3~5歳くらいのお子さんは、「なんで?」「どうして?」と聞いてくる「なんでちゃん」です。一つ答えるとその答えにさらに「なんで?」と聞いてくることも。
疑問の答えを調べることはできても、それを小さい子にわかるように言い換えるのは案外難しいことですね。ここでは、りんごちゃんが小さい子にわかりやすいことばで、季節のトピックにおこたえしていきます。
(り)もうすぐクリスマス!クリスマスケーキ、楽しみだね~。
(な)ねえ、りんごちゃん。クリスマスケーキって、いつからあるのかな?
(り)日本では、100年くらい前に「クリスマスケーキ」を売り始めたんだ。最初はフルーツケーキに、砂糖のころもをかけたものだったよ。
(な)いちごとクリームのケーキじゃないんだ…。
(り)そのころは、洋菓子がめずらしかったし、冷蔵庫がない家も多くて、買っても家で冷やせなかったんだ。80年前には、冷蔵庫がある家がどんどんふえていったから、クリスマスケーキがもっと売れるようになったんだって。
(な)へえ〜。今は、いろんな種類のクリスマスケーキがあって、いいよね!
(り)外国のクリスマスケーキも、日本で売っているしね。
(な)え! 外国のクリスマスケーキってどんなの? 教えて〜りんごちゃん!
世界のクリスマスケーキ
フランス
ビュッシュ・ド・ノエル(ブッシュ・ド・ノエル)
「クリスマスのまき」という意味。
まきや、切り株のようにかざったケーキ。
クリスマスイブに、大きなまきを暖炉にくべた習慣から。
ドイツ
シュトレン(シュトーレン)
「トンネル・坑道(地下や山にほった道のこと)」という意味。
木の実やドライフルーツを入れた、甘くてかたいパン。
クリスマスの数週間前から、うすくスライスしてちょっとずつ食べる。
イギリス
クリスマスプディング (photo by alh1)
ドライフルーツをたっぷり入れた生地を蒸して作る。
食べるときにお酒をふりかけてから、火をつけてあたためる。
ミンスパイ
ほしたくだものが入った小さなパイ。
ミンスはひき肉のことで、最初は羊のあぶらや細かい肉で作っていたが、今はフルーツが一般的。
イタリア
パネトーネ
「大きなパン」の意味。
ドライフルーツを入れた甘いパン。
パンドーロ(photo by Giuseppe Milo)
「黄金のパン」の意味。
卵がたっぷり入ったふわふわのパン。
クリスマスクッキーも人気!
(り)外国ではケーキのほかにも、クッキーをたくさん焼いて、クリスマスツリーにかざったり、贈り合ったりすることもあるよ。
(な)あ、見たことある!
アメリカ
ジンジャーマンクッキー
ジンジャーブレッドハウス
しょうが入りのかた焼きクッキーを、人の形にぬいたものが、ジンジャーマンクッキー。クッキーでおうちを作って、キャンディーやグミでかざりつけたおかしの家も人気。
ドイツ
レープクーヘン
レープクーヘンハウス(ヘクセンハウス=魔女の家 ともいわれる)
レープクーヘンは、はちみつと、スパイス入りのクッキー。
ハート形などに焼いた大きなクッキーが売り出され、ツリーのかざりや、贈り物にする。
家のパーツ形に焼いて、粉砂糖で作ったアイシングで組み立て、おかしでかざりつけた「おかしの家」も人気。
また、ドイツでは、クリスマスの前に各家庭でたくさんクッキーを焼く習慣があり、クリスマスクッキーには、ほかにもいろいろな種類がある。
(り)おかしの家は、かざったあとは、もちろん全部食べちゃうんだって。
(な)いいなあ!中に入れるくらいの大きいおかしの家、作ってみたーい!
(り)それは食べきれないよ〜(笑)
参考文献:近藤二郎 総監修『21世紀こども百科 もののはじまり館』(小学館)/新谷尚紀 監修『ポプラディア情報館 年中行事』(ポプラ社)/国際機関日本サンタピア委員会 監修『クリスマス事典』(あすなろ書房)/『クリスマスはスゴイ!! 月刊『音楽広場』の特集を特別編集』(クレヨンハウス)/角野栄子 作『クリスマス・クリスマス』(福音館書店)/芳賀日出男 監修『国際理解を深めよう! 世界の祭り大図鑑 知らない文化・伝統・行事もいっぱい』(PHP研究所)/北岡正三郎 著『物語 食の文化』(中公新書2117)
参考ホームページ:
あの不二家が元祖だった!? クリスマスケーキ誕生秘話
じゃぱねすくライフ【海外】クリスマスの伝統のおかしと人気のおかし【日本】
地球の歩き方編集部・取材&日記(クリスマスの伝統おかし イギリス編〜ミンスパイ〜)ほか
こそだてまっぷから
人気の記事がLINEに届く♪