前編 わだことみ先生の子育てお悩み相談室【3】

「4歳でひらがなが書けないのは、発達が遅いのかしら?」「計算は何歳で教えればいいの?」など、頭脳面での「発達」について悩んでいるママ&パパも多いのではないでしょうか。
今回は、子どもの発達とどう向き合えばいいのかを、幼児教育研究家であり絵本作家のわだことみ先生に教えていただきます。

目次

2~6歳は得意なことを伸ばす時期

 幼児期の子どもの成長は本当に個人差が大きいもの。早めに才能が開花する子もいるけれど、大器晩成型の子もいるので、焦る必要はまったくありません。

極端なことを言うようですが、基本的な読み書きは成長すれば誰でもできるようになりますよね。だから幼児期は、「何歳までにこれができていなければダメ」という固定観念にとらわれないこと。小さな芽が出たばかりなのに、無理に引っ張ったり過剰に栄養を与えたりすると、せっかく出た芽も枯れてしまいます。子どもにはそれぞれ成長する「時期」が必ずありますから、子どもを信じて温かく見守ることが大切です。

2~6歳は得意なことを伸ばす時期

むしろ、この時期にお母さんに心を配ってほしいのは、お子さんが目をキラキラさせて取り組んでいる分野が何なのか、しっかり見極めること。お子さんが「好きなこと」を見つけたら、それがお母さんの「やってほしいこと」と違っていたとしても存分にやらせてあげましょう。
 
この時期は学習の「スタート地点」。大切なのは、好きなことを好きなだけやって「集中力」を育むことや、新しいことを吸収する「面白さ」を知ること。それが生きていく上で大切な力=難しそうなことに直面しても「やってみよう!」と思う気持ちを育てることにつながっていくんです。そのためには、お母さんが目の前のことに振り回されないこと。おおらかな気持ちでお子さんの心に寄り添いましょう。 

2~3歳のイヤイヤ期の対応

 2~3歳の反抗期の子どもに何かを「やらせる」のは、とても難しいですよね。この年代の子には、お母さんの方から「やりなさい」と言うのは、絶対NG。子どもは「やらされている」と思うと一気にやる気がなくなってしまいます。効果的なのは、「自分で選ばせること」。子どもがお母さんから一人の人間として「大切にされている」と感じることで親子の信頼関係が育ちますし、自分で選んだものは最後までやろうとします。そして責任感も強くなるのです。

あとは「楽しい」と思ってもらうための演出がとても大事。例えば「動物の名前を覚えてほしい」と思ったら、学校ごっこをしましょう。子どもに先生役になってもらい、「先生、ワンワンと鳴く動物は何ですか?」とママが生徒役になって聞きます。できたら、ごほうびとしてノートにスタンプを押したり、シールを貼ったりするなど、お母さんも楽しみながら、演出する方法を考えるといいでしょう。

一度「イヤ」と思ってしまったら「イヤイヤ」が止まらなくなるのがこの時期の子ども。ワークに挑戦するとしても、年齢相応のワークが難しいと感じたら、迷わず下の年齢のワークに戻ってみましょう。そうすればスイスイ進んで自信がつき、うれしくなります。自信がつけばもっと難しいことにも挑戦してみようと思えるようになる。同時に、集中して何かに取り組むことの楽しさも身についていくはずです。

――2~6歳の「発達」で大切なのは、何かが「できる/できない」ということよりも、目の前のことに「集中して取り組む」癖がついているかどうかなんですね! 勉強させたいけれど落ち着きがなくて……という時は、子どもが「集中」できるものを遊びの中で見つけていくといいのかもしれません。
 
次回は、文字への興味の持たせ方についてうかがいます。

この記事の監修・執筆者

幼児教育研究家、絵本作家 わだ ことみ

1958年生まれ、東北大学工学部卒業。
塾、予備校、幼児教室で幼児から高校生まで長年指導。
現在までに知育絵本、幼児向けの知育ドリル、絵本など300冊以上を執筆、
知育関連の雑誌、幼児番組、おもちゃ、アプリのアドバイザー、監修も務める。

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